金運を引き寄せて大金持ちになるには、割り勘ではダメ。だが中華系のセレブがやっていることを実践すれば、幸運が舞いこむかもしれない(写真:Greyscale / PIXTA)

今回は読者の皆さんに「中華系の大金持ちが実践している、おカネを自分の手元に呼びこむ術」をぜひ知っていただきたく、お話をさせていただきます。

シンガポールと日本を行ったり来たりしているファイナンシャルプランナーの私は、日ごろから中華系の大金持ちと食事をともにしたりする機会に恵まれていますが、その「おカネを呼びこむ術」は、本当に「ハンパない」のです。

中華系はオカネを閉じこめず、使って運を呼びこむ

そもそも、シンガポールは中華系住民が多いことから、風水をもとに設計された建築物も多いのです。詳しい説明は省きますが、水はおカネを表すことから、至る所に巨大な噴水があります。皆さんもよくご存じの「マリーナ・ベイ・サンズ」のザ・ショップスではモール内に運河があり、ゴンドラにも乗ることができるのですが、決まった時間帯になると、大量の水が天井から円形のプールに流れ落ちてきます。

これは「大量のおカネを呼びこみ、そこに貯める」ことを意識して設計されています。サンズと同じように、おカネは家族や仲間内の間に呼び留めて、巡回させるというのが基本発想です。長く暮らしていると自然にわかるようになるのですが、シンガポールなど中華系の国では、おカネを使って、経済をぐるぐる回す文化が隅々まで浸透しています。

こうした文化は、日本と比べると、より違いがはっきりわかります。日本では、どちらかというと、自分の銀行預金や財布におカネを「閉じこめて」おくイメージです。

一方、中華系は銀行や財布には閉じこめておきません。「私のおカネはあなたのおカネ」ではないですが、親しくなるとおごってくれることもしばしばです。飲食店やショップなどを経営している友達がいると、そのお店を積極的に使い、助け合います。自分の余裕がある時に恩を売っておいて、将来、「何か別の形でどこかから戻ってくればいい」と思っているのです。大金持ち(富裕層)だから、「おごる」ことで虚栄心を満足させようとしているのでしょうか。それは違うのです。もちろん100%そうだとまでは言い切れませんが、大金持ちは「割り勘」を損だと思っているのです。

日本では飲み会やランチ代、タクシー代、学校やお稽古事のイベントでも、すべてきっかり割り勘にする文化ですね。

しかし、中華系はあまり割り勘にしません。中華系の友達と一緒にいると、タクシー代やランチのお会計など、それこそ「レシートの奪い合い」になることもあるくらいです。家族で動物園に行くと、全員分の食べ物を用意してくれることも、しばしばあります。あわてて払おうとすると「また今度おごってね」と言われたりするものの、結局はまた、おごられてしまうということがよくあるのです。

「おごり戦術」に隠された意図とは?

しかし、実は「この戦術」は非常に効果が高いのです。人間には貸借勘定があり、おごってもらったら「借り」になり、律儀な人になると「利息分も含めて、次に返さなければ!」と考えるものです。景気の良い時に周りの人におごる、あるいはおカネではなくても情報や人脈などを「与える」ことで、景気が悪くなった時には、周りから一斉に助けてもらえる効果が見こめます。

もちろん中華系富裕層は、特に計算高い側面もあります。「自分の輪のなかの人」には家族のように親切に付き合うのに、「輪の外の人」に対しては氷のように冷たい一面があります。

極端な例ですが、外食やファッションなどの店員に対して、あからさまに態度が悪い人もいます。信じられないような話ですが、札束を「手裏剣」のように撒き散らして、それを拾わせる(!)など、映画のような行動をとるおカネ持ちも実際にいます。日本人のように「なるべくすべての人に対して丁寧に」などという接し方はしません。なぜでしょうか。おカネをぐるぐるまわすといっても、さすがに時間もエネルギーも限られています。選択と集中をしっかりさせている印象を受けます。

それでも、やはり「身内」や「自分の周り」は大切で、そこには惜しみなくつぎこむようです。

中華系社会では旧正月(今年は2月16日でした)には、かならず紅包(Red Packet)という、お年玉のようにおカネを配る文化があります。配る先が多い人だと、総額100万円以上にもなることも珍しくありません。親族以外にも、会社関係者(社長や上司から部下全員に)、運転手や家事労働者などの使用人、集合住宅の清掃員や警備員などにもおカネを「バラマキまくる」からです。

「お世話になっている人」に、おカネを「再配分」

複数の中華系の友人に聞きましたが、シンガポール以外でも香港やベトナムなど中華系文化の影響を受ける国や地域では、同じような習慣があります。実際に、国の中でも地域差があるようで、場所によっては、日本人やインド人のような外国人でも、この紅包の文化から免れられない場合もあります。こうなると大変です。運転手やお手伝いさんなどが多いと、外国人でも「30万〜50万円程度あげた」という声も実際にあります。一方で、もらう側も期待しているので、「その日が近づくと媚を売るし、もらえないと態度が変わる場合がある」とよく聞きます。


