大阪府 岸本怜子さん(40歳・会社員)音響照明のスタッフを派遣する会社で経理を担当。夫と2人暮らし。夫が経営する鍼灸院や飲食店、介護サービスのSNS更新を手伝っている。

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しなくてもいいことはしない。そうすれば気持ちがすーっと楽になります。「プレジデントウーマン」(2017年12月号)の特集「しない習慣」より、読者の実践エピソードをご紹介します。前編は「スマホ」と「事務仕事」を見直したという2人です――。(前編、全2回)

■スマホを裏にして置く。移動中はバッグの中に。

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▼課題:スマホが手放せない!
朝起きてから寝る直前まで、メールやSNSをチェック、一日中スマホが手放せません。常に通知が気になることで、追われている感覚になり、時間もムダに感じます。ダラダラ見をやめて、もっと読書や勉強をしたい。

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「スマホは仕事でも使うので、完全にオフにするわけにはいきませんが、メールやSNSだけ通知をオフにして、スマホ自体を裏にして置いています。これだけで、メッセージが届いたことに気づかないため、スマホの存在が気にならなくなりました」

アドバイスを実践し、さっそく効果を感じたという岸本さん。届いたメッセージは、仕事の合間にまとめて見るようになった。

「これまでは歩きながら手に持ち、信号待ちの間もチェックしていましたが、移動中はバッグの中に。スマホを意識せず前を向いて歩くようになったので、ひどいストレートネックも和らぎました」

夫の店の情報発信やコメントへの返信など必要な作業は、朝一番と通勤電車の中だけ。それぞれ10分程度ですませる。充電はリビングで行い、寝室には持ち込まない。寝る前は読書や勉強をするようになった。

■仕事中、通知設定オンは電話とLINEだけ

「これまでは肌身離さず持っていたスマホを制限して使うだけで、かなり気持ちに余裕が生まれて、ムダな時間が減ったように感じます」と岸本さん。さらに最近はスマホ内のアプリを見直し、使っていないものは削除、不要に通知設定していたものは、すべてオフにし、最低限の電話とLINEだけがわかるようにした。

「家事をするときはバッグに入れたままにして、スマホの存在をないものにすることで、家事に集中できてスピードアップにつながっています。読書や勉強をするときは機内モードに切り替えて効率アップ。結局、スマホ依存は孤独感からくるもの。読書や勉強など、生活を充実させることで、スマホを遠ざけることができる気がします」

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1.仕事中は休憩時間の5分だけ、スマホをチェック。2.仕事中はメールとSNSの通知をオフにして、スマホ自体を裏に。これだけで気にならなくなる。3.移動中は手に持たずにバッグにイン。家事をするときも、あえて入れたままに。4.ベッドルームには持ち込まず、読書に集中。充電はリビングルームで。

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▼こうすればやめられる!
行動習慣コンサルタント(R)冨山真由さんのアドバイス
1:リビングで充電し寝室に置かない
まずはスマホをベッドルームに持ち込まないことで、夜と朝のムダ見がなくなります。充電は常にリビングで、と決めましょう。
2:仕事中は通知をオフにする
仕事中は、通知をオフにしてSNSのお知らせがこないようにします。機内モードをオンにしておくのも有効。これで大きく解消。
3:仕事中に気になったら50分ごとに5分だけ
仕事中に、どうしてもSNSが気になる場合は、50分ごとに5分休憩を入れるなどして、その間だけ見る習慣をつけましょう。

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■面倒な事務仕事を先延ばしにする悪習慣を直したい

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▼課題:面倒な事務仕事を先延ばししてしまう
毎日、鍼灸院のこまごまとした事務仕事があるのに、家事やペットの世話に逃げてしまい、机の上と頭の中は常に山盛り。事務仕事を先延ばしする習慣をやめて、「しなくてはならない」という強迫観念から解放されたい!

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まず村松さんが取りかかったのは「考える」「考えなくていい」を紙に書き分けること。「考える」のは会計、領収明細の作成、サイトチェックなど鍼灸院の仕事。一方、鍼灸院の仕事であっても、予約確認、治療着の洗濯やアイロン、掃除は「考えなくていい」に分類。家事やペットの世話も「考えなくていい」。

また、接客の合間にちょこちょこと手をつけていた、会計や領収明細の作成などの「考える」事務仕事は、月に1度、25日にまとめてすることに決めた。

「分けてみるまでは、常に時間に追われて、あれもこれも“しなければならない”モード。アイロンがけすらも大変なことだと思っていましたから。でも、これはボーッと頭を使わなくていいんだと知ったのはスゴイ発見。アイロンと掃除はスイッチの“S”マークをつけて、仕事に集中するための切り替えスイッチに使うことにしました」と村松さん。

■時間の使い方に、おのずと変化が現れた

アドバイスに従って思考するようになってからは、時間の使い方が変化し、まとめてやると決めた会計の入力も、その日のうちに終わらせることができるようになったという。「25日に行う予定だった事務処理は、結果的に処理後の作業のみとなり、これまでのようにバタバタとあわてることもなくなりました」

余裕ができて考える時間が増えたおかげか、2度手間になっていた処理も簡素化。仕事がたまっても、翌朝1時間早く起きて、繰り上げて作業をすれば、滞りもなくなった。

「どれもちょっとしたことですが、私には大きな思考革命。仕事を先送りしなくなったことで、自分の時間が増えたのも、うれしい収穫です」

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1.まずは「考える」「考えなくていい」を紙に打ち出して見える化。2.パソコン上の会計仕事は月に1度、まとめてすることに。3.ふだんの仕事は、お客さまの施術が中心。合間に事務仕事や家事などをする。4.治療着の洗濯とアイロンがけは、毎日の日課。朝のボーッとする時間にあてている。

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▼こうすればやめられる!
LiB 代表取締役CEO 松本洋介さんのアドバイス
1:「考える」「考えなくていい」に分ける
仕事には自分の考えを反映するものと、そうでない作業的なものがあります。この2つを分別し、それぞれに適した時間をあてます。
2:切り替えスイッチとして利用する
集中できないときも、頭を使わない仕事で黙々と手を動かしていると、徐々にスイッチが入り、仕事モードに切り替わります。
3:一気にまとめてやる
細切れにやるよりも「自分は短期集中型」と割り切って、決まった時間に一気にやりきるほうが、かえって効率がよいことも。

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(フリーライター 池田 純子 撮影=鈴木江実子、藤井泰宏)