前回のお薬診断で、ジェネリック医薬品についてご説明しましたが、最近多い質問がこれ。
「飲んでいいジェネリック、いけないジェネリックは何ですか?」

ジェネリックにも相性あり

このご質問には、一概にこれとこれと答えることはできません。ジェネリックは先発品と添加物が違うこともありますし、効き目が先発品と比べてプラスマイナス20%程度の異なることもあります。これらの違いによって効果に影響が出るのか、まったく出ないのかは、症状によっても、人によって異なるからです。

私が薬局に勤務していたころは、ジェネリックを飲んで「安いし、よく効くし、何の問題もない」という人もいれば、「湿疹が出たから、もうやめるわ」などと何らかの不調を訴えてくる人もいました。その人の湿疹の原因がジェネリックにあったかどうか、本当のことはわかりません。ただ一度でもそういう経験をすると、「やっぱりジェネリックより先発品」と思われる人も少なくありませんね。

処方箋に書かれているのは商品名?成分名?

ところで、病院で処方された薬をジェネリックにするか先発品にするかはどう決められるのでしょうか?

薬局で処方箋を出すと、薬剤師から「ジェネリックにしますか?」と聞かれることがあります。この場合、処方箋には薬の商品名ではなく、成分名が書かれています。

たとえば、みなさんご存知のロキソニンですが、「ロキソニン」は商品名です。成分名は「ロキソプロフェンナトリウム」です。お医者さんが処方箋に「ロキソニン」と書いていれば、薬局では「ロキソニン」が処方されます。「ロキソニン」は先発医薬品です。しかし処方箋に成分名「ロキソプロフェンナトリウム」と書いてあれば、「ロキソニン」のジェネリック医薬品が処方されます。ジェネリックとはGeneric(一般的な)という意味で、成分名のことを意味します。

「ロキソニン」は人気の薬ですので、ジェネリックには30品目以上あります。有効成分と含有量はどれも同じです。添加物については先発品と違うジェネリックもあれば、同じものもあります。

処方箋に成分名が書かれている場合、ふつうは、その薬局が扱っているジェネリックが処方されます。

好きなジェネリックを指定できる

案外知られていないことですが、患者さんから飲みたいジェネリックを指定することもできます。患者さんの中には、お気に入りのジェネリックが決まっている人もいます。薬は安心して飲めてこそ効果を発揮するところがあり、お気に入りの薬を変えたくないという気持ちもわかります。そこでもし、薬局に自分のお気に入りのジェネリックの扱いがなかった場合は、注文することもできるのです。ただ、その場合は取り寄せになりますから、その日は受け取れませんけれどね。

また、処方箋に「商品名」が書かれていても、ジェネリックに変更できる場合もあります。その見分け方は、処方箋の「変更不可マーク」欄。お医者さんがそこにチェックをつけていたら、変更不可。つまりその商品名の薬しか処方できません。しかし、チェックがついていなければ「変更可」なのです。患者さんが薬局に行って、「ジェネリックに変えてもらえますか?」と言えば、ジェネリックに変えてもらえます。

ジェネリックの特性を知った上で、ジェネリックに変えてもらうもよし、自分の好きなジェネリックを見つけるもよし。賢く使ってください。

処方箋に「成分名」が書いてあればジェネリック医薬品が使えます。



■賢人のまとめ
ジェネリック医薬品は効果、安全性については厚生労働省の承認を受けていますが、使用されている添加物や効き目が先発品とは若干の違うジェネリックもあります。その違いによって人によっては合わなかったり、効果に違いが出たりする可能性もあります。一概にどのジェネリックなら安全と言えるわけではないのです。

■プロフィール

薬の賢人 宇多川久美子

薬剤師、栄養学博士。(一社)国際感食協会理事長。明治薬科大学を卒業後、薬剤師として総合病院に勤務。46歳のときデューク更家の弟子に入り、ウォーキングをマスター。今は、オリジナルの「ハッピーウォーク」の主宰、栄養学と運動生理学の知識を取り入れた五感で食べる「感食」、オリジナルエクササイズ「ベジタサイズ」などを通じて薬に頼らない生き方を提案中。「食を断つことが最大の治療」と考え、ファスティング断食合宿も定期開催。著書に『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)など。