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男性社員って、なぜあんなことするの? 男社会の不思議で怖い5つの習慣を取り上げ、雑誌「プレジデントウーマン」の3人女性読者が、雑誌「プレジデント」の3人男性読者に本当のところを尋ねた。史上初の兄妹誌読者混合座談会――。
▼史上初の兄妹誌対談! 男社会のあれやこれやを徹底討論します。
「PRESIDENT」読者●磯野さん(サービス・30代前半)、山岡さん(流通・40代前半)、川中さん(不動産・40代後半)
「PRESIDENT WOMAN」読者●若杉さん(金融・20代後半)、長山さん(メーカー・30代前半)、羽生さん(エネルギー・30代後半)、岡田さん(金融・40代前半)

■Q:タバコ部屋では、何をコソコソ話しているんですか?

【若杉】私はタバコ部屋に入ったことないですけど、あのなかにいる男性たちって、他人の悪口とかで盛り上がってるんじゃないかと思います。実際に男性の先輩が「タバコ吸ってるときに聞いたんだけどさ……」って、ディープなうわさ話を教えてくれたことがあって。

【山岡】タバコを吸うとニコチンの作用で気が緩むのか、ポロッと本音が出るみたいですよ。この時代に喫煙者というだけで、一種の共犯者意識というか、連帯感みたいなものが生まれるみたいだし。

【羽生】タバコ部屋の男性たちがすごく仲良さそうに見えて、うらやましいなぁと思うことがあります。あそこで他部署の人と親しくなったり、仕事に役立つ情報が聞けたりするんじゃないかな。

【山岡】でも、思いっきり仕事の話をされるのも困るんですよね。あるとき会議が終わって、上司たちはタバコを吸いに行ったから、僕は自席に戻ったんです。そしたらタバコ部屋で会議のつづきを話したらしくて、あとで「なんでこのことを知らないんだ!」と叱られた。

【羽生】ひどーい、めっちゃ理不尽。

【山岡】僕はタバコを吸わないのに、その次からは一緒についていって、副流煙を吸いながら「ああ、そうですか……」って話を聞くようにしてますよ。

【岡田】私の夫も吸わないけど、帰宅したらタバコ臭いから理由を聞いたら、同じようなこと言ってました。ふつうのコミュニケーションにしても、わざわざ就業時間中にタバコ部屋でやらなくてもいいですよね。帰りに飲みに行って話せばいいのにと思います。

【川中】私は2カ月前に禁煙したんです。それまでは、社内にタバコ部屋がないから近所のコンビニまで吸いに行ってた。1日10本だとしても2時間ぐらい席を離れていたことになりますね。

【岡田】最近の風潮で「もっと効率を上げて残業するな」って言われるのに、そんなに休憩したら残業が増えちゃいますよ。

【川中】今は禁煙したから喫煙タイムがムダだったことに気づきましたけど、管理職のおじさんたちはどうせ残業代はつかないし、早く帰っても家に居場所がないからいいと思ってるんですよ(笑)。

■Q:ダメ上司にも、なぜ平気でごますりできるんですか?

【羽生】男性の習慣で気になるのはごますり。あれはムダだから、なくならないかなといつも思いますね。

【長山】あるある。うちの業界はオーナー企業が多いから、「建前やごますりで会社はできている」と感じるくらい。逆に本音しか言えない人は、すぐにいなくなります。

【磯野】ああ、わかる。

【長山】だから経営陣に本当の情報が伝わってない。ごますりで会社が傾いたら、こっちは死活問題ですよ。

【磯野】僕の会社は服装が自由なので、取締役のファッションを褒めたたえることから一日が始まります。

【岡田】そんなにおしゃれなんだ。

【磯野】男性なのにヴィヴィアン・ウエストウッドとか着て、“褒めろオーラ”全開だから、「そんな素晴らしい服、どこで買われたんですか?」と。そうしないと企画が通らなかったり、急ぎの決済がもらえなかったりだから、みんな必死です。

