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●ミートアップの目的

2017年11月、Firefox 57、別名Quantumがリリースされた。飛躍的なパフォーマンスの向上が図られた。その一方で、旧来のアドオンのサポートが停止された。新しいアドオンは、WebExtensions APIを介して動作する(従来は、XUL拡張)。そんな状況で、スタートしたのが、Tokyo WebExtensions Meetup #1である。

○ミートアップの目的

まず、今回のミートアップの流れについて、Daisuke氏が紹介した。

今回も含めTokyo WebExtensions Meetupの目的について紹介した。

いくつかあるが、まずは開発者の交流を深めたいというのが、第一であったように感じられた。次いで、Mozillaから、今後のFirefoxの方向性などが簡単に紹介された。

Brian氏によると、Mozillaではアドオンの開発に傾注するとのことだ。その一環として新しい開発ツールの提供や互換性の問題の減少を目指す。Firefoxの大きな特徴に高いカスタマイズ性がある。そのため、アドオンなどの開発者の環境も改善をしたいとのことだ。そのためには、新しいAPIの追加なども予定している。アドオンを作ったことのないWeb開発者にも、アドオンの開発が可能なようにサポートする予定である。ちなみにAMOに登録されているアドオンの2割が、WebExtensionsのAPIを使用していない。CSS、HTML、JavaScriptだけである。つまり、Web開発さえできれば、アドオンの開発も可能になるのだ。Mozillaとしても、こうしたことに積極的に取り組んでいくとのことである。

その後、全員の自己紹介が行われ、カナダ在住のKohei氏から、拡張機能の現状把握が行われた。

主に、

WebExtensionsへ移行の理由

新しいアドオンの数、スタッフやボランティア

Firefox 58以降の新機能

AMOの最新動向

などが語られた。

●拡張機能の問題点・要望議論

○拡張機能の問題点・要望議論

いよいよ、本日のメインとなる拡張機能の問題点と要望議論についてとなった。司会進行は、Piro氏が行った。

テーマによっては、かなり細かな部分もあり、雰囲気のみのレポートとさせていただきたい。Piro氏から、開発ツールや環境、さらに開発方法などについて、実際に便利かやりやすいか、ベストプラクティスになりうるか、といったことがざっくばらんに出席者と語られていた。その議論の土台となったのが、図6である。

これは今後も使われる可能性もあるので、公開されている(内容も、適宜、変更される可能性があるので注意いただきたい)。興味があれば、ぜひご覧いただきたい。

途中、懇親会もスタートし、さらにゆるい雰囲気で議論が進んだ。そのいくつかを紹介しよう。

採用されやすいAPI

Bugzillaにアップしたことある

日本語・英語以外のロケールの対応

機能拡張や追加仕様の要求があったら

英語でのコミュニケーション

APIであるが、やはりXUL拡張からの移行を考えると、実装されていないAPIが多い。これは、参加者の多くが語っていた。そこで、APIの追加を依頼することになる(Bugzillaなどが使われる)。Piro氏によれば、従来のXUL拡張の機能を1対1で対応するようなAPIは、採用されないことが多い。逆に採用されやすいAPIは、ある程度、抽象化されたものが多かったとのことだ。さらに、Webの開発者がこういうAPIがあると使いやすいといった提案をしたほうが、採用されやすいだろうとも語っていた。他の参加者からも、トリアージュされた経験などが報告された。

英語のコミュニケーションであるが、これも関心を集めた。Bugzillaでの提案だけならば、日本語でも不可能ではない。しかし、実際に採用され、実装までの流れのなかでは、本社スタッフとやりとりを重ねる必要がある。そこで、英語が必要になる。多くの日本人にとって大きな壁になる可能性がある。しかし、高校生の英語で十分であるとの指摘があった。逆にGoogle翻訳などで、こなれた英語にしてしまうと、英語力があると判断され、容赦のないメッセージが送られることがあるとのことだ。ちなみに、三単現の「s」を忘れるような、ネイティブが絶対しないような文法ミスがあっても、問題ないとのことだ。英語力がないことを理解して、それなりの対応をしてくれるとのことである。こういった不安や体験なども、リアルに話し合うことができていた。開発だけでなく、環境的な部分での負荷についても語り合う機会だったといえるだろう。

○今後の予定

最後に今後の予定などが紹介された。Daisuke氏によれば、できれば3か月に1度くらいのペースでやっていきたいとのことであった。また、取り上げるテーマについても、要望があれば、できるだけ応えていきたいとのことだ。当日、図7のような候補が紹介された。

●ミートアップに参加するには

○ミートアップに参加するには

当日のミートアップであるが、終始、ゆるい雰囲気で進んでいった。当初、懇親会は21時からの予定であったが、ピザが届く20時半にスタートとなり、歓談も含めながら、ミートアップが進行した。このあたりは、かつてのMozillaイベントと変わらず、本当に楽しく参加できた。アドオンの開発を始めるユーザーでも積極的に参加してほしい。もしくは、アドオンを作っている人に会いたい、話したいといったことも、参加の理由に十分なるであろう。

肝心の参加の方法であるが、Japanese Mozilla Community Slack内の#extdevチャンネルをチェックするとよい。

現状、開発のための情報交換やサポートがメインであるが、ミートアップなどの情報もこちらにアップされるので、参加希望の方は要チェックであろう。さらに、Twitterでも、同じようなメッセージが交換されている。イベント開催だけならば、Dorekeeperから確認できる。

まだ、確定情報ではないが、次回のTokyo WebExtensions Meetupであるが、Firefox 60リリース後の5月半ばを予定しているとのことだ。Firefox 60では、ESR版もリリースされ、1年間、機能が固定される。固定されれば、当然のことだが開発がやりやすくなる。ちょうど節目になるので、このタイミングで何かをやってみたいとのことだ。

冒頭にもふれたように、いよいよMozilla Japanコミュニティの活動が再開されたという感じである。何よりもこの点は評価したいと思う。これまでのFirefoxがそうであったように、コミュニティの存在が、Firefoxの発展に寄与していた部分は非常に大きい。今後に期待したいものである。