シンガポール版の「お年玉袋」であるアンパオ。おカネを、身内やお世話になっている人の間で 循環させ金運を呼び込む(筆者撮影)

紅包はシンガポールでは「アンパオ」という名前なのですが、やはり旧正月前には至るところで真っ赤なお年玉袋を見かけました。日本人駐在員の場合、集合住宅の顔見知りの警備員や子どものスクールバスのドライバーなどに1000円弱をあげる程度なので、幸い受けるプレッシャーは、中華系の人ほどではありません。

お手伝いさんや警備員などは月収にしてみれば10万円未満で働いているのに対して、雇用主は少なくとも10倍、あるいはそれ以上の収入を得ている場合が大半です。なので、新年などの機会に再配分をするのがフェアだという考え方なのでしょう。もらう側も慣れているので、遠慮なく受け取ります。このように中華系は守銭奴になっておカネを自分のところで留めるのではなく、自分や家族や身内(使用人、会社関係者、友人)などの間でおカネをぐるぐる循環させるという発想があります。

その他にも、シンガポールでは贈答をする機会がとても多いです。「教師の日」「クリスマス」「バレンタイン」や教員の誕生日などには教師や身近な人に日頃からの感謝の意をこめて贈答をしたりします。交際費がかかりますが、おカネやギフトなどの贈答をすることによって、身近な人に感謝の気持ちを見える形で伝えるのです。

シンガポールだけに限りませんが、やはり学校などへの寄付も活発に行われています。校舎の建物の大半が寄付で建てられている学校も珍しくありません。また、バレエなどの発表会でも、日本の場合、「参加費はぼぼ均等」が一般的ですが、シンガポールでは、寄付によって多くの経費が賄われる学校が少なくありません。そのため、決して経済的に豊かではなくても、衣装代の実費(バレエなら8000円程度)で、誰でも最低限ステージに立つことができるのです。

実際、どんな形でおカネは集まってくるのでしょうか。たとえば、お稽古事でスクールに行く場合、役割毎にスポンサーを募り、それに応じて数人が多額の寄付をしたり人員を出したりします。多い人は15万円程度の現金に加えて人員も出しますから、実際には20万円以上出しているのと同じです。もちろん、おカネだけを寄付する人もいます。

しかも、熱心な親たちや、現役の中高生や若手講師が全て仕切ってくれるため、外国人で子どもの年齢も低いと、当日もほとんど何もせずに済みます。中高生や若い先生たちが当日自分たちも出ているのに、子供たちの面倒まで見てくれます。

全員で均等に参加費を割り、役割分担をする日本の文化と違って驚かされました。考えてみれば、子どもの舞台での出番や家庭の経済事情に応じて、「払える人が払う」という方法が海外ではフェアだという考え方なのです。日本でいう平等とはかなり考え方が異なります。もちろん、寄付をすることによって、払った人は周りに存在感をアピールさせる効果もあります。

学校で行われるイベントで行事を行う場合も同じです。たとえば、クラスで行われるパーティーでも、主催者が準備やパーティーにかかった費用などを負担する方法が一般的です。さらに、友人を自宅に招く際にも同じ。みんなで持ち寄るというよりは、ホストがすべてを準備します。そうしたイベントを行えば多くの人に感謝をされるので、自分の信用を上げることができるのです。

貯まる人になる「最初の一歩」を踏み出すためには?

日本でも芸能界や体育会系の部活動では、先輩や儲かっている人が若手におごるという文化があります。私も個人事業主として活動を始める時には、「仲間を作って仕事を紹介し合い助け合う」ということを学びました。

仕事は集中する時とそうでない時があり、集中する時は一人では受けきれない場合もあります。その時に仕事を譲ることによって、自分が困った時、たとえば私の場合は、出産後に本格復帰する時に逆に後輩から仕事を回してもらうことができました。何の保障もなく不安定に見えるフリーランスでも、仲間で助け合えばいざといった時の保険になるのです。中華系の発想もこれに近く、仲間内で知識やおカネや人脈などを共有し、惜しみなく与えてしまうのです。自分の手がかかった人が大きく成長をしたらそれによって自分も繁栄をすることができて、長期的には得をするからです。

こうした中華系大金持ちのおカネの使い方は、おカネもそれなりに必要ですし、やや上級者向けかもしれません。なので、最初は「インドのドケチ金持ち式」で節約をして、「種銭」をためてから、本格的に行うことをオススメします。あるいは「収入の10%」など、限られたおカネの範囲で行うと、おカネが回り回って貯まる人になる一歩を踏み出せるはずです。