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■世界最高齢は男女ともに日本人

2017年9月15日に厚生労働省は、100歳以上の高齢者が全国に6万7824人いると発表した。100歳以上の人数の調査が始まったのは1963年で、その時点ではわずか153人だったという。

それから98年に1万人の大台を、そして12年に5万人を突破するなどして、加速度的に増えてきたわけだ。ちなみに17年は前年比で2132人の増加で、もちろん6万7824人は過去最高の数字である。

そんな長寿社会を象徴するかのように、世界最高齢は男女ともに日本人がなっている。男性は1905(明治38)年7月25日生まれで、北海道名寄町在住の野中正造さん(112歳)。そして、女性は1900(明治33)年8月4日生まれで、鹿児島県喜界町在住の田島ナビさん(117歳)だ。きっとこれからも、100歳を超えた人の数は増えていくのだろう。

兄弟や親戚が集まる数少ない機会に、せっかくだから老親の「長寿のお祝い」をしようということもあるだろう。その長寿のお祝いですぐに頭のなかに思い浮かんでくるのが、77歳の「喜寿」、88歳の「米寿」、そして99歳の「白寿」といったところではないだろうか。

実はこれらの呼び名の漢字を分解すると、おのおのの年齢に関係する数字が出てくるといったら、「えっ、本当に?」と驚く人が少なくないはずだ。

■世界で群を抜く「数学先進国」だった日本

そこでまず、「喜寿」から検証してみることにしよう。「喜」は楷書体だが、これを草書体にすると「七」が2つと「十」の字で構成されているわけで、「七十七」と読むことができる。

一方、「米寿」については「米」に注目してほしい。この漢字を分解すると、引っくり返った「八」と「十」、そして「八」になる。その3文字を組み合わせると「八十八」になるわけだ。

次に「白寿」であるが、「白」に「一」の文字を足すとどうなるだろう。「百」にならないか。つまり「百引く一は九十九」で、99歳のお祝いを「白寿」と呼ぶようになったのである。

先ほどの「米寿」と似ているものに、「半寿」がある。「半」の漢字を分解していくと、引っくり返った「八」と「十」、そして「一」になる。つまり「八十足す一は八十一」ということで、81歳の長寿のお祝いのことを「半寿」と呼ぶようになったのだ。

では「茶寿」は何歳の長寿のお祝いか?

くさかんむりを分解すると「十」が2つになり、残りは引っくり返った「八」に「十」、そして「八」。つまり「十足す十足す八十足す八は百八」で、答えは108歳のお祝いということになる。

以前、私はこの連載企画で江戸時代に発展した和算について紹介し、日本が世界で群を抜く「数学先進国」であったことに触れた。その日本には、昔からご祝儀のお金を紙に包んで渡す文化がある。きっと同じような感覚で、長寿の数も「漢数字」で包み込んだのかもしれない。

そう考えると、日本人の数字に対するセンスの高さを、長寿の祝いの文字から、改めて感じ取ることができないだろうか。

(サイエンスナビゲーター 桜井 進 構成=伊藤博之 写真=iStock.com)