天才たちに共通する「脳の使い方」があった!

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ハーバード・メディカル・スクールで教鞭を執る「脳の専門家」スリニ・ピレイ博士が、集中力と表裏一体の関係にある「非集中力」の驚くべき力を活かすメソッドを明かした新刊、『ハーバード×脳科学でわかった究極の思考法』がいよいよ日本に上陸。
 同書によれば、人類史に貢献するような天才たちには、共通の「頭の使い方」があるという。果たして、脳疲労を抑制し、思考力を劇的に高める「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」の6つの役割とは?

集中モードだけでは浅い成果しか得られない!?

 世の中には、ずば抜けて聡明な人たちがいる。その無限のバイタリティと研ぎ澄まされた頭脳にはただただ驚かされるばかりだ。たとえば、ドイツの作曲家ゲオルク・フィリップ・テレマンは2年間で200の序曲を作曲したし、ベンジャミン・フランクリンは避雷針、軟性カテーテル、遠近両用メガネなど無数の発明を行った。彼らは私が「集中回路」と呼んでいる前頭頭頂皮質を操る達人だ。何か課題に取り組もうとしているときにはいつでも、自由自在に集中力を呼び出せるのだ。

 より大きな「中央実行ネットワーク」(CEN)の一部である集中回路は、テレマンやフランクリンほど極端でなくとも、作業に取り組む集中力を保ってくれる。レシピどおりに料理をつくるのであれ、複雑な手術を行うのであれ、確定申告書を記入するのであれ、カーナビの音声に耳を傾けながら見知らぬ場所を運転するのであれ、集中回路は懐中電灯のように目の前の道を照らし出す。

 しかし、この能力だけではまったく不十分だ。研ぎ澄まされているだけでは深みが感じられない場合もある。音程はすべて正確だけど心のこもっていないピアニスト、といえばわかると思う。テレマンの音楽を演奏したり聴いたりした経験があるなら、彼が集中だけに頼って作曲していなかったことがわかるはずだ。

 つまり、この浅さというのは、集中だけにこだわる人々に表れる性質なのだ。テレマンとはちがい、そういう人々は世の中にあふれている。融通のきかない上司。利益至上主義者。隅々まで正確だが深みのない報告書を書いてくるロボット人間。彼らの言うことは明瞭なのだが、広がりに欠ける。カーナビの比喩を広げるなら、旅のずっと先に待ち受けるものも知っておくべきだ。目の前の道を見るだけでなく、せめて旅の中間地点、あるいは次の1時間くらいはイメージできるようにしておくべきなのだ。

 こうした広がりや深みを得るには、一点を照らす懐中電灯の光を広げて、周囲にある重要なモノや情報が見えるようにしておかなければならない。この視野の拡大を実現する脳の回路こそ、私が「非集中回路」と呼んでいる「デフォルト・モード・ネットワーク」(DMN)だ。

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