「Thinkstock」より

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●2018年 投資を始める最大のチャンスが来た!

「投資したいけど、まだ始めてない」「ちょっと投資してみたけど、やめちゃった」という人が、FP相談にこられるお客さんにも友人にもたくさんいる。もしかしたら、あなたもそのひとり?

 投資の儲けに税金がかからない、というNISA 口座。4年前の2014年1月にスタートしたが、「口座はつくったけど何も買っていない」という人がたくさんいる。そんな人に朗報。まったくの投資初心者のあなたも、安心して始められる制度が始まった。それが、つみたてNISAだ。

●つみたてNISAの魅力

 つみたてNISAの魅力はたくさんある。一番強調されるのは「20年間利益に非課税」という点だけど、それだけじゃない。

(1)積み立てで投資信託を買っていくという、理想の投資法ができる。
(2)選べる投資信託は、長期の投資でパフォーマンスが高くなりやすいインデックスファンドが主流。
(3)インデックスファンドだから手数料が安い。
(4)買える投資信託の種類が多くないから、初心者でも選びやすい。
(5)投資先の違う投資信託をいくつか組み合わせて、リスクに強いポートフォリオをつくれる。
(6)最長20年という長期の運用期間が設定されているから、気長に資産づくりとして取り組める。
(7)iDeCo(個人型確定拠出年金)などと違い、途中でのプラン変更や引き出しが自由なので、気軽に始められる。

 以下、順に説明していこう。

 私は以前から、「投資は、インデックス型の投資信託を積み立てで買っていこう」と勧めてきた。2004年出版の拙著『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(ダイヤモンド社)でも、「投資は、日本株のインデックスファンドを毎月1万円ずつ買うことから始めよう。慣れたら、ファンドの種類を増やしていこう」と提案している。14年に同書の新版が出版されたが、同じことを書いた。投資の基本は変わらないのです。

 この利点は「ドルコスト平均法」というシンプルで効果的な投資手法が自動的に働くということ。値動きのある投資商品を、毎月同じ金額、1万円とか3万円ずつ買っていくと、値段が高い時には少なく、値段が安い時には多く買うことになるので、平均購入単価を安く抑えることになる。その結果、損をするリスクが小さくなり、安定した利益を期待しやすくなるのです。

 前々回のコラムで紹介した通り、過去10年間(07〜17年)、インデックスファンドの投資信託で積み立てていたら、インデックスの種類によって5%から12%で運用できた計算になる。月3万円をインデックスファンドで積み立てていたら、元本360万円が464万円〜699万円になっていたことになる。

●もし10年前につみたてNISAがスタートしていたら

 もし、10年前につみたてNISAがスタートしていて、すぐに積立をスタートしていたら、こんな結果が出ているはず。

※前々回の記事より抜粋
07年9月から17年8月まで10年(120カ月)、インデックスファンドで毎月1万円を積み立てていた場合

・日本株のインデックスファンド(日経225)
120万円 → 192万円(利回り 8.7%)

・外国株のインデックスファンド(MSCI-KOKUSAI指数)
120万円 → 233万円(利回り 12%)

・新興国株式
120万円 → 184.4万円(利回り 8%)

・外国債券
120万円 → 154.8万円(利回り 4.9%)

●手数料が安い、購入手数料はゼロ

 手数料が安いというのは、いいことだ。もし、5%値上がりしても、手数料が3%だったら手元に残るのは2%分だけ。世の中で買える投資信託には購入手数料が3%以上のものもあるけど、つみたてNISAインデックスファンドは買う時の手数料ゼロが基本。投資信託は保有中にも手数料(信託報酬手数料)がかかるけど、これも0.2〜0.6%が主流とかなり安くてうれしい。

