独アリアンツの「ビットコインはバブル」の根拠 一部に疑問点も

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独保険大手アリアンツの運用部門、アリアンツ・グローバル・インベスターズのグローバル経済・戦略責任者シュテファン・ホフリヒターは先ごろ、「資産価格バブルの定義」に関する考えを明らかにした。

ホフリヒターによれば、ビットコインには「通貨としても資産クラスとしても、致命的とも言える欠陥がある」。そのため、問題はビットコイン・バブルがはじけるかどうかではなく、「いつはじけるか」だという。

「資産バブル」の基準

筆者はビットコインが、ホフリヒターが示した資産バブルの基準の全てに該当するとは思わない。だが、以下については確かに当てはまると言えるだろう。

・「新時代」の資産
過去にも「これは今までとは違う」という言葉が、多くの資産の過大評価とその後の反発を引き起こしてきた。現時点では、仮想通貨の他に「新時代」「最先端」と言えるものはないだろう。だが、仮想通貨を巡る今の状況は、2000〜2001年のITバブル期によく似ている。当時、「インターネット」という言葉を社名に付ければ、あるいはそれに関連さえしていれば、事業内容に関わることなく、株価は上昇するように思われた。

・取引量の「急増」
ビットコインの取引量は、過去5年の間におよそ5倍に増加した。筆者の考えでは、これは資産価格の急騰と言い換えることもできる。バブルが発生するのは大抵、価格が急騰している(そして、後になって振り返ってみた場合にしかそれを把握できない)ときだろう。価格の上昇傾向は投資家にさらなる投資を促し、「グレーターフール(もっと愚かな者はいる)理論」によって説明される状況が起きる。そうなれば、売りが増えれば残念ながら、価格は急落することになる。

ホフリヒターのバブルの判断基準の中には、資産価値の「過大評価」も挙げられている。だが、筆者はビットコインがこれに該当すると考えることに疑問を感じる。過大評価されていると見ること自体にはうなずけるが、ビットコインは何をベンチマークに価値を評価するかが明確ではない。

収入も利益も生み出さないビットコインの価値を、従来の方法で評価することはできないはずだ。ビットコインを発行するためのコストも、どこでマイニングが行われるかによって大幅に異なるだろう。価値が「過大評価されている」と言うのは難しい。

その他のバブルとの比較

ホフリヒターはビットコインの値動きを、1975〜1985年の石油価格、1975〜1982年の金価格、1636〜1637年のチューリップなど、14の資産価値の変動とビットコインの値動きをグラフで比較している。それぞれの資産価値がピークに達した前後の5年間の価格の推移を比較できるこのグラフを見ると、ビットコイン価格がその他の資産と比べ、どれだけ短期間でどれだけ高値に達したかが分かる。これは、ビットコイン・バブルがその他のどの資産よりもハイリスクであることを意味する。

内在する価値が「ゼロ」

ホフリヒターは、ビットコインには本質的な価値がなく、収入を生むものではないと考えている。これは、ビットコインに関する米著名投資家ウォーレン・バフェットの考え方に非常に近い。

また、ホフリヒターはビットコインを通貨でも価値を保存できるものでもないと考えている。ボラティリティーと取引コストの高さが、どちらの分類にも適合しないものにしているというのだ。さらに、ビットコイン価格の暴落が株式・債券市場に大きな影響を及ぼすとは考えていない。「市場規模」が小さいためだ(この点については、筆者も同感だ)。

ブロックチェーンは別

一方でホフリヒターは、仮想通貨取引を可能にしているブロックチェーン技術については、投資家に大きな利益をもたらす可能性があるとの見方を示している。同技術の導入によって、トランザクションの承認にかかるコストが大幅に削減できるというメリットがあるためだ。