【岡田】うちの男性社員も「よっ、○○専務!」って、たいこもちみたいだけど、あれは仕事をスムーズに進めるためなんだ。

【磯野】仕事の流れをつくるために必要な戦術で、地道な努力ですよ。上司が巨人ファンだったら、前日の試合結果がモロ影響するし。

【川中】僕の会社でも、ごますりしないゴルフなんて、もうゴルフじゃない。カラオケで絶妙なタイミングで合いの手を入れるのも出世のコツです。ただ一方では、ごますりが通用しない相手もいるから難しい。

【若杉】うちの職場も、前の上司はごますりが効いたから男性社員はやたら持ち上げてたけど、いまの上司は効かなくて、ごますりが得意な人はむしろ排除されそうになってます。

【川中】これは偏見かもしれないけど、“褒めろオーラ”を出すのはだいたい1960年より前に生まれた人たちなんです。自分が上司や先輩の団塊世代にごますりしてきたから、「おまえらもやれ」という感覚。だから、あの人たちが定年退職すれば、その習慣はなくなるんじゃないかな。僕は70年代生まれだけど、ヨイショされると気色わるいですよ。何か下心があるんだろうと疑いますね。

【若杉】それ、当たってるかも。さっきのごますりが効かない上司は、その世代より若いですよ。ごますりする部下はむしろ評価が低いぐらい。

■Q:なぜ、男同士の嫉妬や足の引っ張り合いがすごいんですか?

【羽生】私が嫌だなと思うのは、足の引っ張り合い。外資系の会社は本当にひどかったですよ。よく「アップ・オア・アウト」って言いますけど、競争が激しいから能力の低い人がいると徹底的に邪魔する。その人が席を外している間に外部から電話があると、電話を取った男性が「もう帰りました」って平気で言ってた。

【山岡】う〜、怖っ(笑)。

【若杉】うちも離職率は高いんですけど、いまの話と逆で、有能な人ほど辞めていく“負け残り”なんです。だから転職に成功した人の足を引っ張ろうとします。「2ちゃんねる」の業界板に悪口を書き込むとか。

【長山】子どもみたい……。

【岡田】さっきの年齢でいうと、男同士の嫉妬や足の引っ張り合いがすごいのは、バブル世代から上ですね。例えば他部署にいる50代の管理職ですけど、気に入らない部下がいて、わざわざ私たちの職場に来て、女子社員たちにその部下の悪口を言ってまわるんです。信じちゃう女子もいる。部下の評判を下げて何の得があるのか不思議。「おまえは女子高生か!」って(笑)。若い女性社員のほうがサバサバして男前ですよ。

【磯野】やたらマウンティングするのもその世代ですよね。「睡眠時間を削って仕事してんだ!」が口癖で。

【山岡】いるいる、徹夜自慢とか寝不足自慢とかする人。

【磯野】自分は重要な仕事を担当しているんだ、寝ないで会社に貢献しているんだ、というアピールですね。それに部下も同調して深夜3時に業務のメールを発信したり。もう意地の張り合いですよ。

【若杉】夜中の3時に!? 「睡眠負債」が話題になって「しっかり寝て効率よく働きましょう」の時代なのに。

【山岡】出世競争に負けたおじさんたちも足を引っ張る。わざとウソの情報を持ってくるんです。いい加減なこと言って、周囲を混乱させる。危険だから「それ事実ですか?」としつこく確認したり、あとで裏をとったり。ものすごいロスですよ。

【川中】そんなことまで? 経験ないなぁ。これまで「うちはあまりいい会社じゃない」と思ってたけど、意外といい会社でした(笑)。

■Q:好き嫌い人事や派閥は、なぜなくならないのですか?

【岡田】うちの会社は派閥が強くて、各役員の下にいる本部長や部長たちはみんなお気に入り。「あの人はほら、常務のオキニだから」って普通に話してる。そういう人事情報が漏れてるのもどうかと思うけど。

【山岡】外資系は日本企業より露骨らしいですね。

【羽生】ボスが更迭されたら、その下にいたチームはみんな入れ替えだから、すごいダイナミック。

【岡田】派閥に入れないと昇進の道はないから、年功序列のほうが公平というか、まだマシですよ。

【磯野】成果主義、能力主義といっても結局は好き嫌い人事なんだ。

【岡田】人事制度でいうと、360度評価も意味ないですよね。うちの職場は人数が少ないから、上司のマネジメントに低い点数をつけたら、誰が評価したかはすぐバレちゃう。だから、たいてい「すごくやりやすいです」ってお茶を濁してます。部下が上司を評価するって日本の文化には適してないですね。

