キャリアや学歴だけでは足りない。やっぱり転職活動で「人間性」が問われるワケ

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 これまで7000人以上のキャリアを見てきたヘッドハンターの高本尊通です。よく、転職活動というと、職歴や学歴ばかり意識されがちですが、多くの転職者を見た私の経験から、実は最終的な転職の成否を決めるのは「人間性」なのではないか、と感じています。

 今回は、私のこれまでの経験を踏まえ、キャリアに人間性がどう影響するのかをお伝えします。

◆「入社前」に社長と会食するべき理由

 ヘッドハンターとして、これまで多くの人材を企業に紹介してきましたが、採用面接とは別に、採用企業と転職者とで会食の場をセッティングすることもあります。これは、採用企業側から求められることが多いのですが、採用面接だけでは見えない“人間性”を見る場と考えられているようです。

 たとえ履歴書や職務経歴書が完璧で、採用面接でも問題なかったとしても、採用企業としては、「本当にこの人と一緒に仕事をできるのだろうか」という不安は残るものです。そこで、会食などで話し方や立ち振る舞いを見て判断したいということなのでしょう。

 こうした場は、採用企業だけでなく、採用される人間にとっても意味があります。「入社してみると、イメージと違った」となるリスクを避けられるからです。とくに中小企業は、入社後に社長など経営層と直接関わる機会が多いですから、あらかじめ、人としての相性もすり合わせておきたいところです。

 また、もし可能であれば、社長だけでなく関わる現場の人たちの様子も入社前に見ておくと良いでしょう。なかには、「社長に気に入られて中途入社したら、部下から総スカンを受けた」という話を耳にすることもありますから……。

 私の過去の経験として、ヘッドハンターとして紹介した人材が、採用面接でOKが出たにもかかわらず、入社することができなかったということがありました。ここでは具体的には書きませんが、採用面接後に設けられた会食中の態度などに問題があったのです。

 私は、自分のスタンスとして、採用NGの理由もきちんと伝えるようにしています。もちろん、あらかじめ「今後の転職活動のために、包み隠さず言いますね」と前置きをしたうえですが。会食後に採用NGとなった方にも話をしたところ、彼がそのような態度を取った理由はわかったのですが、それでも採用企業の判断は変わりませんでした。

 やはり、採用企業に対して、「きちんと向き合っていく」という意思を、態度で示す必要があったのだと思います。

◆言葉の使い方から人間性を見られる

 華々しい学歴や実績があるにもかかわらず、転職がうまくいかない人がいます。私が見るに、そうした人に共通するのは、「アピールの仕方に問題がある」ということです。

 たとえば、実績をアピールするにしても、職務経歴書に書いたままに「私がこうしたプロジェクトを牽引し、成功に導きました」と言ってしまうと、聞いている方としては、少し嫌な印象を持ってしまいますよね。

 ここで、「私の力だけではなく、周りのメンバーから協力を得たおかげで成功させることができました」という言葉に変えるだけで、印象はずいぶん変わります。言っていることはほとんど同じなのに、受ける印象が違うのは、そこに“周りへの気遣い”が感じられるからでしょう。

 特に、私がヘッドハンターとして携わるのはマネジメント層が多く、部下を持たされることも多いため、「自分1人でやった」という態度を取られると、管理者としては不適格と見られかねません。

 私の経験上、人間性においても優れた人は、仕事の実績も素晴らしいと考えています。しかし、これは当たり前の話なんです。企業を構成しているのは人間ですから、いくら優秀であっても、会社員として出した成果には、関わっている上司や同僚などの力が影響しているはずです。

 本人がそのことを意識せず、「自分1人で成果をあげた」と信じ、しかも態度に表していれば、転職活動の障害となることは避けられません。採用企業は、「どういう人間と一緒に仕事をしたいか」ということ考えながら採用活動を行なっています。

 転職活動において、過去の成果をアピールするのは必要ですが、表現の仕方から見える“人間性”を、実は見られているのだ、ということを意識してみましょう。

<TEXT/高本尊通 構成/小林義祟>

【高本尊通】
たかもと・たかみち◯1972年3月7日生まれ。大学卒業後、パソナに入社。大手特別法人営業グループ責任者を経て、企画、アライアンス、業務改革担当として活躍後、2004年、株式会社プロフェッショナルバンク設立に参画。これまで約7000人あまりのキャリアに携わり、特に30代、40代の転職市場の現場に長く携わってきた。2012年にビズリーチ社の「日本ヘッドハンター大賞」、同年から2年連続で「リクナビNEXT AWARDMVA」を受賞するなどし、16年にはビズリーチ社によるヘッドハンターランキングで約1500人中第1位を獲得している