Twitterが復活を遂げつつある。2月8日に発表された第4・四半期決算では、2013年の上場以降初となる、9107万ドル(約100億円)の黒字化に成功。Facebookのフィード改変に失望したパブリッシャーたちの注目も再び集めている。一方、国内では以前から、Facebookやインスタグラム以上の人気を誇る同サービス。ソーシャルメディアストラテジストのヴィンチェンツォ・コセンツァ氏がSimilarWeb(シミラーウェブ)とAlexa(アレクサ)を用いて行ったトラフィック解析によれば、日本はソーシャルプラットフォームのなかで、Twitterがもっとも利用されている唯一の国だという。そうした日本におけるTwitterの状況について、Twitter Japan 広告事業本部長 味澤将宏氏は、「数ももちろんだが、日本のユーザーはとにかく質が良い」と語る。同社の国内市場における現状と取り組み、そして今後の展開について話を聞いた。

国内ユーザーは突出してアクティブ

「昨年はMAUベースで年間500万人の増加があったが、日本のユーザーは、ツイートはもちろんサーチやDMを活用しているユーザーが多く、あらゆる指標で突出してアクティブで、エンゲージメントが高い。これには日本のユーザー向けにタイムラインやヘイト対策をはじめ、動画コンテンツ、ライブ機能の導入を実施したことが寄与していると思う」。

引き続き好調な動画広告

「日本における我々の広告売上は全体の15%を超えており、伸び率も堅調だ。昨年は動画広告全体で大きな成長が見られた。なかでも大きく伸びているのはブランディングだ。こうしたニーズに応えるべく、最近では『ビデオウェブサイトカード』という、ブランディングにもDRにも効果を発揮する広告フォーマットの提供を開始している。具体的には、ビデオを見せながら、LPへの流入を促すことができるため、視聴完了率とランディングの2つの指標を同時に訴求できる」。

「ビデオウェブサイトカードの活用シーン」
(Source:Twitter Marketing )

ライブ動画の広告活用も進む

「現状、ライブ動画の広告配信は、我々、もしくはコンテンツパートナーが提供するコンテンツに対してプレロール広告を入れていくケースと、広告主が自らコンテンツを作って配信するふたつがあるが、どちらも堅調だ。広告主はサービスのローンチやイベントの開催時に、Twitterの拡散力を使ってコンテンツを拡散することができる。最近でいうと映画、『銀魂』の公開当日に、弊社オフィスでスタジオ中継を実施したほか、ミクシー(mixi)やAbema TVとも同様の取り組みを展開している。また、年末には我々自身で企画したライブ番組『Twitterトレンド大賞』を配信しており、非常に良い反響があった」。

コンテンツパートナーの強化

「ライブ動画に限らず、今年はコンテンツパートナーとのディールをドライブしていこうと考えている。いま新たに話が進んでいるのは『Jリーグ』と『選抜高校野球』だ。こうしたスポーツのほかに、エンターテイメント、ニュースといった領域のパートナーが多い。最近プレロール広告の出稿先として好評なのはウェザーニュースだ。彼らがデイリーで配信している花粉のニュースは非常に需要が高い。Twitterを活用していて、プレミアムな動画をツイートしているアカウントであれば、もちろん契約は必要だが、どこでもコンテンツパートナーになることができる」。

クリエイティブ支援

「あまり知られていないが、我々はブランドストラテジーというチームを立ち上げている。主なミッションは、最重要顧客に対するプランニング支援だ。Twitterはプラットフォームで、ただ広告枠を売るだけではない。Twitterというプロダクトをトータルで活用してもらえるように、中長期的な目線でサポートしている」。

ブランドセーフティへの対応

「昨年我々は、『Twitterの透明性に関するレポート』を通じてTwitterに寄せられる法的請求、知的財産に関する異議申し立て、メールのプライバシーに関するベストプラクティスの状況を公表している。また、第三者機関で検証できるような仕組み作りにも早くから取り組んできた。内容に関しても、IABの基準に合わせて作っているのでそこまで心配していない。特に動画に関していうと、Twitterはほかの大手動画プラットフォームとは異なり、ユーザーにリーチするのは、基本的に彼らがフォローしているアカウントのコンテンツなので、比較的影響が少ないと考えている」。

今後の取り組み

「動画広告に関しては、ジャンル問わず広く取り組む予定だ。そのなかで、いままである程度広告予算はあるが、ソーシャル広告への取り組みが遅れている企業に対しては、丁寧に啓蒙していきたい。また、プロダクト面では機能改善とコンテンツのほか、広告の成果を可視化するためのトラッキング機能の強化を実施していく予定だ。直近ではエアトラック(AIR TRACK)という、店舗に入った時にトラッキングができる仕組みを導入している。動画広告の活用が、どこまで最終的な指標に効果を及ぼしているかという、仕組み作りを促進していく」。

マーケターの期待

「多くのマーケターが動画広告に期待しているのはマスリーチだ。以前まではユーザーの多くが若年層だったため、ターゲティングに制限があった。しかしいまでは、フォロワーの増加や機能改善により、広くオーディエンスにリーチすることが可能になった。事実、去年はテレビCMに偏重していた企業からの出稿も多く、テレビCMに近しい存在になっていると感じる」。Written by 村上莞Image courtesy of Twitter Japan