女性が向かった先は、藤井市長の部屋

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 男と女の情事に食傷気味のニッポンでも、そこに我らの血税が絡むとなれば、話は別だろう。琵琶湖のほとりにある城下町の市長選。「ポスト安倍」の一人・岸田文雄前外相を応援演説に呼び込むほどの「大物市長」には、有権者には決して言えない秘め事があった。

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 近江の国、今の滋賀県長浜市は、あの豊臣秀吉が名付け親となった城下町である。織田信長の一家臣だった秀吉が、武将として頭角を現し、初めて「一国一城」の主となったのが長浜城なのだ。今でも「出世城」として名高い旧跡を擁するこの街で、新たな「城主」が人妻との情事に溺れていた。

 2月25日に投開票があった長浜市長選挙で、自民・公明・民進の3党からの推薦を受けて3選を果たした藤井勇治氏(68)。昨年12月末に現職として立候補を表明した彼は、本誌(「週刊新潮」)が確認しただけでも、選挙告示を控えた1月31日から2月13日までの約2週間、計4回にも亘って、女優の木村多江を彷彿とさせる40代の美女と逢瀬を重ねていたのだ。

女性が向かった先は、藤井市長の部屋

 掲載の写真は、まさに市長が住むマンションの部屋へと、その女性が夜陰に紛れて入る瞬間を捉えたもの。不自然なのはこの彼女、建物内にもかかわらず、廊下を歩く際やエレベーターを乗り降りする時も、常に目深にフードを被って顔を隠す。選挙前であることを意識してか周囲への警戒を怠らない。そんな危険を顧みず、藤井市長が夜に帰宅すると、時をおかずに部屋をノック。帰るのは決まって早朝というこの女性はいったい何者なのか。

藤井市長

 地元商工会関係者が言う。

「彼女は夫と3人の子どもを持つ人妻ですよ。旦那が経営する地元の食品系老舗企業の元役員で、現在は市の一等地に建つ飲食店の幹部スタッフです。この飲食店が入る複合施設は、市長の肝煎りで昨年7月にオープンしたんですけどね。長浜市が1400万円を出資し、最大株主となって2億円を貸し付けている第3セクター企業が運営しているんですが、その直営店の責任者として抜擢されたのが彼女。これまで大した実績があるワケでもないのにと、首を傾げる人は少なくありませんでした」

家も“斡旋”

 それだけではない。この人妻がワケあって夫とは別に住む賃貸住宅も、藤井市長に“斡旋”されたのではないかとの話もあって、

「彼女はごく親しい知人に対して、“仕事と新しい部屋を、市長に紹介して貰ったの”などと明かしていましてね。確かに、引っ越した先は市長の支援者が所有する物件でした。そこまで便宜を図って貰えるのだから、2人は相当いい仲なんだと思いましたよ」(同)

 市長選では、公約の目玉のひとつに「子育て支援」を掲げた藤井市長だが、これでは立場を利用した公的「愛人支援」に注力していたと言われても仕方あるまい。

 そんな彼は、プロフィールによれば1950年に地元・長浜に生まれた。龍谷大学を卒業後、73年から衆議院議員秘書となり、96年には当時の自治大臣・白川勝彦氏の秘書官、2003年からは元自民党幹事長の古賀誠氏の政策秘書を務めた。小泉純一郎元総理の下で行われた05年の「郵政選挙」では、「小泉チルドレン」として衆院・滋賀2区から立候補。辛くも比例復活で初当選を果たしたが、4年後の衆院選では落選し、翌年の長浜市長選で政治家に返り咲く。以降、2期8年の実績に胸を張り、晴れて今回3期目へと歩を進めたのだ。

「議会で追及していきたい」

 しかし、これまでの藤井市政に苦言を呈するのは、元支援者で現職の長浜市議である西尾孝之氏である。

「最初に藤井さんが市長選に立った時は、私も含めて皆で応援しとったんですよ。そりゃ一生懸命になってね。でも、最初の1期4年で、この人は箱モノばかり建てて、何も政策がないことが良く分かったんです」

 実際、藤井市長の愛人が働く店がある複合施設は、ビル整備に約30億円、駅前から続くアクセス橋の整備には約7億円の税金を投入。藤井市政が再開発と銘打ち多額の投資をしたにも拘らず、業績は芳しくないこともあり、市民から医師不足に悩む市立病院の整備を優先すべき、などの声があがっているというのだ。

 西尾氏が続ける。

「批判には耳を貸さずにまた選挙に出て、その最中に人妻との不倫話でしょう。市長ならば本来、人の範になるべきですが、それがまったく出来ていない。市長自身は離婚して独身だから良いなんて理屈は通る筈もなく、相手がどういう立場の女性なのか分かっているんでしょうか。自分の口利きで、愛人を市のいわば準公務員にしていたのが事実だとすれば、まさに行政の私物化。女性問題も含めて議会で徹底的に追及していきたい」

「育児放棄を助長」

 市長のマンションへと「通い婚」をしていた件の人妻は、離婚調停中の身だった。

 彼女の夫の知人が言う。

「夫婦揃って地元企業の役員、いわば名士ですから市長とは会合などで面識はあったと聞いています。ところが、一昨年夏頃に奥さんが旦那さんと別居状態になって離婚調停が始まった。夫婦仲が悪くなり、勤めていた旦那の会社も辞めた奥さんは、食い扶持がなくなった状態でした。そんな女性の境遇に、市長がツケ込んだとしたらヒドい話です」

 結果として、妻を市長に寝取られた格好となってしまったご主人はこう憤る。

「ウチの嫁が市長と交際しているという話は耳にしていましたが、まさか本当だったとは……。市長さんはかなり前に離婚して独身と聞いていますが、仮にそうだとしても、倫理上、他人の奥さんと関係を持つということは、あってはいけないでしょう。私も市長とは知らない仲ではないし、いくら別居しているといっても離婚はまだ成立していない。妻が市長に会うために頻繁に家を空けている間、下は9歳の子もいる3人の娘たちは残されたまま。これでは育児放棄を助長していると言われても仕方ありませんし、今は子どもたちのことが心配です」

「新潮さん無礼だろうッ」

 これらの声を、当事者である「人妻」と「市長」はどう聞くか。

 まず件の人妻はといえば、

「そのことは、私自身も困っているんです……」

 なんて言い訳の後しばし沈黙を続けた末に、

「私は一般人ですから。お話しすることはありません」

 とニベもない。対して、投票締切直後、当確が出て万歳三唱をした藤井市長に話を聞こうとすると、

「その女性のことは知らない。私には関係ない、関係ない。関係ないんだッ。新潮さん無礼だろうッ」

 そう声を荒らげた挙句、支援者に守られて一目散に選挙事務所を後にしたが、その声は上ずって眼は明らかに泳ぎ、動揺の色は隠せなかったのである。

 で、当選から一夜あけて自宅から出てきた市長に改めて問うと、

「指摘されたことは事実ではない。記事にするなら法的手段も検討しますよ」

 と恫喝とも取れる物言いで、説明責任を果たすつもりは更々ないようだ。かの太閤秀吉は妻・おねの内助の功を受け、長浜の地を足掛かりにして天下人へとのし上がった。英雄色を好むとはいえ、政(まつりごと)より火遊びに夢中のご様子な長浜のお殿様――。これではとても「今太閤」と呼ばれることはなさそうだ。

「週刊新潮」2018年3月8日号 掲載