20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、埼玉県のクリーニング屋で受付スタッフとして働く高木さやかさん(仮名・33歳)。鎖骨まである金髪と茶髪の間のような色味の髪を後ろで1つに束ね、クリッとした大きな黒目がちな瞳が印象的な女性です。服装はゆったりとした黒のフリンジがついたセーターに、ブーツカットのジーンズを履いています。バックはノーブランドの茶色のエナメルバックに靴はスニーカーです。全体的に若いというより、幼い恰好といった印象を受けました。そんな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は埼玉県で、両親と4歳上の姉、2歳上の兄、13歳下の弟との6人家族です。家は物心がついた時から貧しくて、両親は私が赤ちゃんの時に離婚しています。でも、父はよく私たちに会いに来てくれていたので、離婚しているなんて知らなかったんです。その事実は小学校の時に知りました。両親は仲良しだったので気がつかなくて……。そして、弟はお姉ちゃんの子供です。姉は今でこそ落ち着きましたが、昔ちょっと悪かった時があって、未成年で産みました。弟はその事実を今も知らないはずです。もしかしたら気がついているかもしれませんが、弟はすでに家を出て、彼女と同棲中なのでもうあまり会う機会がなくて、よくわからないんです」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「中学2年生の時です。当時はバレー部に所属して、毎日部活ばかりしていました。私の姉と兄は中学くらいからちょっと悪くなり出したこともあって、私は絶対そうなるもんかと必死だった記憶があります。真面目に生きていこうと思っていました。初彼はクラスメイトの同じ男子バレー部の子でした。中学の時の付き合いなので、部活帰りに一緒に寄り道したり、一緒にテスト勉強を放課後したりするくらいで本当に健全な付き合いでしたね。まったく男性に免疫がなかったので、わがままなんかも全く言えないまま、付き合っている意味がないとか、自分のことが好きかわからないと言われて振られました」

ヤンチャな男性と付き合うも、高校は無事卒業

その後、高校に進学するも、勉強に徐々についていけなくなったそうで、恋愛にのめり込んでいきます。

「元々頭が良くなかったので、高校は公立の下位校に行ったんですが、そこでも少しずつ成績が落ちてきたんです。1度わからないところでつまずいてしまうと、もう負の連鎖で……。高1ではまだもがいていたんですが、高2からは完璧に諦めてしまいましたね。目標は卒業に設定していましたから。そして、高校デビューじゃないですけど、友人も派手な感じで、モテ始めたんです。絶対にグレないと心に誓っていたものの、あの年頃ってそういう人たちがカッコよく見えるじゃないですか。学校は休まず通っていたんですが、放課後は近所のスーパーの駐車場でたまっている人たちの中に入っていましたね。その中で彼氏もできました。彼氏は1歳上の土木関係で働いている人で、クラスメイトの学生と違って大人っぽかったところに惹かれました。でも彼もすぐ好きな人ができたと、3か月ほどで振られてしまうんですけどね……」

高校を卒業後は、レジ打ちのアルバイトを経て、スーパーなどが入った複合施設内のアパレルで販売員の仕事に就きます。

「高校卒業後はすぐに正社員として働きたかったんですが、全然見つからなくて……。実家の近所のスーパーでレジ打ちをしながら仕事を探し続け、アパレルのお店の前に貼っていた求人を見て応募しました。最初はアルバイトでしたが、1年後には契約社員として採用してもらえました。そして、そのお店の近くにある居酒屋の社員さんと恋愛関係になりました。彼は5歳上の男性で、今で言うと高橋一生さんのような笑顔がクシャっとなるイケメンです。彼とはお店終わりに店長とご飯を食べに行っていて、そこの店長さんとうちの店長が知り合いで仲良くなった感じです。1度帰りに送ってくれた時に、連絡先を交換して、そこから何度かデートに誘われて付き合うことになりました。彼とはすぐに同棲が始まり、3年ほど経った時にお互いに結婚を意識し始めました。でも、そんな時に私の兄が捕まったんです……。そこで人生が狂ってしまいましたね……」

兄の逮捕で狂っていく人生設計……。一人っ子がよかったと思っていた時期もあったそうです。

結婚を意識した相手が離れていく恐怖を味わい、仕事も退職……。そんな時に手を差し伸べてくれた男性は既婚者だったものの……。〜その2〜に続きます。