65歳以上の高齢者の人口が増加を続ける中、在宅高齢者向け配食サービス市場はニーズの高まりから拡大傾向が続いている。

 総務省が昨年公表した日本人の総人口は、平成29年9月15日時点の推計で1億2,671万人となり、前年比で21万人減少した。10月1日時点の総人口の推移をみると、戦後に前年を下回ったのは平成17年が最初で、その後の平成20年にピークをつけた。平成23年以降は減少傾向が続いており、今後も総人口の減少が予想されている。

 その一方で、65歳以上の「高齢者」は昭和25年から一貫して増加を続けており、平成24年に初めて3,000万人を超え、平成29年9月15日時点では前年比57万人増の3,514万人と推計されている。男女別では男性が1,525万人、女性が1,988万人で、女性が男性より463万人多い。

 年齢階級別にみると、70歳以上の人口は前年比91万人増の2,519万人、総人口に占める割合は同0.8ポイント増の19.9%で、5人に1人が70歳以上となっている。また、75歳以上の人口は同59万人増の1,747万人で総人口に占める割合は同0.5ポイント増の13.8%、80歳以上の人口は同37万人増の1,074万人で総人口に占める割合は同0.3ポイント増の8.5%、90歳以上の人口は同14万人増の206万人で総人口に占める割合は同0.1ポイント増の1.6%。90歳以上の人口については初めて200万人を超えた。

 総人口に占める高齢者(65歳以上)人口の割合は前年比0.5ポイント増の27.7%で、過去最高を記録した。また、高齢者が占める割合は世界(World Population Prospects The 2017 Revisionに掲載されている201の国および地域)で最も高く、以降のイタリア(23.0%)、ポルトガル(21.5%)、ドイツ(21.5%)、フィンランド(21.2%)を大きく上回っている。また、90歳以上の人口が占める割合はアメリカ(0.8%)の約2倍となった。

 そんな中、TPCマーケティングリサーチ株式会社は、在宅高齢者向け配食サービス市場について調査を実施し、その結果を3月5日に発表した。

 2017年度の食品宅配市場をみると、カタログ注文からネット注文への移行に伴う客単価の減少や世帯の少人数化、異業種からの新規参入による競争激化などにより、市場規模は前年比0.4%減の1兆4,462億円と伸び悩んだ。

 その一方で在宅高齢者向け配食サービス市場は拡大しており、2017年度は同3.4%増の1,412億円と予想。また、食品宅配市場に占める在宅高齢者向け配食サービスの割合も9.8%となり、年々増加傾向にある。同市場が拡大する要因には、栄養バランスに配慮した弁当やたんぱく調整食など機能性メニューのニーズの高まり、FC店舗数の増加による販売エリアの拡大、冷凍タイプの弁当・惣菜セットの投入などが挙げられている。同市場は引き続き市場の拡大が見込まれており、2018年度は同5.1%増の1,484億円に達する見通しだ。

 高齢者の増加が続く日本では高齢化が大きな課題になっているが、高齢者向けサービスを提供する事業者には、大きなビジネスチャンスといえそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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