「最近、彼の家にお泊りするようになりました。週末が多いです。リラックスしているつもりなのですが、なかなか眠れません。寝不足で朝起きると、顔がむくんで困ります。何かいい方法はないでしょうか?」(30歳・T子)

せっかくのお泊り。彼の隣でグッスリ眠りたいですよね! 睡眠コンサルタントの友野なおさんに聞いてみましょう。

ピロースプレーでリラックスできる空間づくり

まだ慣れていない、少し遠慮がある関係のようですね。リラックスしましょうといっても、つき合ってまだ日の浅い彼の家でいきなり筋弛緩ストレッチするのもちょっと……ですよね。スリープヨガやマインドフルネス瞑想といった、いつものスリープセレモニー(睡眠儀式)も、やりにくいかと思います。

こういう場合はアロマの作用を利用しましょう。

といっても、彼の家でいきなりアロマを焚くわけにもかないでしょうから、ピロースプレーやロールオンアロマなど、ファッションアイテムとして使えるアロマを利用するといいでしょう。香りはもちろん自分がリラックスできるものを。自分もリラックスできるし、彼も喜んでくれるのではないでしょうか。

嗅覚は、生物が生命を維持するためにもっとも重要な感覚。五感のなかでもっとも鋭敏とされ、匂いには一瞬にして脳が反応します。「この香りをかいだら寝る時間」という意識づけをしておけば、その香りをかぐことで無条件に眠くなります。

日頃からアロマでスリープセレモニーを

寝る時間の“意識づけ”をするには、日頃からその香りを使ってスリープセレモニーをしておく必要があります。自宅ならアロマキャンドルやアロマデフューザーを使うことができますね。寝る前にアロマを焚きながら、ストレッチなどを行なうのも効果的だと思います。

よく「枕が変わると眠れない」といいますが、旅行や出張など、ふだんと違うところで寝るときにもアロマは有効です。

いつもと違う環境になると眠りにくくなる理由は、非日常空間では脳がいつもより興奮してしまい、なかなか副交感神経が優位にならないからです。ですから、「いつもと同じ」ものを使って脳をリラックスさせてあげる必要があります。

慣れ親しんだ香りは、一瞬にして自分の空間にすることができます。非日常を日常に変える力があります。その意味で、ピロースプレーやロールオンアロマをいつも携帯していると、何か緊張する状況になったときに安心です。私もいつもポシェットに1つ、入れています。

最後に、一般的にリラックス効果が高いとされ、入眠前におすすめのアロマをご紹介しておきます。

・ラベンダー

・カモミール

・ネロリ

・イランイラン

・サルダルウッド
など。

あなたの好きな香りはありますか?

お気に入りのアロマで、彼の家でもリラックス空間に!



■賢人のまとめ
いつもと違う環境でリラックスするにはお気に入りのアロマが有効です。ふだんからスリープセレモニーにアロマを利用することをおすすめします。慣れ親しんだアロマのスプレーやロールオンタイプなら、彼の隣でもさりげなく使え、一瞬にしてリラックス空間に変えることができるでしょう。

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。