KDDIとKDDI総合研究所は、ハロー!プロジェクトと共同で、モーニング娘。'18が出演する「音のVR」に対応したコンテンツを制作した。一般向けには3月31日から横浜で開催されるイベント会場で体験できるほか、4月からはKDDI直営店の一部や、HMVの一部の店頭でも体験コーナーが展開される。5月以降は期間限定でアプリも配信される予定。

 今回制作されたコンテンツは、モーニング娘。'18が楽曲「I WISH」を歌い、その模様を周囲360度を見渡せる映像で収録したVR動画コンテンツ。最大の特徴は、KDDI総合研究所が開発した「音のVR」対応として収録されている点。ユーザーが正面に捉えている方向からの声や音が、自然に聴こえやすくなっているほか、ズーム操作で映像を拡大すれば音もあわせてズームし、よりハッキリと聴くことができる。

 これにより、アイドルグループのメンバーが周囲を囲むように制作された「音のVR」対応のVR動画では、“推しメン”を正面に捉え、ズーム操作をすることで、これまで埋もれがちだったメンバーの歌声をはっきりと聴くといった楽しみ方ができる。

 「音のVR」の技術的な概要は、2017年10月のニュース記事も参照していただきたい。

ハロー!プロジェクトと共同で制作された「音のVR」対応のVRコンテンツ。正面に捉えた対象の音が自然に聞きやすくなり、映像をズームすると音・声もズームされハッキリと聞こえる。「I WISH」を歌っているメンバーと、手紙を読み上げているメンバーがおり、声も含めてズームが可能

こちらは携帯電話で通話している様子を収録したデモンストレーション用コンテンツ。映像をズームすれば話し声もハッキリと聞き取れるようになる

 14日には都内で報道陣向けの発表会が開催され、モーニング娘。'18のメンバーも登場、「音のVR」を収録・体験した様子を語った。

 芸能プロダクションなどを抱えるアップフロントグループ チーフディレクターの橋本慎氏は「音のVR」について、「ズームしたときに粗が見えたらという不安もあるが(笑)、生々しい、生身の彼女たちを見られるのではないか。テクノロジーを使いこなして、新次元のエンターテイメントに昇華していきたい」と意気込みを語っている。

 KDDI総合研究所 執行役員 ヒューマンコミュニケーション部門長の滝嶋康弘氏は「音のVR」の技術を解説した上で、今後の用途として、音楽コンテンツのほか、チームで対戦するスポーツなどでもユーザーが任意に音を拾いたい選手をズームできるといった使い方や、ビジネス用途ならテレビ会議で誰が発言したのかが分かりやすくなるといった使い方が見込めるとした。また、高速・大容量の5G時代には、VR映像をライブ会場からリアルタイムに配信するといったサービスも現実的になるとして、そうした場合でも「音のVR」に対応することでより臨場感や使い勝手を高められるとした。

アップフロントグループ チーフディレクターの橋本慎氏

KDDI総合研究所 執行役員 ヒューマンコミュニケーション部門長の滝嶋康弘氏

推しメンの歌声にズーム「誰もがセンターになれる」

 ステージに登場したモーニング娘。'18のメンバーは、この日の午前中に「音のVR」用の映像を収録したばかりということで、完成したコンテンツは未体験。

ステージに登場したモーニング娘。'18のメンバー

 各メンバーに音(声)もズームできるということで、「ドキドキいっぱいの撮影だった」(譜久村聖)と収録前の様子を語ると、ステージ上でタブレットを使って「音のVR」のコンテンツを体験した後は、「この映像なら、全員がセンターになれる。メンバーは13人いるので、(各メンバーにズームして)何回も観たくなる」(飯窪春菜)と興奮気味に感想を語っていた。

 今回制作された映像では、カメラを囲むように13人がバラバラに位置し、「I WISH」を歌っているが、途中から何人かが順番に、モーニング娘。'18への思いを綴った手紙を読み上げるという趣向。タッチ操作でズームすると、歌声をバックに聞きながら、手紙を読み上げている声をハッキリと聞き取れるという仕掛けになっている。もちろん、歌っているメンバーの歌声をズームすることも可能。

 ただ、今回の撮影で用意した手紙の内容にも(手抜きせず)強い思いを込めたのか、メンバーの加賀楓は、涙ぐみながら手紙を読み上げる様子も収録されている。譜久村は「メンバーの絆が深まったと思う」と手紙や収録の様子を振り返ると、「普段会えない方にも楽しんでもらえるコンテンツになる。ファンのみなさんとつながる5G時代が楽しみです」、将来的にライブ配信などでも活用できるようになることへ期待を語っていた。

前列左から譜久村聖、飯窪春菜、加賀楓。収録の模様や期待を語った

完成した「音のVR」対応コンテンツをステージ上で体験