人間は嘘をつく動物だ。僕もしょっちゅう、どうしょうもない小さな嘘をついてしまう。

先日も地元に戻っていたとき、友達に年収を聞かれたので「1800万」と答えてしまったが身なりですぐにバレた上に「使えよ」と、ブランド物の財布とスマホを貰った。

僕はプライドがないのでヘラヘラしながら「ありがとね〜」と言い、早速自分のモノにしてしている。

嘘というのは音速でバレるぐらいでいいのかもしれない。そうでないと収拾がつかなくなり、自分の嘘を隠すために、また別の嘘を用意しなければならなくなってしまう。(文:松本ミゾレ)

「企業側も嘘つきなのでセーフ」と全く反省していない様子

先日、2ちゃんねるで知り合いのやっている美容室についての悪意のステマをしようとしたところ、偶然にも「就活生ワイ、嘘をつきすぎて自分が何者かわからなくなる」というスレッドを見つけた。

本文には一言「ワイは誰や」とある。嘘をつき過ぎて、とうとう行くところまで行ってしまったようだ。

この人物は「部活で練習長」をやっているという嘘や「ゼミでは論文発表会を行った」という架空の物語まで用意しているという。さらにはスレッドで他のネットユーザーにも、どんどん嘘をつくように勧めている。「そもそも企業側も嘘つきなのでセーフ」と全く反省していない様子だ。

こういう人って就活だと結構いるのだろう。もちろん本人にとっては重大な状況であるということに変わりはないが、面接では話を盛る奴の気持ち悪い潤滑油アピール合戦ほど面白い見世物はないわけだし。

もっとも彼も嘘がばれない様に色々と算段は打ってあるとは発言しているが、本当に不安がなければいちいちスレッドなんか立てないわけで。……どっちみちついた嘘は貫きとおすしかないのだから、彼には今後も嘘をついてもらいたい。

「学生時代はクラスをまとめるのに欠かせない存在で〜」に失笑

しかし嘘はどうせバレる。就活の場合だってこれは当然だ。人事の担当者だって意外と見ているものだ。目の前に明らかに視線がキョロキョロとしている冴えない青年がやってきたとき「私は学生時代、リーダーシップを発揮し〜」とか何とか言い出したら絶対信用しないだろう。

普通に考えて「コイツが? おいおい冗談キツくないすか?」と心の中で突っ込みまくっているに違いないのだ。第一、僕自身が強烈に面接時に感じたおかしな空気を、今も覚えている。

新卒で入社希望を出した企業の面接官との集団面接での一コマで、ごく普通のルックスをしている就活生が「学生時代はクラスをまとめるのに欠かせない存在で〜」とか言ったその瞬間に笑ってしまった。

しかしその場にいた全員が、確実に「お〜、盛ってんなぁテメェ」と間違いなく感じたはずなのだ。それぐらい嘘が浮くのが面接なのだ。そして面接を担当する人事のおじさんたちは、言わば人材の本質を見抜くスペシャリストだ。

いちいち真贋を検めないのは、そんな暇をかけている時間がないというだけのことで、嘘みたいなアピールをした人物を信用したわけではないのだ。

どうせ嘘をつくなら「この面接でぶち上げる嘘は、所詮この場で目の前のおっさんに看破されるのだ」ぐらいの諦めと覚悟でもって大胆にやっていきたい。それがキツいと感じるなら、過剰で痛々しい自己PRは控えるほうが賢明だろう。