ダニエル太郎【写真:Getty Images】

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元世界1位ジョコビッチを撃破、その場に思わず座り込み…大金星にATP公式も賛辞

 男子テニスのBNPパリバ・オープンの男子シングル2回戦は11日(日本時間12日)、世界ランク106位のダニエル太郎が元世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)をフルセットの死闘の末に7-6、4-6、6-1で撃破した。ATP公式中継サイト「テニスTV」は動画付きで紹介。ATP公式サイトは「運命を急速に変える象徴的な勝利」と大番狂わせを演じた25歳を称賛している。

 最高の瞬間だった。5-1リードで迎えた最終セット。ジョコビッチの渾身のフォアハンドが大きく外れると、ダニエルはラケットを落とし、思わずその場にしゃがみこんだ。大金星に熱狂に沸く会場。テニス界の「BIG4」の一角、元世界1位の名手を撃破した。白のキャップをまとった額は激闘を示す大粒の汗。信じられない表情を浮かべ、両手を握りしめると、ネットに駆け寄った。

 右手の親指を上げ、祝福してくれたジョコビッチと握手の後に抱擁を交わす。観衆のスタンディングオベーションが心地良かった。主審と挨拶を終えると、スタンドに何度もガッツポーズを見せた。「テニスTV」は歓喜の瞬間を「キャリア最高の勝利」と題し、公式ツイッターに動画付きで紹介。海外ファンから続々と反響を呼ぶ、最高のシーンだった。

 今季ツアー本戦未勝利だったダニエルが掴んだ大金星をATP公式サイトも特集した。

ダニエルは初のトップ20相手の勝利、ジョコは100位以下に敗戦は10年間でわずか5度

「タロウ・ダニエルは2018年本戦未勝利でBNPパリバ・オープンに突入した。しかし、それも全て選手の運命を急速に変える象徴的な勝利を掴むためだった」

 記事では、キャリア初のトップ20相手の勝利かつ、ATPマスターズ1000の大会で初白星だったことも紹介。ダニエルのキャリアを大きく変える一勝になると分析している。

 さらに、ジョコビッチが世界ランク100位以下の選手に金星を献上したのは、直近10年でわずか5度目だったことから、この勝利の重要さが浮き彫りになっている。

 2時間半の死闘でダニエルが奪ったウィナーは20本。記事では「ジョコビッチらしからぬ、61回のアンフォーストエラーの恩恵を受けた」とも報じられているが、白星には変わりない。

 風邪で今大会欠場となった錦織圭(日清食品)に代わり、今大会で旋風を巻き起こしてくれそうだ。(THE ANSWER編集部)