今回のビジネス女子マナーは、IT関連会社勤務の東野じゅんさん(仮名・34歳)からの相談です。

「密に片思いしている同僚男性がいます。仲が悪いわけではないのですが、それほど会話する関係でもなく、彼のSNSをチェックして、ひとり恋心を温めていたというか……満足していたんです。でも先日、久しぶりに同期の飲み会があって、少し話すことができたんです。そのときに、うっかりSNSで読んだ情報をぺらっと言ってしまい……。“なんでそんなこと知ってるの?もしかしてSNSとか見てる?”って言われてしまって……。それを聞いていた周りの子たちからも、“なに?〇〇(彼の名前)のストーカーなの?”とからかわれる始末。私はもともと面白いことを言えるタイプじゃないので、言葉に詰まってしまって、ますます怪しい雰囲気になってしまいました。せっかく楽しく話していたのに、雰囲気が悪くなり、彼も黙っちゃって……。さりげなく席を移動されてしまいました。ストーカーと思われたんだと思います……。今、かなり落ち込んでいます。どうしたら信頼を取り戻せますか?」

鈴木真理子さんに聞いてみましょう。

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SNSをチェックしているからといってストーカー扱いはおかしい

好きな相手に、ストーカーと思われたらショックですよね。でも相談者さんは、「そう思われたみたい」なのですよね。落ち込むには早いです。そもそも仲間ののSNSをチェックしている、イコール ストーカーという発想っておかしいですよね。むしろ、好意を持たれているのでは、と思うほうが自然ではないでしょうか。今回は相談者さんが反論したり、冗談で返せなかったことが残念だった、というだけ。もし、冗談めかして、「そうなのよ〜、気になっちゃって。〇〇くんのこと、好きなのかも!」なんて言えたのなら、その場を乗り切れたかもしれません。

とはいえ、相談者さんは真面目な性格のよう。誰でも、ノリよく切り返せるわけではありませんよね。ストーカー扱いされたかどうかは別として、彼が席を立ったということからみて、相手が重く感じてしまったことは事実でしょう。でも、オドオドすればするほど、相手が優位に立つシチュエーションが出来上がってしまいます。堂々としていましょうよ。

そもそもみんなのSNSを見てるんだ、というスタンスで、「普通」にしていましょう。プライベートな感情を職場に持ち込んで仕事が滞るようであれば、それこそ会社員として失格です。また、勤務時間中にSNSを触ったり見たりするのは、業務に関係ある場合を除き、してはいけないことです。お昼休み時間でも、「勤務時間中に見ている」と非難されたり上司に報告する人もいて、注意を受けたという人も少なくありません。その点は十分気を付けてください。

アプローチや告白は、いったんお休み

自分に興味や好意を持ってくれた女性がいたら、自分がその相手をどう思っているか関係なく、それほど悪い気はしないものです。ただ、自分にはその気がないのに一方的に猛プッシュされたら、勘弁してよ、ってなるのは当然。なので、彼とはしばらくは距離を置いて、仕事以外の話はがまんしたらどうでしょうか。

なぜなら、飲み会の席であなたが彼のSNSをチェックしていることがバレたときに「空気が重たくなった」ということは、その彼はあなたに対して仕事の同僚以上の好意をもっていない可能性が高いからです。もし相手もまんざらでもない、という気持ちであれば、そのSNSチェック話をきっかけに、楽しく盛り上がることもできたはず。そう考えると、現状では積極的なアプローチをしても残念な結果に終わりそうです。

ひとまず目で追ってみたり、席のそばにいって話しかけたりという、好きのサインを出すのはひと休みさせましょう。しつこいと思われるのは心外ですよね。あなたのことが気になって、むこうから話しかけてもらうまで、がまんしてみてください。

その分、仕事に集中して成果を出したり、上司から褒められちゃいましょう。そうすれば、彼は自意識過剰かもと思い、あなたのストーカー疑惑も消えるのでは。そして、あなたが仕事で活躍し、キラキラしているシーンを見れば、少しずつあなたのことが「いい意味で」気になってくるということもありそうです。

ハンターのように追っかけるより、向こうから追いかけさせる……。成功を祈っています!

社内恋愛が仕事のモチベーションにつながるならアリですが、トラブルの素となって、仕事が滞るようでは、社会人失格です。



■賢人のまとめ
「そう思われたみたい」で落ち込むのは早いです。そもそもSNSでみんなのことをチェックしている、というスタンスで言い張りましょう。しかし、一方的に猛プッシュされたら勘弁してよ、となるのは当然。こちらからのアクションは一休み。向こうから気になって話しかけてもらうまで、がまんしてみてください。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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