2018-0313
自衛隊による活動の一つに、海外における国際平和協力活動がある。国際平和の維持を主目的とし、他国との関係無くしては状態の維持すら難しいほどに密接な関係を有するようになった国際社会においては、これもまた日本そのものの平和と繁栄に貢献する活動に違いない。一方でその行為については賛否両論がなされているのも事実である。今回は内閣府が2018年3月12日付で発表した自衛隊・防衛問題に関する定期世論調査から、自衛隊の海外での活動に対する評価について確認していくことにする(【自衛隊・防衛問題に関する世論調査(平成30年1月調査)】)。
今調査に関する調査要項は先行記事【自衛隊への好印象度89.8%(最新)】を参照のこと。

自衛隊における海外の活動とは「国際平和協力活動」を意味する。これは【国際平和協力本部事務局】の区分によると、「国連平和維持活動(United Nations Peacekeeping Operations、国連PKO))」の他に「人道的な国際救援活動」「国際的な選挙監視活動」などが該当する。


↑ 国際平和協力業務の仕組み。公式ページより抜粋

これらの活動に対し、どの程度の評価をしているのかについて、肯定的評価「大いに評価」「ある程度評価」と否定的評価「あまり評価せず」「全く評価せず」合わせて4段階、加えて「分からない」の選択肢から選んでもらったところ、「大いに評価」「ある程度評価」の肯定的評価派は87.3%に達した。逆に否定的評価派は7.3%に留まる結果となった。

↑ 自衛隊の海外での活動に対する評価(2018年)
↑ 自衛隊の海外での活動に対する評価(2018年)

女性や高齢層・若年層で「分からない」の回答率が高いのは、今件の調査結果における各調査項目で似たような傾向を示している状況同様に、「判断に至るだけの情報・知識を習得していない」ことによる選択の可能性が高い。啓蒙不足による結果と解釈できる。あるいはその属性では、元々興味が無い人が多いのも要因かもしれない。

興味深いのは「大いに評価」の値。40代がもっとも多く、それ以降は年齢とともに漸減する傾向にある。「ある程度評価」の値は年齢階層による大きな変化は見受けられないことから、単純に年上になるに連れて、国際平和協力業務などの自衛隊による海外での活動を「強く」肯定できる人が減っていることを意味する。自衛隊の海外活動に関しては単純に評価する・しないでは割り切れない、さまざまな想いが錯綜しているものと考えられる。

もっともこれらの違いは、多くて10%ポイント内外の違いでしか無く、総論としては「賛成派は圧倒的多数」との事実を呈することができる。

一方で国際平和協力活動の内容・規模については現状維持派が多数であり、より積極的な参加とまでは考えていないようだ。しかも次第に現状維持派はますます増えつつある。

↑ 国際平和協力活動への取り組み
↑ 国際平和協力活動への取り組み

今調査項目は2012年以降のもので、現時点で3回分しかデータが無い。その限りでは確実に現状維持派が増え、積極派が減少、縮小・否定派はほぼ同率の動きを示している。

もっとも例えば直近分の属性別動向を見ると、若年層では積極派が多く、年上になるに連れて縮小・否定派と「分からない」が増えているのが実情。18-29歳では積極派は3割を超えている。

↑ 国際平和協力活動への取り組み(2018年)
↑ 国際平和協力活動への取り組み(2018年)

全体としての現状維持派の増加は、年齢階層による思惑の違いも多少は影響しているのだろう。

他方、他調査項目では自衛隊への期待に関し、日本国内、あるいは周辺環境での責務への期待が寄せられていることが明らかにされており、国際平和協力活動の意義や必要性には肯定的であっても、「まずは日本国内の事案対応をより充実すべき」との考えが強まっているのかもしれない。