米国では2016年に、定額課金制映像ストリーミングサービスの売上高が、DVD/ブルーレイソフトの売上高を初めて上回ったが、最新の調査によると、これらストリーミングサービスは、引き続き高い成長率で伸びている。

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ホームエンタメ支出額の半分を占める

 映像コンテンツや映像機器のメーカーで構成される業界団体、DEG(デジタル・エンターテイメント・グループ)の調査レポート(PDF書類)によると、昨年(2017年)1年間の米国における定額制映像ストリーミングサービスの売上高は、95億5000万ドルに上った。

 これに対し、DVD/ブルーレイソフト販売の売上高は、47億2000万ドル。前者が、前年比で31%伸びたのに対し、後者は、同14%減少した。

 定額制の映像ストリーミングサービスには、米ネットフリックス(Netflix)や米フールー(Hulu)といったものがあるが、この業界の合計売上高は、米国ホームエンターテインメントコンテンツ市場の半分を占めるまでになった。

低迷する物理メディア

 米国では音楽CDの販売が落ち込み、それに代わり、定額制音楽ストリーミングサービスが急成長しているとの報告があるが、同様のことが映像コンテンツ市場でも起きている。

(参考・関連記事)「栄枯盛衰、どう思う? 音楽CDの落ち込み」

 DEGのレポートを詳しく見ると、定額制映像ストリーミングとDVD/ブルーレイソフト販売に続いて売上金額が多いのは、オンデマンド購入(21億5000万ドル)と、オンデマンドレンタル(19億6000万ドル)。

 このあと、DVD/ブルーレイのレンタル(自販機型/定額制郵送型/店舗型)が続くが、売上高は、いずれも前年から2桁減少している。

 また、これらを、物理ディスクとインターネット配信に分けて見ると、前者が全体の3割強となる68億ドル。後者が7割弱を占める137億ドル(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

 定額制ストリーミング、オンデマンド購入、オンデマンドレンタルから成るインターネット配信は昨年、初めて米国の映画館興行収入(105億1000万ドル)を上回った。同国の映像産業は今後、ホームエンターテインメント市場に支えられて伸びていくようだ。

ケーブルテレビの顧客も奪う

 もう1つ興味深いデータがある。こちらは米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)がまとめたレポート。

 これによると、米国では、ストリーミングサービスで映像コンテンツを楽しむ人が、あらゆる年齢層で増えている(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

 米国では、「コードカッター」と呼ばれるケーブルテレビ契約をやめる人や、「コードネバー」と呼ばれるケーブルテレビ契約を一度もしたことがない若者が増えている。ネットフリックスやフールーなどのストリーミングサービスが、ケーブルテレビから顧客を奪っている。

筆者:小久保 重信