ECサイト運営で急成長

 ECサイト「ee-shopping」などを運営する(株)アイエス・トレーディング(TSR企業コード:293541051、渋谷区、魚住和泉社長、以下アイエス社)への問い合わせが増えている。
 アイエス社は1994年5月設立で、当初は量販店向けにインポートブランド品、生活雑貨の販売を手掛けていたが、その後、ネット通販の成長に伴い、ECサイトでの直販に軸足を移していった。
 2003年に大手ショッピングサイトに「ee-shopping」の屋号で出店。その後、他のショッピングサイトにも出店を続け、1995年8月期に約5億円だった売上高は、2012年8月期は約40億円に拡大していた。
 ところが、大手ショッピングサイトへの出店が一巡した2013年頃より、状況に変化が生じた。同年9月に金融機関が動産譲渡登記を設定し、資金面の苦境が外部に漏れ始めるようになった。この時期から東京商工リサーチ(TSR)の取材にも、業績を開示しない姿勢に転じていた。

本社と連絡つかず郵便物も滞留

 3月12日、アイエス社の問合せが入った。代表電話は呼び出し音が鳴るが応答がない。ショッピングサイトに掲示されている別の電話番号は、「ただいま電話が大変混み合っております」とのアナウンスが流れるだけ。大手ショッピングサイト上の店舗は、「ただいま店舗の改装中です」と表示されている。
 13日昼過ぎ、本社が入居するビルのエレベーター。本社の5階のボタンを押しても反応しない。外階段の扉も施錠され、中の様子を探る手だてはない。アイエス社の郵便受けには多数の郵便物が溜まっていた。

取引先は「連絡が取れない」と困惑

 13日夕刻、取引先の1社がTSRの取材に応じ、「3カ月前(昨年末)までは通常通り取引していたが、その後取引はなくなった」と話してくれた。さらに、関係筋からは「大口の取引先への決済が期日通りにされていないようだ」との証言を得た。別の取引先は14日、TSRの取材に「少し前から支払いが滞っている。会社や社長と連絡が取れない状態だ」と困惑気味に話した。
 ネット通販で急成長したアイエス社だが、ネット店舗の口コミサイトには「ストアの連絡先に何度も電話したが、つながらない」との書き込みがあった。
 一部のお客は返品を希望するが連絡がつかずに困っているとの書き込みがある。拡大を続けるネット通販の弱点は、顧客対応にある。果たして消費者の心配は払しょくされるのか、今後の対応が注目される。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年3月16日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

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