東京都 荒深亜子さん(31歳・会社員広告代理店に勤務)大学卒業後に入社した広告代理店ではマレーシアやタイに赴任。帰国後、転職を経て現在2社目。都内で1人暮らししている。

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しなくてもいいことはしない。そうすれば気持ちがすーっと楽になります。「プレジデントウーマン」(2017年12月号)の特集「しない習慣」より、読者の実践エピソードをご紹介します。後編は「友人への嫉妬」と「家計管理」を見直したという2人です――。(後編、全2回)

■まずは自分の感情を、冷静に受け止める

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▼課題:友人の出世に嫉妬してしまう
昇進、昇格、学位取得など同性の友人の出世した話に敏感に反応し、嫉妬の感情が芽生えます。競争相手に勝ちたい、負けていると悔しいという思いが強いからです。そんな感情に振り回される習慣は、もうやめたい!

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「プレジデント ウーマン」2月号で「定時退社」にトライしてくれた荒深さん。今度は「嫉妬克服」に手を挙げてくれた。「これまでは、いつも人と自分を比べて、嫉妬してしまう自分の感情を持て余していました」。しかし、先生のアドバイスを受けて、自分の負の感情をポジティブにとらえられるようになった。

「嫉妬という感情自体が、人間として当たり前で、進化、成長するためには必要であると考えられるようになりました。また嫉妬したら『負けないぞ!』と念じることで、嫉妬こそ、自分の原動力であり、それに打ち勝つことで、前とは違う自分になれる、と思えるように」

さらにライバルと自分の違いを書き出してみた。

「ライバルとの違いから自分らしさを見つけることで、嫉妬に打ち勝つ具体的な方法を考えられるようになったのはもちろん、自分の感情や思いも紙の上に吐き出すことで気持ちもスッキリ。嫉妬を感じた状況やきっかけも冷静に分析できました」

実際に書き出したことで、自分が憧れを抱く女性には“海外で活躍していて語学が堪能”“文章力がある”“仕事だけでなく、プライベートも充実している”といった共通点があることにも気づけた。

「自分もそういう女性に近づけるように、スカイプで中国語のレッスンを始めたり、文学賞にエッセイを応募したり、またこれまでは何となく習っていたベリーダンスにも身を入れて取り組むようになりました」

■好きなことに打ち込めば、嫉妬しなくなる

そうやって好きなことで努力しているうちに、いつのまにか嫉妬という感情は消えていたという。自分自身が心から楽しめること、興味のあることを深く追求する習慣ができれば、他人と比較して嫉妬する習慣もなくなるのだと実感しているそう。

「それでも、イラッとしたり、もやもやしたりといったマイナスの感情を抱いてしまったときは、以前手帳に書き出した、自分の感情や思いを読み返します。マイナスの感情の原因がわかれば、自分ともうまくつき合えるのかなって」

手帳に書いたことは、できれば毎日読み返したいし、これからも、ちょっとずつ変えて書いていきたいと笑顔で話す。アドバイスを実践して、ようやく他人でなく、自分の軸が見えてきたと思えたようだ。

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1.「負けないぞ!」と1人、部屋で念じる。2.ライバルと自分との違いを書き出すうちに、自分にしかないものや嫉妬の原因も見えてくる。3.本気で取り組み始めたベリーダンス。2カ月に1度はレストランで踊りを披露している。4.中国語を習得したくて、スカイプレッスン。目標は中国語検定をクリアすること。

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▼こうすればやめられる!
感情のケア・メンタルトレーナー 下園壮太さんのアドバイス
1:嫉妬する自分を受け入れる
取り分を期待し、他者と比較して自分の権利を守ろうとするのは、原始時代からある必要な機能。嫉妬心は当たり前。
2:嫉妬を感じたら「負けないぞ!」
比較と期待のエネルギーは、できるだけ前向きに使いたいもの。ライバルに「負けないぞ」という考え方で、自分の力を出しましょう。
3:かなわない相手と自分の違いを書き出す
相手にかなわないと感じたら、自分との違いを紙に書き出すと、自分らしさが見えてきます。比較しそうになったら思い出して。

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■家計簿ではなく、袋分けで管理

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▼課題:家計がザルで貯まらない
つい物を買うザル家計が習慣に。家計簿をつけたこともありますが、つけただけ。夫が9歳年上なので、早々に住宅ローンを返し、教育費と老後資金を貯める余裕をつくりたい。本来ならできるはずなのに、できていない!

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池田さんがまずやめたのは「家計簿をつけなければ」という思い込み。「先生のアドバイスを伺ううちに、私は単にお金を使うのを減らして貯めたいだけであって、家計を分析したいわけではないことに気づかされました。家計簿をつける以前の問題ですね」

そこで始めたのは、1カ月の予算を1週間ごとに袋に分け、そこから使う、昔ながらの袋分け。カードで支払ったものは、その袋からカード用の袋に入れるようにした。

「始めてみると、これがもう全く足りない! 子どもの文房具や父母会費など予想外の出費が多く、予算立ての甘さを思い知らされました。今後は意外に多かった子ども費は別の袋に分けて、そこから取り出すようにしようかなと思っています。家計簿アプリにも登録しました。目下の課題は、この袋分け全体の予算を減らすことです」

■やりたいことは、家族で楽しむこと

お金が貯まったら何がしたいか? 「これはワクワクする作業だった」と池田さんは目を輝かす。

「毎年、お正月にやりたいことを100個ぐらい付箋に書いて、あれこれ並べかえるのですが、今回はお金バージョンでトライ。旅行したい、ディズニーランドに泊まりたい、夫の実家に行く回数を増やしたい……、1人で付箋にしたいことを書き出しているうちに、結局は『家族みんなで楽しみたい』ことが、私の優先順位1位であることに気づき、子どもと夫も交えて話しました。どれが直近で実現できそうか話し合った結果、3月に卒園祝いでホテルミラコスタに泊まることに! お金を貯める理由が具体的になり、モチベーションが上がっています」

しかし、譲れないものも。「食事は大事なものとはいえ、週に3、4回だった外食を週1回に減らす、朝食はパンではなくごはん、とセーブしていくつもりです。自分の仕事で使うスーツも譲れないかな。人前に出る仕事なので、素材やサイズ感には、こだわりたいですね」

いくつか行動を変えてみて感じたのは、家計管理は無理にしなくてもいいということ。

「“しなくてはいけない”のラインが下がったのは大きかった。そして、何より『家族と一緒に目標を共有する楽しさ』を知ったことも、私にとっては大きな変化でした」

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1.次男は、まだ5歳。大学を卒業するときに夫は65歳と考えると、焦りが出てくる。2.1カ月の予算を1週間ごとに分けて袋に。カードを使ったら白い封筒にお金を入れる。3.したいことを付箋に書くことで「すぐにできそうなこと」「時間がかかりそうなこと」と自由に分類できる。4.スーツは、お気に入りのものを。

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▼こうすればやめられる!
ファイナンシャルプランナー 前野 彩さんのアドバイス
1:家計簿をつけるという思い込みをやめる
家計簿をつけなくても、家計簿アプリなどで振り返れます。家計簿で家計管理ができるようになるという呪縛から解放されよう!
2:「やらねばならない」から「やりたい」へ
「ローンを返さなければならない」ではなく、「ローンを返したら○○がしたい」と、その先の目標を明確にすると、やる気がアップ。
3:比較をやめて自分らしい使い方を
周りと比べてダラダラ使わず、かけるところはかける、節約できるところは節約と自分らしくメリハリをきかせたお金の使い方が大事。

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(フリーライター 池田 純子 撮影=強田美央)