数多ある焼き鳥店の中で、ほんとにいい店ってどんな店?あるいはここはやめろ! という店は?今回の焼鳥店取材を担当したライター・池田一郎、ライター・松田有美、編集・武内慎司が、覆面取材で見えてきたいまどきの焼鳥店を語ります。

焼き場に活気があるライブな店を選べ!?

武内「まずはひとり串、ふたり串の名店を求めてかなり徘徊されてた池田さん?」

池田「ひとり酒はライフワークだけど、徘徊とか言うな! で、最初の感想は、少しくらいなら行列しつつ待つ店も多々。予約が取りにくい店もけっこうあるし、焼鳥屋ってどこもよく入ってるなあと」

武「あ、それ、僕も感じました。激戦区だなあってエリアもかなりあったし」

池「目黒・中目黒、新橋、神楽坂・飯田橋、渋谷、北千住……。各エリアに人気店はあって、こうなるとどういう基準で、かつ自分の好きな店を見つけるか、っていうのがけっこう大事な気がする」

武「へえ。では、たとえば池田さんがひとり串を選ぶときの基準は?」

池「できればちょくちょく行きたいわけで、さくっと飲めて懐にやさしいのがひとつ。居心地のいいカウンターがあって、あといい店はなんていうか、焼き場に活気があるんだよなあ」

松田「あ、それわかります! 今回私が取材した店に共通してたのは、焼き場がステージみたいになっていたこと。真剣な表情で“この串を絶対美味しく焼き上げるぞ”って気迫が伝わってくると……」

池「目、キラキラしてるよ(笑)」

松「1本ずつ、熱々のうちに食べなきゃって思うんですよ。ビールも思わずおかわりするし、焼鳥ってライブだと思う!」

池・武「おおーっ!」

武「ところで懐事情の話ですけど、最近焼鳥って少しお寿司化してません?」

池「何、お寿司化って?」

武「備長炭とか銘柄鶏にこだわるから高級化している気が。僕は庶民の味として頑張っているところを応援したいです」

池「む〜、確かにな。そのへんは接待串にフォーカスした松田さん、どうなの?」

松「焼鳥が美味しいのが前提ですけど、前菜に9種の豆皿があってときめいたり、焼鳥以外も「わあ〜っ!」って要素があるとさらに通いたくなるかも。それと素材へのこだわりも感じましたねー。名古屋コーチンの純血種の“松風地鶏”とか、フランスうずらの卵“エル・フランス”を使ってたりとか。ブルゴーニュワインが揃っていたりとか。女子にはね」

武「……(ボー)」

池「い、いかん、目を覚ませ! 焼鳥は焼鳥自体が旨くてなんぼだろ。いい素材を使うのもいいけど、それを活かせてなんぼ。ひとり串だろうが接待串だろうが、まずはそこを見極めんと」

武「はっ! 確かに」

松「それで思い出したけど、有名店で修業した若手が頑張ってるっていう印象もありますね。私が行ったところでは北千住の『バードコート』出身だった」

池「大塚の『蒼天』、銀座の『バードランド』、中目黒・目黒の『鳥よし』『鳥しき』とかね。きっちり修業しているから腕はもちろん確かだし、意欲的に独自のトライもしている。内容に比して価格はわりとリーズナブル。そういう若手の店は確かにけっこういいよね」

仕事次第で旨さは全然違う焼鳥って奥が深〜い!

武「ていうか、そんなに味に大きな違いってあるんですかね?」

池・松「ギロッ」

武「い、いや。あるとは思うんですけど」

池「よく串打ち◎年、焼き一生とか言うけどさ、今回食べたり話聞いたりしてて、仕事の仕方によって焼き上がりって全然違うんだなってよくわかった。鳥はまず鮮度が一番だし、美味しさが逃げない串の打ち方とか、カットの大きさ、炭の組み方、もちろん焼き方や焼き加減。1本の串にポイントはいっぱいあって、焼鳥って深いな〜と」

松「確かにいろいろ回ると、同じ焼鳥、同じ銘柄鶏でも、全然違いますよねー」

武「ほー。では逆にこれはNGって焼鳥はどんな感じ?」

松「鮮度なのか材料なのか、特に内臓系で臭みがあるとか。ちょっと焦げすぎて真っ黒で固いとか。そうなるとまったくそそられません!」

池「あと最近、生っぽいの流行ってない? ある店の大将が『半生とレアは全然違う』と。レアってジューシーだけどちゃんと火が通ってるからこそ旨みが引き出されるんだよね。でも、ひと口に美味しいって言っても、焼き方の流儀もいろいろで、違いがあるから『ここのは好きだな』って好みを見つけるのも楽しみ」

松「ある店で教えてもらったんだけど、初めての店では、正肉(もも)、レバー、つくねを食べてみると実力がわかるんだって。どれかがまずかったら、すぐ帰った方がいいよって(笑)」

武「きびしー!」

池「旨い焼鳥は、焼き上がりを見ただけでなんかエッジが立って、旨そうな勢いがあるよねー。くー、今すぐ焼きたてを頬張りたくなった。行く〜〜?」

武・松「ラジャー! !」

関連記事