統計から読み解く、小売り店舗数を増やすべきか減らすべきか

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 皆さんは毎日何かしらのお店で買い物はされていると思う。最近店舗が増えたなとか減ったな、あるいは、このお店は賑わってるけど、あっちのお店は寂れてるな等々、色々なことを感じられることがあるのではないだろうか。

 そこで、小売売上が、事業所数(店舗の増減)と賑わいや販売効率(1事業所当たりの販売額の増減)のどちらによって変化しているのかを、業態ごとに比較してみたい。

集約化進めるデパート、拡大続く総合スーパー
 デパート(百貨店)の販売額は、長らく低迷していたが、平成25年、26年と2年連続で増加した。この動きを事業所数と事業所当たり販売額で要因分解すると、事業所数要因が一貫して低下していることが分かる。

 足下の平成29年4-6月期、7-9月期も、事業所の集約化が続いているとみられ、事業所数のマイナス寄与は変わらないものの、事業所当たりの販売額が比較的大きなプラス寄与となっていることで、全体のマイナス幅が抑えられている。

 いわば「賑わい」を重視して、売上を確保していると言えるだろうか。

 他方、総合スーパーの販売額は、平成24年以降、主に事業所数の増加を要因として平成28年まで5年連続の増加となっている。平成25年〜27年にかけては、事業所当たり販売額もプラス寄与となっていたが、平成28年には再び減少した。

 平成29年1-3月期、4-6月期と減少し、同年7-9月期には、事業所当たり販売額が再び増加に転じているが、上昇方向への寄与は限定的だ。こちらは、「お店」の数を増やす戦略ということになる。

 事業所数を削減し、事業所当たり販売額の改善を図るデパートに対して、総合スーパーは事業所数の増加が全体の販売額増加につながっている。足下では、総合スーパーも事業所当たり販売額が増加となっているが、日本の小売業をけん引してきた両業態間で異なる動きが見られる。

コンビニは成長続くも伸びは縮小傾向
 コンビニエンスストアの販売額は、一貫して事業所数が増加しており、事業所当たり販売額もプラス寄与となることが多く、コンビニエンスストアは数ある国内の小売店業態の中でも堅調な推移が続いている業態と評価できる。

 他方、平成29年7-9月期は、いずれの要因も増加となっているが、これまでの上昇幅からは縮小している。

直近は家電大型専門店が大幅プラス
 経済産業省の商動動態統計では専門量販店として、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンターの販売額も調査している。

 まず、家電大型専門店の販売額をみると、平成28年は事業所当たり販売額が足を引っ張り、前年同期比でマイナスが続いた。しかし、平成29年は事業所数の拡大のペースはそのままで、事業所当たりの販売額の低下度合いが鈍ったことにより、販売額の前年同期比がプラスとなっている。

 中でも、平成29年7-9月期は、事業所当たり販売額の増加寄与が大きく、この増加寄与の大きさは平成27年7-9月期以来、2年ぶりだ。一気に家電量販店に「賑わい」が戻ってきたようだ。

 次に、ドラッグストアの販売額をみると、平成29年1-3月期に事業所当たり販売額が減少したことを除けば、ここ2年間は両要因ともに増加している。ただし、平成28年前半までは増加寄与が大きかった事業所当たり販売額の寄与幅が縮小している印象がある。平成29年7-9月期は、やや増加寄与が回復したが、現状は事業所数の拡大による増加寄与だけで販売額全体の動きをほぼ全て説明できてしまう。

 こう見ると、ドラッグストアは、急激にチェーン店舗を増加させる拡大路線をとっているようだ。ちなみに、最新の12月では、全国にドラッグストアは1万4902店もあるそうだ。