『スポーツ・ソウル』の独占インタビューに応じたキム・ウンジョン

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【ニュース提供=スポーツ・ソウル】女子カーリング韓国のスキップを務めるキム・ウンジョンは、平昌五輪を輝かせた最高のスターの一人だ。

2月25日に大会が成功裏に幕を下ろしてから半月あまりが過ぎたが、依然としてキム・ウンジョンは、体が10個あっても足りないほど、忙しいスケジュールをこなしている。

キム・ウンジョンは、競技中に丸い黒縁眼鏡をかけ、鋭い目つきで冷静な判断を下し、繊細な投球と恐ろしい集中力、チームを一心同体のようにまとめるリーダーシップを発揮し、“メガネ先輩”という愛称で呼ばれた。

競技場の外では、“天上の女子”に変身して、人々から大きな愛を受けた。国民的な人気を実感させるように、各種テレビ番組や広告、イベントのオファーが絶えない。

キム・ウンジョンの価値は3月9日、平昌オリンピックスタジアムで開かれた平昌パラリンピックの開会式でも示された。

車いすカーリング代表のスキップを務めるソ・スンソクとともに聖火の最終点火者として登場。最高のスター選手たちのものであると思い込んでいた聖火台の前に自分が立つことになるとは、夢にも思わなかった。

『スポーツ・ソウル』が1万号の発刊を控えてキム・ウンジョンと会ったのは、パラリンピック開会式を一週間後に控えた3月2日だった。

この日、慶北体育高校でメディアデーと地域団体とのミーティングで忙しい一日を送ったキム・ウンジョンは、午後6時が過ぎてから慶北体育会の近くにあるカフェに現れ、インタビューに応じた。

メガネを外して1万号記念ケーキの前で明るく笑ったキム・ウンジョンと、平昌五輪の裏話をはじめ、スキップとしての人生、第2の人生などをテーマに、虚心坦懐に話した。

【画像】メガネを外した“メガネ先輩”が超かわいい!! 韓国カーリング女子キム・ウンジョンのSNSがスゴい!!

日本戦のうれし涙を思い出し…

すでに伝えられている通り、キム・ウンジョンをはじめ女子代表“チーム・キム”の選手たちは、平昌五輪期間、自主的に携帯電話を使わなかった。世間と断絶し、ひたすらストーンにだけ集中するためだった。

“メガネ先輩”や“ヨンミ〜!!”など“チーム・キム”が起こしたカーリング・シンドロームをまったく感じることができなかった。

試合を重ねるほど、江陵カーリングセンターに観客が増え、自分たちに向けられた応援メッセージが書かれたうちわが増えていくのを見ていたが、「ただ大会の熱気がだんだん高まっているよう気がしたぐらいだった」という。


『スポーツ・ソウル』の独占インタビューに応じたキム・ウンジョン


キム・ウンジョンは、「後になって、私たちの競技の応援がすごかったということを知った。一部のマンションでは棟全体が揺れたという話も聞いた」と、にっこり笑った。

そして、「ふと幼い頃に見た2002年の韓日ワールドカップが思い出された。当時、一つひとつのゴールにみんなが一つになって喜べたことが不思議だった。ずっと胸に残った。そこまでではないだろうが、私たちのショット一つひとつがそんな感覚を与えることができたということに感謝した。神様がくれた贈り物みたいだった」と話した。


準決勝の日本戦後に涙を流すキム・ウンジョン


また、準決勝の日本戦でドローショットで勝負を決めた後にうれし涙を流したことを思い出し、「私だけでなく、多くの人々が泣いたと聞いた。みんなの願いが込められたショットとして記憶されるだろう」と振り返った。

日本戦にも影響した宿舎の張り紙

女子カーリング・シンドロームは、社会的な現象ともいえる。

最近は、日に日に世論の分裂と理念的な対立が大きくなっている。平昌五輪の一部種目で“いじめ騒動”など、チームワークをめぐる雑音に人々の疲労感は強くなった。

幼い頃から同じ釜の飯を食べ、並々ならぬ“チームスピリット”を発揮し、銀メダル神話を作った女子代表に拍手が送られるもう一つの理由だ。

しかし、“チーム”の中心にならなければならないスキップの人生は孤独だ。

主将としてチームを牽引して結束させる中心としての役割は基本業務だ。試合中は、様々な作戦について最終的な判断を下さなければならない。勝負を決めるショットは、すべてスキップの役目だ。

現役時代にスキップを経験した女子代表のキム・ミンジョン監督は、「先だったミスは大きく目立たないが、スキップのショットは勝敗と直結する場合が多い。事実上、スキップにすべてがかかっている。また、試合中は監督が外にあるため、スキップが試合の進行やアイス、戦術などをすべて読まなければならない」と語った。


