昏睡状態に陥った18歳女子学生、後に死亡(画像は『Metro 2018年3月15日付「Egyptian student, 18, beaten to death by gang of 10 women in Nottingham」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット)

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英ノッティンガムで、少女らによる集団暴行を受けたエジプト人女子学生が命を落とした。一家は「人種差別による攻撃」と主張し、通報した警察の対応や重篤な症状を見逃した病院側を非難している。英メディア『Metro』『Mirror』などが伝えた。

ノッティンガム市内にあるショッピングセンター「Intu Victoria Centre(イントゥー・ビクトリアセンター)」付近で、エジプト人女子学生マリアム・ムースタファさん(18歳)は10代少女ら10人から殴る蹴るといった激しい暴行を受けた。

マリアムさんと10代少女らに繋がりは全くなかった。しかしマリアムさんの妹マレクさん(16歳)によると、この少女たちは昨年8月にもマリアムさんとマレクさんに「ジロジロ見ている」と難癖をつけており、エジプトのカイロに住むおじのアマー・エルハリリーさん(46歳)によると今から4か月前、この集団のうちの2名がマリアムさん姉妹に暴行を加え、マレクさんの脚を骨折させていたという。

この時点で、マリアムさん姉妹の母ニスリーン・シーハタさん(41歳)と父モハメド・ムースタファさん(49歳)は警察に通報した。ところが警察は何の対応もしなかった。そして今回の悲劇が起こってしまったのである。

2月20日の午後8時頃、少女らから罵声を浴びせられたマリアムさんは、過去に絡んできた集団であることに気付いた。無視して立ち去ろうとしたが、少女らは執拗に追いかけ、バスに乗ったマリアムさんは運転手に「私は彼女たちから暴行を受けている。だから乗せないでほしい」と頼むも、運転手は「それはできない」と拒否した。マリアムさんがバスの2階に行くと少女らも追いかけ、マリアムさんの体に殴る蹴るの暴行を加えた。偶然にもマリアムさんのカレッジの友人である男性が乗っておりそれを止めようとしたが、少女らは暴行を止めず、マリアムさんは意識不明の状態になった。

ここでようやく事態の深刻さに気付いたバスの運転手が救急車を呼び、マリアムさんは午後9時頃に市内のクイーンズ・メディカルセンターへ搬送された。この日、マリアムさんは母と妹に会う予定をしていたが、緊急事態を聞きつけた家族はすぐに病院へ駆けつけた。検査を受けたマリアムさんは午前2時頃に帰宅を許されたが、痛みと具合の悪さを訴えていたという。

翌朝7時頃、マリアムさんの体が青紫色になっていることに気付いたマレクさんはすぐに救急車を呼んだ。マリアムさんは脳内出血を起こしており、ノッティンガムシティ病院にて12日間の昏睡状態の末に容体が回復することなく3月14日に死亡した。

おじのアマーさんは、「最初の段階で両親の通報に警察がきちんと対応してくれていれば、姪は死なずに済んだ」と警察側の対応の杜撰さを非難した。

「バスの運転手にしてもそうです。なぜ、マリアムを助けようとしてくれなかったのか。なぜ、1人以外の他の乗客らは見て見ぬふりをして助けてくれなかったのか。きちんと検査をしなかった病院側にも怒りを感じています。マリアムの両親は、警察で通りに設置された防犯カメラを確認してほしいと願い出ました。ところが警察は、カメラは作動していなかったと答えたのです。警察の対応は遅いし、病院側からも何の連絡もありません。少女らはマリアムを暴行した映像を動画に収めているんです。まるで鬼畜の行為ですよ。その映像をマレクの友人が見せてきたので、家族は警察に映像を見せています。ですが、未だ何の対応もないなんて許されるべきことではありません。マリアムは病院に搬送されてから9つもの手術を受けました。しかしマリアムをこんな目に遭わせた少女らは、インスタに自撮りを投稿したりと人生を楽しんでいるわけです。この事件は、事前に防ぐことができたと思っています。私たち家族は大きな悲しみを感じています。」