JALと折り紙ヒコーキ協会が「JAL折り紙ヒコーキ全国大会」を初開催。全国各地の予選を勝ち抜いた40名が競い合いました。つくり方は「バガス紙」を「折る」だけのシンプルなもの。どれぐらい飛ぶのでしょうか。

JALグループには「折り紙ヒコーキ」認定指導員が約1200名

 JAL(日本航空)と折り紙ヒコーキ協会は2018年3月18日(日)、「JAL折り紙ヒコーキ全国大会」を大田区総合体育館(東京都大田区)で初めて開催しました。


一斉に折り紙ヒコーキを飛ばす選手と関係者(2018年3月18日、高橋亜矢子撮影)。

 大会は小学生以下の部と、中学生以上を対象とした一般の部に分かれての実施。小学生以下の部1100名、中学生以上の部663名で行われた全国各地の予選会を勝ち抜いた40名が、今回の全国大会に参加しています。

 JALはCSR(企業の社会貢献)の一環として、空への夢と交流の輪が広がることを願い、「折り紙ヒコーキ教室」を各地で開催。その活動を盛り上げるべく、今大会を開いたとのこと。JALグループには「折り紙ヒコーキ」認定指導員の資格を持つ社員が約1200名いるそうで、その指導員になるための講習を、折り紙ヒコーキ協会が行っています。

 この「折り紙ヒコーキ」は、使える素材は「紙」だけ、製作方法は「折る」のみという、大変シンプルなもの。そのため、手軽に楽しめる遊びである一方、細かい折り方ひとつで飛び方が異なり、よく飛ぶ「折り紙ヒコーキ」は、手元を離れてから床に着地するまで数十秒を要することもあるそうです。

 ちなみに2018年現在、室内滞空時間のギネス記録は「29秒2」。折り紙ヒコーキ協会の会長である、戸田拓夫さんの記録です。「折り紙紙ヒコーキは、折りあげた瞬間から個性が出てきます」と戸田さんは話します。

「バガス紙」を使って製作 優勝者の滞空時間は?

 今回、競技用「折り紙ヒコーキ」の製作にあたって配布されたのは、A5サイズの「バガス紙」という、サトウキビの搾りカスで作られた紙です。非常に軽く、「折り紙ヒコーキ」の飛行に適しているとのこと。

 大会ではまず、それぞれが3分間で3投し、1投あたりの滞空時間が長かった上位4名が決勝に進出。決勝では、それぞれが5分間で5投し、そこでもっとも長い滞空時間を記録した人が優勝です。


競技で使われた「折り紙ヒコーキ」。

入賞者に贈られた、JALボーイング787型機の模型や「折り紙ヒコーキ」型のトロフィー。

折り紙ヒコーキを投げる様子。

 中学生以上を対象とした一般の部の優勝は、滞空時間17.53秒を記録した、関西代表の岡田拓巳(たくみ)さん。小学生以下の部優勝は、14.75秒を記録した、オホーツク代表の岡本広夢(ひろむ)くんでした。優勝者には、JALボーイング787型機の模型や「折り紙ヒコーキ」型のトロフィー、来年の全国大会への出場権などが贈られました。

 なお、入賞者の紙飛行機歴や、練習時間は選手によって大きく異なるようで、一般の部で優勝した岡田さんの紙飛行機歴は約12年、幼稚園のころから飛ばし始めたそうです。

 一般の部で4位に入賞した沖縄代表 山里温夢(あつむ)さんの紙飛行機歴は約半年。昨年行われた宮古(沖縄)のプレ大会へ参加した際、「楽しい」と感じたことをきっかけに「折り紙ヒコーキ」を始め、全国大会前は毎日のように、近隣の体育館で放課後に3時間くらい練習を行なっていたとのこと。

 JALと折り紙ヒコーキ協会は、「東京オリンピック・パラリンピック」が開催される2020年には、「JAL折り紙ヒコーキ世界大会」を東京で開催する予定。今後も「折り紙ヒコーキ」を通して、次世代育成を広げていくそうです。