準決勝の日本戦でストーンを投げるキム・ウンジョン


キム・ウンジョンは、「日本戦も、序盤にうまくいったが、最後のショットが揺れて延長まで行った。幸い、延長の最後のショットが決まったが…」と照れながら、「プレッシャーが強かったことは間違いない。“同じドローショットなのに、ほかの選手は簡単にボタンに入れるのに、どうして私はこんなにできないの?”と悩んだことも多い」と打ち明けた。

平昌五輪期間中は、自らA4用紙に「私が完璧なショットをして、完璧な試合に導く」と書いて宿舎の扉などに掲げた。

キム・ウンジョンは、「見方によっては、すべて私がするというように見えるが、ただ自分を制御するためのものだった。どんな状況であっても、道がないわけではない。良い状況ではなくても私が無条件に解決しようと決意したのだが、実際に試合でプランBをすぐに考え着くのに役立った」と話した。

“メガネ先輩”の誕生秘話

「実際、性格が“女子っぽい”とはよく言われる。細々としたかわいいものが好きだ。ただ、運動するときは、私の役割は責任感を見せなければならなくて…」

4年前、ソチ五輪の代表選抜戦で脱落した後、キム・ウンジョンは非常につらかった。チームをしっかりリードできなかったという自責感のためだった。

冷徹でどっしりと構えるべきスキップのポジションが、自分には合わないと思った。精神的な治療まで受けなければならないほどだった。

しかし、その中で答えを見つけた。

キム・ウンジョンは、「心が弱かったからカーリングと合わないと思ったし、ミスショットもそこから生まれていると思った。私の性格を大きく変えなければならないと思った。ところが、(大邱大学のキム・ソンボム教授から)“ウンジョンさんは本当に女性らしいものが好きだ。それを排除し、無視するほど、力を発揮しにくい。休むときは、かわいらしく飾って、やりたいことを思う存分しなさい”とアドバイスを受けた。その後は、私らしく趣味を楽しんで生活し、自分自身を愛する方法を身につけた。自尊心が強まり、カーリングもスランプから抜け出した」と語った。


競技中のキム・ウンジョン


キム・ミンジョン監督は、「過去にある大会で、相手選手が試合中、初めて会ったウンジョンに無礼なことを言ったことがあったが、ウンジョンはじっとしていた。そのぐらい優しくて消極的だから、チームをうまく引っ張っていくことができるか心配したが、後になると自分のスタイルでチームをリードした」と話した。

また、「競技場の外では限りなくお姉さんと妹としてチームメイトに接するが、試合中は恐ろしいほど冷徹になる。その原動力の一つが、メガネをかけたまま表情を変えず、感情を表に出さないこと」と説明した。

“メガネ先輩”のイメージは、偶然作られたものではなかった。

「ハンサムなアイスメーカーと…」結婚を妄想

料理をしたり、インテリアに関する情報を探したりするキム・ウンジョンの“女性らしい趣味”はよく知られている。

その他にも、時々頭をクールダウンする趣味がある。陶芸だ。

キム・ウンジョンは、「時間が空くたびに陶磁器を作っている。2〜3時間かけて一つずつ作るが、長時間の集中力を必要とするカーリングに、それなりに役立っている」と語った。

最近は、ドライフラワー作り、料理の盛り付けにも関心を持っている。キム・ウンジョンは、化粧が苦手なキム・ミンジョン監督のメイクアップをしたりもする。

キム・ミンジョン監督は男子ミックスダブル代表のチャン・バンソク監督と“カーリング夫婦”だが、キム・ミンジョンはカーリング選手と結婚したい思ったことはないという。

キム・ミンジョンは、「韓国の選手層がまだ薄いからか、カーリングをする男性と結婚したいとは強く思ったことはない」とした。

キム―チャン監督夫婦は、「慶北体育会カーリング選手同士が夫婦になったら、洗濯機や冷蔵庫をプレゼントする」と約束したことがある。

その度にキム・ウンジョンは、「家族同士でそうしちゃ駄目だ」と答えた。キム・ウンジョンは、「幼い頃から一緒に運動してきたからか、兄や弟のように接している。選手同士で結婚したからといって、カーリングが急に発展するわけでもないし…」と話した。

一つ、想像の中の話はした。「童話のような話だが、ハンサムなアイスメーカーが良い氷を作ってくれて、私がそこでカーリングをするのはどうかと考えたことはある」と照れくさそうに笑った後、すぐに「夢から覚めて、ただ運動だけを一生懸命する」と口をぎゅっと結んだ。

キム・ウンジョンは、「五輪で活躍することが新年の願いだった。今年は、私たちだけでなく、カーリングに携わるすべて人たちが幸せに運動をする環境が作られるとうれしい」と語った。

1万号記念のサインを書くときも、キム・ウンジョンは、「これからもカーリングの記事をたくさん書いてください」という言葉を忘れなかった。


キム・ウンジョンが書いた『スポーツ・ソウル』1万号記念サイン。「これからもカーリングの記事をたくさん書いてください!!」のメッセージも


(構成=李 仁守)