●買える投資信託の種類が少ないから、選びやすい

 買える種類が多い、というのは一見よさそうだけど、素人にはそうとも言えない。たいていの証券会社は、個人が買える投資信託が1000種類以上ある。投資のセミプロならここから自分の好みのものを選べるだろうが、初心者がここから選ぶのは、ほとんど不可能だ。金融機関によって、つみたてNISAで買える投信がいくつあるかは、ネットで調べると一目瞭然。個人的にはモーニングスター社の以下サイトがわかりやすくて、気に入っている。

 ネット証券は、種類が多くSBI証券、楽天証券、マネックス証券など軒並み100種類以上。これが銀行になるとぐんと減って10本前後が多い。でも初心者がスタートするには3種類もあれば十分だ。

●口座を持っている銀行で始められる

 先日も「投資を始めたい」という投資未経験の30代の女性が相談にこられたので、つみたてNISAをお勧めした。投資信託が何かもわからない、という状態からスタートなので、証券会社に口座を開くのもハードルが高い。ところがつみたてNISAなら、ほとんどの都市銀行、地方銀行が取り扱っているから、わざわざ新しく証券会社に口座をつくる必要がない。

 その女性が口座を持っている銀行では、つみたてNISAの対象になる投資信託は、わずか3本だった。「日本株」「外国株」「グローバルバランス(日本と海外の株式と債券の組み合わせ)」と、わかりやすい。

 月3万円ずつ積み立てたいという希望だったので、それぞれで1万円ずつ積み立てることをお勧めした。つみたてNISAの限度額は年40万円までなので、月3万3333円が限度というのも初心者には始めやすい。月3万円+ボーナス月5万円で、40万円を無駄なく使うプランもできる。

●月3万円の積み立てが、20年後には1000万円を超える可能性も

 もちろん投資信託の積立は、いつもうまくいくとは限らない。株式市場全体が落ち込んでいるとき、円高になって海外の株式も債券も(円に対して)値下がりしてしまったときは、利回りがマイナスになってしまうリスクもある。

 でも、一度にまとめて買わず、毎月積み立てることでマイナスになるリスクは小さくなる。値段が下がったときも積立をやめないで続けることで、値段が戻ったときには、さらに利回りがよくなる。

 仮に月3万円を20年間積み立てたとき、利回りが「0%」「3%」「5%」の場合の20年後の金額は、それぞれ以下のようになる。

0%:720万円
3%:981万円
5%:1217万円

 過去10年の数字を見ると、20年間の利回りの平均が5%以上になる可能性は十分にあるといえる。「月3万円が20年後の1200万円」と思えば、投資が苦手、投資音痴を自称するあなたも、始めようと思いませんか?

●つみたてNISA の始め方

 具体的な始め方については次回詳しく書きたいので、今回は簡単なステップだけ紹介する。

(1)金融機関を選ぶ。

 商品性に大きな差はないので、自分が口座を持っている銀行、証券会社で始めると簡単。

(2)専用口座を開く。

 店頭、またはネットで申し込む。手続きにはマイナンバーと本人確認書類が必要。

(3)口座開設が完了するまで待つ。
 
 申し込んでから、手続き完了まで1〜3週間かかるとされている(税務上の確認のため)。 

(4)投資信託を選ぶ。

(5)金額を決める。
 
 積立最低金額は、金融機関によって違う。銀行は1万円以上のところが多いが1000円以上のところもある。ネット証券では100円からでできるところも。

(6)あとは、おまかせ。
 
 銀行なら普通預金口座から、証券会社なら証券総合口座から、決めた額が、決めた投信に毎月自動的に振り替えられる。あとは、お金が増えて花が咲き、実が実るのを待つばかり。

 というわけで、制度の細かいことは省いて「初心者が投資を始める」という目的から、つみたてNISAを、できるだけシンプルに具体的に説明してみました。詳しい制度や決まりなどは、金融庁のこちらのページで確認してください。

 あとは行動あるのみ。種を蒔かない人は20年後も何も収穫できないよ。GOOD LUCK!
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)