中国の親にとって子どもに「学習専用の部屋」を用意することは「絶対不変の真理」だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 人口が多い中国は日本以上の学歴社会であり、学齢期の子どもを持つ親であれば、教育に対して非常に大きな関心を抱いているのが一般的だ。そして、子どもが少しでも集中して勉強することができるようにと、自宅の学習環境を整える親が多い。中国メディアの捜狐は12日、中国の親にとって子どもに「学習専用の部屋」を用意することは「絶対不変の真理」だと認識されていると紹介する一方、日本では子どもたちに専用の勉強部屋を与えないケースも多いと紹介する記事を掲載し、驚きとともにその理由を紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、「子ども専用の勉強部屋がないと子どもは不便ではないか」と疑問提起する一方、日本では子どもが自分の部屋ではなく、居間やキッチンなどで宿題をしたり、勉強したりするケースが多いと伝え、「日本の子どもは必ずしも子ども専用の勉強部屋で勉強するわけではない」のだと論じた。

 その理由について、日本の家庭にも書斎はあるが、子どもの勉強部屋として使用したら、父親が帰宅後に過ごす場所がなくなってしまうケースがあることや、子どもが勉強部屋にこもってしまうと、部屋のなかで「ゲーム」や「携帯電話で友達と交流」していても分からず、親が子どもを監督することができなくなるためであると主張した。

 続けて、子ども専用の勉強部屋を与えることによって、自己中心的な子どもを育てる結果になりかねないことも指摘。なぜならご飯を作ったり、洗濯をしたりなど、家庭内で親が家族のためにどのような労働をしているのか、その苦労が見えなくなるためだと主張したほか、子どもの成長に必要な親子の意思の疎通の機会も減ってしまうことにもなると指摘している。

 中国では長く続いた一人っ子政策の影響もあり、多くの家庭で子が1人しかいない。その1人に親や祖父母の期待や愛情が過度に注がれ、非常にわがままな大人へと成長してしまい、社会問題ともなっている。子どもの学習環境を整えることも非常に大切だが、理性ある大人へと成長することができる環境づくりはそれ以上に大切なことである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)