若い女性を中心に絶大な支持を集める「しまむら」ですが、地方への出店が飽和状態になりつつある中、遂に都市部への出店を本格化するようです。これを受け、無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者・佐藤昌司さんは、しまむらの都市部出店が本格化すれば、似た業態・価格帯のユニクロやGUと本格的に激突する可能性が高いとしています。

しまむら、都市部出店でユニクロ・GU連合と激突

カジュアル衣料品大手のしまむらが都心の一等地を含めた都市部にも出店していく方針です。これまで地方のロードサイドを中心に出店を重ねてきたため、都市部は同社にとって開拓が遅れていた地域となっていましたが、今後はその様相が変わってきそうです。

都市部での出店は同社が筆者の取材に対し明らかにしたものです。銀座や新宿、原宿といった超一等地への出店もありうるとし、出遅れていた都市部での出店を急ぎます。

同社は現在、主力業態の「ファッションセンターしまむら」を約1,400店展開しています。他に、若者向けの「アベイル」やベビー・子供用品の「バースデイ」、雑貨中心の「シャンブル」などを展開し、グループの国内店舗数は約2,100店にもなります。将来は3,000店にまで増やす方針です。

しまむらは1953年に創業。地方の主婦をメインターゲットとし、主に郊外のロードサイドや住宅街に出店し成長してきました。2002年に全47都道府県に出店を果たし、03年にはグループで1,000店を達成。06年にはしまむら業態だけで1,000店体制を構築しています。

しまむらはユニクロのようなSPA(商品の企画・生産から販売までを自社で一貫して手掛けるビジネスモデル)ではなく、メーカーから商品を仕入れて販売するビジネスモデルを採用しています。多数の取引先から多種多様の商品を仕入れ、バイイングパワーを生かして低価格で販売しています。

しまむらは次第に人気を博すようになりました。全身をしまむらでコーディネートする「しまラー」と呼ばれる若い女性がメディアで取り上げられたり、掘り出し物を求めてしまむらの店舗を訪れる「しまパト」(しまむらパトロールの略)で見つけた商品をネット上にアップして盛り上がる人が続出するなど、しまむらならではの消費文化を生み出してきました。

しまむらの業績は右肩上がりで成長しています。リーマン・ショックの影響で09年2月期は前の期からわずかに減収となったものの、それ以降、17年2月期まで8期連続で増収を続けています。17年2月期の売上高は5,654億円、最終的な儲けを示す純利益は328億円です。ユニクロを運営するファーストリテイリングを追撃しています。

ただ、これまで通り郊外のロードサイドを主戦場にしていてはいずれ成長が止まってしまうでしょう。郊外ロードサイドでの出店は一巡し、飽和状態に達した感が否めないためです。

一方、都市部は開拓が遅れています。逆に言うと、開拓の余地がまだまだ沢山あると言うことができます。いずれにしても、成長を続けるためには都市部でのさらなる出店が欠かせないといえるでしょう。

このように、しまむらは都市部での出店に課題があるわけですが、とはいえ、まったく手をつけていないわけではありません。11年ごろから都市部での出店を強化しています。

たとえば、「しまむらアクアシティお台場店」(東京都港区)、「しまむら津田沼パルコ店」(千葉県船橋市)、「しまむら博多バスターミナル店」(福岡市)はいずれも都市部にある商業施設などの大型施設内にあります。しかも、いずれも鉄道の駅からすぐ近くの立地です。都市型店舗の典型例といえるでしょう。

このように、しまむらも都市部での出店を着々と進めています。とはいえ、その数はそれほど多くはありません。

しまむらの今後の出店のお手本になりそうなのがユニクロです。ユニクロはしまむらと同様、初期の頃は主に郊外ロードサイドで成長を遂げてきましたが、やがて都市部にも積極的に出店するようになりました。しまむらの先を走っているといえます。

ユニクロは98年に首都圏初の都市型店舗「ユニクロ原宿店」を東京・原宿に出店したのを皮切りに、12年には「ユニクロ銀座店」(東京都中央区)を出店するなど都心の超一等地にも積極的に出店してきました。また、都市部の商業施設への出店も進んでいます。

しまむらがユニクロのように銀座や新宿、原宿といった超一等地や都市部の商業施設に積極的に出店することになったら面白いことになりそうです。

ただそうなった場合、価格帯やファッション性の観点から考えると、大きな競争相手となるのはユニクロよりもむしろユニクロの姉妹ブランドのGUになると筆者は考えます。

GUの1号店が誕生したのは06年。ユニクロの7割程度の価格で衣料品の販売を始めました。09年に990円のジーンズの販売を開始して大ヒットし、価格の安さを世間に印象付けることに成功しています。

GUはユニクロとバッティングしないよう、価格帯のほか、品ぞろえの面でも違いを打ち出しています。ユニクロはベーシックアイテムを基本とし、若者はもちろん幅広い層をターゲットとしているのに対し、GUは流行を取り入れたファッション性の高いアイテムを多く取りそろえ、若い女性をメインターゲットにしています。

しまむらもGU同様、流行を取り入れたファッション性の高いアイテムが多く、やはり若い女性をメインターゲットとしています。価格帯はGUと同程度と言っていいでしょう。そのため、競合度はユニクロよりもGUのほうが高いといえます。

GUの国内店舗数は約380店。郊外ロードサイドに加え、都市部の商業施設にも積極的に出店し、銀座や新宿、心斎橋といった超一等地にも出店を果たしています。都市部での出店という観点ではGUもしまむらの一歩先を走っているといえるでしょう。

しまむらが今後都市部での出店を強めていくことになれば、しまむらとGUが競合するケースが増えていきます。そうなれば、両者は激しい競争を繰り広げることになるでしょう。その場合、どちらに軍配が上がるのかが気になるところです。

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