【川中】本音と建前を使い分けて、結局は人脈や派閥がものをいう世界だから。銀行からの天下りもそう。うちの会社にもお客さんのところにもいるけど、能力を買ってるんじゃなくて、銀行とのコネが目当て。

【羽生】初めから能力主義とか関係ないんだ。

【川中】そのくせ「俺たちが日本経済を動かしてきたんだ」ってすぐマウンティングする。どう見ても、そんなわけない。ただの両替商だから(笑)。天下りをなくすためにも、銀行は真っ先に65歳定年を導入してほしいですね。

■Q:上司と飲みに行って何かメリットあるんですか?

【羽生】うちの会社は飲み会がやたら多い。私はお酒を飲めないからあまり参加しませんけど、社内情報に疎くなったり、人間関係で格差がついたりするのは困るなぁと思います。

【若杉】私も忘年会とか部の飲み会にたまに顔を出す程度。でもお酒に強い人が多くて、明け方4時頃まで飲むから翌日は遅刻するのが当たり前みたいな職場なんです。私が出社したら電話で「いま起きた。これとこれをやっといて」と指示される。

【羽生】いま起きたって(笑)。

【若杉】最近も、先輩の男性と女性社員が飲み会の流れで不倫に発展しちゃって、2人ともすぐそばの席だからやりづらい。そんな飲みニケーションは、ホントやめてほしいです。

【川中】それ聞くと、やっぱり、うちはいい会社だわ(笑)。

【長山】私はたまに飲み会に参加します。ただ、酔ったらすぐ「最近、彼氏とどう?」みたいな、どうでもいい話になるのは困る。もっと仕事に役立つような、実のある話が聞きたくて参加してるんだから。

【羽生】仕事の話題で盛り上がって「よし、あいつが言うんだからやってやるか」みたいに昼の業務に直結するようなこともありますよね。そういう飲みニケーションはうらやましいというか、参加してそこまでいけたらいいなと思います。

【岡田】私は飲めないんですけど、飲み会の雰囲気は好きだから、独身の頃は上司から急に「飲みに行くぞ!」と言われたら、よくついていきました。飲みニケーションは、明らかに上司との信頼関係を築くうえで有効だし、社内の人脈も広がります。だから夫にも、「男社会は人脈だ、誘われたら断るな」と言ってます。

【川中】奥さんの命令(笑)。

【岡田】いまの職場でも、同じ成果を出す男性が2人いたら、上司の誘いについていくほうが、評価のときにプラスアルファがあると感じます。

【川中】本当に重要な情報は会議室やオフィスじゃ聞けませんからね。組織や人事にかかわる話だとか、他人の評判だとか。僕は管理職に昇進するのが早かったんですけど、毎日のように上司や役員たちと飲みに行ってたからだと思います。有益な情報は自分から取りにいかないと、誰も与えてくれませんから。

【羽生】外資系にいた頃、上司が男性だと、部下の女性と2人で飲みに行くのは避けるんですね。でも、いま言われたように、オフィスでは聞けない情報ってたくさんあるじゃないですか。男性の部下とは2人で飲みに行くのに、不公平だなって。

【磯野】僕は週3ぐらいで上司と飲みますよ。僕の仕事が終わるのを上司が待ってる。毎回2時3時まで。

【若杉】翌朝は遅刻ですか?

【磯野】いえいえ、必死に出勤してます。ただ、深夜になるほど上司は説教モードになるし、肝臓の数値は上がるし、つらいですよ。

【山岡】僕はマイルールを決めています。5人以上の飲み会には参加しないとか。人数が多いと話が散漫になるから、飲みニケーションの目的を見失ってますよ。仕事に役立つ情報を得るためなら、じっくり話せる状況じゃないと。もし上司との信頼関係を深めるのが目的なら、会社帰りに一緒にランニングしたり、スポーツジムで筋トレしたり、別の方法はいくらでもあります。目的をはっきりさせることが大切じゃないですかね。

(Top Communication 撮影=遠藤素子 写真=iStock.com イラスト=松島由林)