〈流行るお店はココが違う!〉美味しさの秘密はマニア度の高さ!敏腕マーケターが教えるニッチな名店

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薬膳鍋に、焼肉も。マニアックな店主だからこそ実現できた料理の数々がここに! 他店にはマネできない情熱の注ぎ方を、敏腕マーケターが解説してくれました。

【流行るお店はココが違う!】


行列のできるお店や予約の取れないお店がある一方で、美味しくても、オシャレでも、なぜかいまいちと感じてしまうお店がある。味や見た目だけではない、人気店ならではの流行る理由とは?

レストラン選びで賢い選択をするために、流行るお店を探し続けるマーケターの舟本 恵氏に、人気店ならではの特徴を教えてもらいましょう!

vol.4「○○マニア」が作り出す“流行るお店”とは(前編)


「好きこそものの上手なれ」という諺(ことわざ)があります。「どんなことであっても、人は好きなことに対して熱心に取り組むので、自然と上達する」ということを意味します。そして、「好き」が進化した時、その人は時に「○○マニア」、「○○狂」、「○○バカ」と呼ばれ、特定の事柄に熱狂的な情熱を注ぐことで、誰にも模倣できない知識や技術を習得します。

飲食店においても、特定のジャンルに熱狂的に情熱を注ぎ、誰にも模倣できないお料理を提供することで、消費者から高い評価を得ているお店があります。また、こういうお店では、厳選した食材で作る美味しいお料理が頂けるだけでなく、「○○マニア」なオーナー、店主との会話も、大きな楽しみの一つとなります。

前編では、“薬膳マニア”と“お肉マニア”の2人のオーナーをご紹介したいと思います。


Check point! 流行るお店の“ココ”が違う



Case 1「ロータスポット」 大阪・西天満


薬膳マニアの栄養たっぷり鍋!


食物にはそれぞれ特性があります。例えば身体を温める食材や、血液を増やす食材などです。それらの食材の特性を組み合わせ、より効果的に、体質に合わせて調理した料理のことを「薬膳」と言います。

京阪電車中之島線「大江橋駅」から5分ほど歩いたところに、薬膳鍋の専門店「ロータスポット」はあります。お料理は「季節のお鍋コース」のみで1人前5,000円(税別)です。

季節の前菜

最初に出てくるのが「季節の前菜」。日によって内容は変わりますが、写真は「3種の潤いナムル」。左からちぢみほうれん草、金時人参、レンコン。それぞれ、腸、お肌、喉に潤いを与える効果が期待できます。この前菜は、ご自宅でも作って頂けるようにと、身近な食材で作られており、作り方はオーナーから事細かく教えてもらえます。

丸鶏スープ

ロータスポットのお鍋は、旨みがぎゅっと詰まった丸鶏のスープをベースに、日本人の体質に合わせた生薬がたっぷりと使われています。例えば、写真の赤い大きな実は「なつめ」。疲れやすい時や、貧血時などに適しています。胃腸の調子も整えてくれ、栄養価も高い食材です。

お鍋には、種類豊富なキノコ類を中心に、多くの旬の食材が入り、様々な効能をもたらしてくれます。旨みの詰まったやさしい味に、心身ともに癒やされます。

“薬膳マニア”なオーナー、小松さん。彼女と薬膳との出会いは出産時に遡ります。その昔、ジャンクフードの食べ過ぎで、お子さんが生まれた時、母乳を拒否されてしまいます。お医者さんに調べてもらうと、母乳に脂が浮いていたようです。そこから食生活を改善、食養生の実践を通じ、4ヵ月後には完全母乳に。小松さんご自身も体調が劇的に改善したそうです。

その後、ご主人のお仕事の関係で香港に移住。食養生に目覚めていた小松さんは、食養生文化が深く根付いた香港の地で、漢方薬の勉強にのめり込みます。帰国後、中国の薬膳の国家資格を取得、薬膳の講師にもなり、薬膳の専門店を開店することとなります。食材の買い付けは、香港を中心に、奈良や北海道へも足を延ばします。ここでも、食材に対する高いマニア度合がうかがえます。

「季節のお鍋コース」の〆には、雑穀と混ぜて炊いた玄米の“おじや”が付き、お腹も大満足。小松さんの尽きることのない薬膳トークも、食事を美味しくしてくれます。

 


Case 2「焼肉・ホルモンバル Bovin(ボバン)」 兵庫・三宮


お肉のマニアック話とともにいただく、新鮮ホルモン&ジビエ!


JR三ノ宮駅から徒歩6分、三宮の繁華街「東門街(ひがしもんがい)」にワインと和牛とジビエのお店「ボバン」があります。

オーナーの宮本さんは“お肉マニア”です。カウンター越しに繰り広げられる“お肉話”は尽きることがありません。

宮本さんは、昼間は三田牛で知られる、三田にある食肉センターに勤務しています。そのため「ボバン」では、その日にと畜された新鮮なホルモンが味わえるのです。美味しいホルモンを探している方に、ぜひオススメしたいお店です。

しかも、宮本さんは、認定ソムリエの資格を持ちながら、狩猟免許、わな猟免許を持ち、猟師として自らジビエを獲りに行っています。オーナーがその日に捌いた新鮮でおいしいホルモンだけでなく、オーナーが獲った臭みのない新鮮なジビエと、オーナーソムリエ厳選のワインも楽しめる、超ニッチなお店です。

ホルモン3種盛り(赤セン、シマチョウ、ハツコリ)1,080円(税別)

最初に紹介するのは「ホルモン3種盛り」です。15種類あるホルモンメニューの中から、好きな3種類を選ぶことができます。写真は左から赤セン、シマチョウ、ハツコリ。フレッシュで臭みがなく、甘みが口の中に広がります。実は、オーナーの宮本さんはホルモンが苦手で、「ホルモンが苦手な人でも食べられる、美味しいホルモン」を目指しています。

お肉につけるのは、わさび、醤油ダレ、味噌ダレに加え、タスマニア産の粒マスタード、トリュフ塩、特製の泡醤油など、それぞれのお肉に適したものを選びます。ここでも、宮本さんのアドバイスが光ります。

左から赤身1,280円(税別)、ロース1,280円(税別)

和牛ハラミ1,280円(税別)。すりおろしニンニクなしの注文も可能

ホルモンだけでなく、赤身のお肉も充実。特に、すりおろしニンニクがたっぷり塗られた「和牛ハラミ」は、ニンニクによってハラミの甘みが増加、旨みが口の中に広がります(※)。宮本さんが厳選したワインとの相性も完璧です。

本日のジビエ(鹿肉)900円(税別)。肉の種類は日によって異なる

そして、本日のジビエは「鹿」。宮本さんが2日前に獲り、熟成させたものです。臭みは全くなく、濃厚な甘みを味わうことができます。

 

「○○マニア」との会話がお料理を一層美味しく引き立ててくれる


今回は、「○○マニア」が切り盛りするお店を2店舗紹介しました。それぞれのオーナーは、誰にも模倣できない、美味しいお料理を提供していることに加え、その魅力を、うんちくを交え、嬉しそうに語ってくれます。お料理の背景にある、注ぎ込まれる熱い情熱は、お料理を一層美味しく引き立ててくれます。皆さまも「○○マニア」なオーナーや店主を探してみては如何でしょうか。