ブラック歯医者はどう見抜く?(写真/アフロ)

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 近年、歯科医のトラブルが増えている。どんなポイントで信頼できる歯医者か否かを見極めたらよいのだろうか? サイトウ歯科医院の斎藤正人院長はこう語る。

「問診時間をしっかり取り、患者の話や疑問をじっくり聞く歯科医は信頼できます。逆に、問診が短い歯科医には注意が必要です。1人でも多くの患者を獲得することばかりに気が回り、肝心の患者の状態に気を配っていない可能性が高いです。問診時間は最低でも50分程度は割いてほしいところです。1つの目安にするといいでしょう。

 また、歯科医の数に比べて歯科衛生士や歯科助手の人数が多い診療所は、人件費を抑えてできるだけ多くの患者を受け入れようとしている可能性が高いですし、問診を歯科衛生士に任せている診療所もお勧めできません。本来は、どんな時でも歯科衛生士に任せきりにせず、歯科医が実際に患者の歯を診るべきだと思います」

 歯科助手は患者の口腔ケアができないのに対し、国家資格である歯科衛生士は、医師の指導の下であれば、歯石の除去や虫歯に関する保健指導などを直接行うことができる。

 しかし、歯科治療の現場では、歯科衛生士が行ってはいけない採血や薬剤の投与を行うケースなども発生しており、権限のあいまいさが問題となっている。歯の健康のためにと、定期健診や歯科ドックを頻繁に勧める歯科医も疑った方がよさそうだ。

「健康診断と同じで、歯も年1〜2回の定期健診で充分です。月に1回健診を行っても、ほとんど意味がありません。不必要に健診や歯科ドックを勧めてくる歯科医は、点数稼ぎを目的としている可能性が高く、要注意です。こうした指導を受けたら、きっぱり断りましょう」(斎藤院長)

 また、こんな見極めポイントも。

◆抜歯を強く勧められる

「レントゲン画像だけを根拠に、やたらと抜歯を勧める歯科医は信用できません。レントゲンは貴重な資料ですが、筋肉の炎症など写らないものも多くあります。レントゲンを見て歯が割れていたり、ヒビが入っていても、抜かなくていいことも多々あります。それなのに、『この歯はいずれダメになるから』と言って抜かなくていい歯まで抜く歯科医が多すぎるのです。

 また、正確な虫歯の箇所をわかっていないひどい歯科医もいます。位置がわからないので、虫歯ではない隣の歯まで削ってしまい、患者には『虫歯が他に見つかったので削っておきました』と言って納得させる。一度削った歯は二度と戻らないのに」(斎藤院長)

 患者に与えるメンタル面でのケアができるかどうかもきちんとした歯医者か否かを見極めるポイントとなる。

「ヒビが入ったり、割れた歯を放置して重大な病になることはあり得ません。保険点数を稼ぐため、脅しに近い形で抜歯を勧めるケースもある。患者に希望を持たせるのが私たちの仕事。驚かせたり過度に不安をあおるような歯科医は論外です。経営状態が苦しい閉塞的な状況に長くいると、正しい判断ができなくなるのでしょう」(斎藤院長)

 日本の多くの歯科医は、歯周病やインプラントなど各分野の学会に認定医として認められることで、得意分野を明確化している。斎藤院長が説明する。

「基本的には、認定医だから安心ということはありません。もちろん、強い意志を持って認定医として頑張っている歯科医もたくさんいますが、お金と時間をかけて講習を受ければ、認定医の肩書を誰でも得られる学会もあります。そのため、名ばかりの認定医が輩出されてしまう現状もあります」

 また、子供にとって居心地のいい診療所は、どこを見ればわかるのか。小児歯科に詳しい、橘こども歯科医院の鈴木さち代歯科医師が説明する。

「例えば小児歯科の診療所を訪れた際、3〜4才の子の身長である高さ1mほどの位置に、危険な物が置かれていないか、家具や物の配置に気が配られているかなども判断材料です。歯科医の子供への対応としては、子供の目線まで腰を落として話してくれるか、子供に『痛かったら手を挙げてね』と伝えるなど、子供の意思が尊重されているかなどをチェックするといいと思います。

 母親への対応としては、時間をかけて生活習慣も含めた治療方針を説明してくれるか、複数の診断法や治療法を提示してくれるかなどを見るといいでしょう。

 2才くらいの小さな子供に、痛みがあるのに麻酔をせずに治療を行う歯科医も多く見かけます。大人でも耐えられないのに、かわいそうですよね。小さい時のこうした経験によって、歯科治療が苦手になる人は多いと思います」

※女性セブン2018年3月22日号