電池を挟み圧力値から電池内部の状態を把握する(JAXA提供)

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の内藤均主幹研究開発員らは、作動させたまま充電式電池の劣化状態を把握できる手法を開発した。充電時に膨らみ、放電すると元に戻るリチウムイオン二次電池の性質に着目。電池をセンサーで挟み、その圧力値から電池内部の状態を調べる。稼働中の電池の劣化状態などをリアルタイムで測定する手法は珍しい。宇宙衛星や電気自動車(EV)などの電池の管理に活用できる。

 研究グループは、充放電時に変わる電池の厚さをシート型の圧力センサーで測定し圧力値の変化を測定。同時に測定した電圧値の変化と比較した。

 この結果、充放電の際に圧力値がピークとなる現象を発見。電池の劣化が進むにつれ、このピークの値が小さくなることが分かった。今後、圧力値のピークから電池の劣化状態を定量的に決める手法を検証する。

 電池の内部状態と電池寿命の実験データなどを組み合わせ、残りの電池容量を推定できる手法の開発につなげる。2―3年後にも「衛星用電池にセンサーを取り付け、電池の容量や劣化具合を監視するシステムを試作する」(内藤主幹研究開発員)考えだ。

 高度数百キロメートルで利用される低軌道衛星では、電池は1万サイクル程度の充放電で初期状態の約10%の電気容量が減ると考えられている。

 宇宙軌道上にある衛星の電池の状態を調べるには、電流や電圧、温度などの物理データを地上に送り、その物理データを地上にある電池のデータと比べて電池容量や劣化状態を推定している。ただ、精度が高くない課題があった。