ガッチリ貯金するのとダイエットするのは、まったく正反対のようで、実は似ている。どういうことなのか(写真:Ushico/PIXTA)

貯金は、ダイエット(=減量の意味で使われることが多い)に似ているとよく言われます。「頑張りすぎると、反動がきてしまう」「人に話すと、続けやすくなる」などの共通点が多いからでしょう。一方で、おカネと体重の話は真逆だとも言えるかもしれません。おカネは、油断するとどんどん減っていくのに対して、体重はどんどん増えていくからです。

私事で恐縮ですが、今回、6キログラムのダイエットに成功しました。「6キロくらい簡単じゃないか」と言われそうですが、私の身長は144センチメートルなので、結構頑張ったと胸を張れるかもしれません。そこで、改めて「貯金とダイエットはそっくりだ」と感じたポイントを、太ってしまっていた自省を込めてお伝えしてみようと思います。ダイエットに成功する力があれば、貯金もできるし、貯金ができればダイエットもできると思うのです。

ダイエットも貯金も「まず始めなさい。話はそれからだ」

ダイエットを始める前の私は、「ふくよか」になっていたにもかかわらず「洋服が似合わない」などの見た目の不満を、加齢のせいにしている節がありました。「やせたからといって、解決する問題ではないよね」などと、心のどこかで考えていたのです。

ところが、実際に6キロ減量できてみると、「すっきりしましたね!」とのお褒めの言葉が、かなりの数に! なぜ言い訳をせずにもっと早く「まずやせてみること」をしなかったのかと、猛省しました。

実は、貯金についても似た感情によく遭遇します。「100万円くらい貯めても、なんの足しにもならない」「不安を感じているのは、貯金がないことだけが原因ではない」、といった気持ちです。

しかし、このように感じている人でも、実際にまず100万円貯めてみると、大きな安心感を得られることは多いです。私もそうでした。100万円を貯めたことがきっかけになって、ゆとりが芽生え、健康や働き方など、より良い暮らし方への知見が広がっていく人もいます。金銭的な不安感を少しでも感じているのであれば、まずは今からすぐに貯めてみる。そうすると、本当の問題を見つけられたり、意外と今の環境を一気に打破できたりすることも多いのです。

今回の私のダイエットでは「あすけん」という、アプリケーションを使いました。このアプリは、食事の記録をすると足りない栄養素や、1日に摂取しても良いカロリーを助言してくれるとても優れものです。普通に毎日の食事を記録するだけなのですが、食生活や摂取カロリーへ意識が向き、食事の取り方が大きく変わりました。

記録をつけて、使い方を考えることで「貯まる体質」に

これは、「家計簿をつけることは、レコーディングダイエットに似ている」という話とも共通性があります。

私はアプリに記録することで自然と食べ物のカロリーに意識が向き、「この内容でこのカロリーなら、自分にとってお得なのでは」(低カロリーなのに食べ応えがある)と考えるようになりました。

もちろん、おカネは家計簿をつけるだけでは貯まりません。記帳することで自分のおカネの使い方に意識が向き、「より納得がいくものにおカネを使っているのか、慎重に考えるようになる」と、貯まっていくのです。

漫然と過ごしているとやせることが難しいように、関心も持たずにおカネを貯めていくことは難しいです。おカネに意識を傾けて、関心を寄せることで、その内容を吟味するようになります。定期的に自分のおカネの使い方を振り返り、しっかり分析をし、おカネへの関心を高められれば、貯められる習慣作りに役立ちます。

恥ずかしながら、今回なぜダイエットを始めたかというと、ある日久し振りに体重計に乗ったら、思っていた体重よりも10キログラムも太ってしまっていることに気がついたからです。

おカネに関心を持たなければ貯まらないのと同じように、長い間、体重計にすら乗らず、関心を持たないというのは、本当に怖いことだと感じました。おカネも「増減の逆」はありますが、「グングン度」は同じ。関心を寄せていないと気がついたら貯蓄が減っていることはよくあります。おカネが底をついたり、借り入れが膨らむなど、お尻に火がついたことでようやく目覚め、急激な家計改善に成功している例は本当に多いです。もちろん、将来を見越した際に今のままでは足りないと気づく優秀なタイプの方もいます。

おカネのピンチに遭遇して初めて考えるのではなく、「健全にお尻に火をつける」には、ライフプランシュミレーションを行うことがおすすめです。今はおカネに困っていなくても、人生全体を長い視点で眺めていると、ピンチが発生するかもしれない場合、前もって発見することができます。

たとえば、日本FP協会は、簡易なライフプランシミュレーションが行えるサービスを提供していますので、ぜひ試してみて下さい。また、手書きでもいいですし、エクセルなどのソフトを使って、将来おカネがかかる時期を一つひとつ書き出して、おカネの残高がどう増えるのか減るのかを計算してみることも有効です。

「買ったらどうなる?」と未来を想像することで変わる

実は、今回アプリを使ってダイエットをする際は、食べたものをあとから記録するだけでなく「もしランチでこれを食べたら、夕食の時にとっても良いカロリーはいくらだろう?」と先に入力することも試してみました。たとえばハンバーグなど「ちょっとボリュームのあるランチを食べたら?」と入力すれば、夕食時の「残カロリー」があまりに少なくなったりします。このようにして、ランチの内容を軽いものに何度も変更しました。

このことは、おカネで言うと、「今これを購入することで、今月の家計は厳しくならないか。それとは引き換えに、ほかの何かを我慢できるか」と考えることに似ています。買い物では、「これはいい!」というアイテムを見つけた瞬間、欲しい気持ちがぐっと高まります。しかし、その結果、手持ちの資金がどうなるのか、それを買うことはどれほど効果があるのかを熟考すると、本当に買いたいものは意外と少ないものです。「本当に買って良いのか?」と購入前に一歩立ち止まるだけで、飛躍的に貯金ができるようになります。

まずは、貯めてみる。ダイエットと同じように、つねに関心を寄せていさえすれば、必ず結果はついてきます。え?「6キログラムやせたといっても、もとから10キログラム太ったわけだから、まだもとどおりになっていないでしょう?」ですって? そのとおりです! 私もあと、4キログラムの減量を頑張ろうと思います。もし読者の皆さんの中で、貯金に行き詰まっている読者の方がいれば、一緒に成功を目指して励まし合えると、とてもうれしいです。