IOC(国際オリンピック委員会)と、2024年までパートナーシップを結んでいるインテルは、韓国・平昌で開催された、冬季オリンピックにおいて様々な革新技術を投入した。インテルは、IOCトップスポンサーの1社となって初の五輪大会ということもあり、5G、VRやドローン、それにeSportsまで、積極的にテクノロジーイノベーターであることをアピールした。今回はその中の1つ、VR配信をピックアップする。

開幕式では、ギネス世界記録タイトル破りのパフォーマンスを公開した、インテルのシューティングスタードローン。スーパーボウルのハーフタイムで披露されたレディ・ガガのパフォーマンスで舞った数の4倍となる1,218台が使用された。実際はライブショーを予定していたが、当日直前のネットワーク障害により、ドローン飛行は中止され、リカバリとして事前に収録していた映像が使用された© インテル

オリンピック放送機構(OBS)はインテルと共同で、30イベントをライブとオンデマンドVRで実施した。OBSは2016年リオデジャネイロ・オリンピック時に、オリンピック初のVRコンテンツ制作を試験的に実施したが、ホスト映像としてVRライブ配信するのは、今季大会が初めて。NBCスポーツ、ユーロスポーツやNHKといったRHBパートナー(Rights Holding Broadcaster)に、VRコンテンツを提供した。

NHKでは、専用360°映像サイトとアプリを提供。ヘッドマウントディスプレイ(GearVR、Daydream)向けのアプリでも視聴できる。ライブ配信のほか、360°見逃し・ハイライトとしてオンデマンド配信を提供している(※画像はNHK 360°映像のWebサイトより)

インテルはOBSと共にVR専用のアプリを昨年夏から開発。NBCスポーツはNBC Sports VRアプリで30本のうち18本をライブ配信した。開会式・閉会式や、アルペンスキー(ダウンヒル、スラローム、スーパーG)、アイスホッケー、フィギュアスケート、スノーボードといったキーイベントをライブ配信した。

外装を外したカメラ部位のみのTrue VRTrue VRは、2016年にインテルが買収した、米カリフォルニアにあったVOKE社の技術である

VRの撮影は、インテルの「True VR」という、4Kカメラを12台搭載したカメラシステムを使った。各競技場所では、3〜6台のTrue VRシステムを設置して撮影。

視聴者の視野角は180°に限定し、視聴者はカメラアングル(カメラポッド)を切り替えて、好きなポッド位置から観られることで、例えばスピード競技では、ポッドを切り替えることで選手がいる位置を追いかけられるようにした。全方位にしなかったのは、視聴者は背後を見渡すことなく、前に繰り広げられる競技パフォーマンスを楽しんでもらうためで、またライブ配信時のストリーミング帯域を抑えられる利点がある。ライブ配信では、カメラアングルの切り替えのほかに、グラフィックスや音声解説を挿入したVRディレクターズカットを提供した。

開催期間中、連日のVRライブ配信や、超高速の競技でPOVの4Kライブ伝送が実現したのは、第5世代移動通信システムに依るものである。韓国で最大規模の通信企業の韓国テレコムが、5Gテクノロジーやプラットフォーム、コンピューティングパワーを持つインテルと提携し、光ファイバー網や移動通信ネットワークを構築した。5Gオリンピックについて、国内では、2020年の東京オリンピック時には標準化されているよう、規格化と導入に向けて進められている。

(ザッカメッカ)