ジンバル・高性能ディスプレイ・レタッチPC、周辺製品が広がるカメラ市場で何を買う?

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 今年もカメラの祭典「CP+」が横浜パシフィコで開催され、僕も足を運んでみた。前回の記事に引き続き、CP+レポートのPART2をお送りする。

日本を代表するカメラメーカーたちが新製品のブースを並べているが、それだけではないのがCP+の魅力だ

進化するスタビライザー「DJI Osmo Mobile 2」
 DJIと言えばドローンで有名な会社だ。この数年、ドローンは日本国内でもかなり話題になって、DJIも持ち歩きやすい折り畳み型など今までにない新製品をリリースしてきたりした。一方、ドローンの飛行には規制も多い。地方に住んでいる人だと環境が違うのかも知れないが、東京23区内だと気分よく遊べる場所は簡単には見つからないのでは?そんなこともあり、遊ぶ目的で考えると(東京限定で)最近では失速感があるドローンだが、ドローンにカメラを搭載して撮影したりするのは不動産業など一部の業界には受けているようだ。ドローンにカメラを搭載して、今までにない映像を撮影するということは需要があり、ドローン操作の技術に対してライセンスを与えるようなビジネスも当分は人気になることだろう。

 さて、DJIは今回、ドローンに加えてジンバル(スタビライザー)を展示していた。スマホをセットし、センサーで揺れを検知して、モーターで揺れに相反する動きでスマホの姿勢を補正してピタッと安定した画像を撮影できるというもの。風や安定性などのさまざまな不安定要素があるドローンで映像を撮影するために進化してきた技術を転用したものだ。

羽の部分のアームを本体部に折りたたむことができるMAVIC AIR。4K動画を撮影できながら、折り畳めばポケットにも入る

持ち運びやすいようにケースも付属する

 今回展示されていたDJIのスタビライザー Osmo Mobile 2は、前世代製品(Osmo
Mobile)よりも軽く、とりまわしがよくなった印象だ。グリップはプラスティック(グラスファイバー)となり、長時間にぎっていても汗ばまず、スポーティでいい。そして、価格も安くなった。DJIオンラインストアでは2万円を切っている。前世代製品は定価4万円程度だったので、かなり買いやすくなった印象がある。最近のアマゾンなどではスマホ用スタビライザーは2万円を切りながら実用的な性能を持った製品もあるので、これも競争力を保つには当然の流れだろう。スマホで本格的に動画を撮影したい人にはぜひおすすめしたいデバイスだ。

上部のホルダー部分にスマホを固定

関節部のサーボモーターでスマホの角度を変えて補正する

本格ユーザーなら欲しい、フォトレタッチ専用パソコン「DAIV」
 最近ではインスタグラムの影響もあり、写真撮影だけでなく、本格的なフォトレタッチをしたい人も増えているようだ。そんな人をターゲットにマウスコンピュータがクリエイター向けパソコン「DAIV」を販売している。DAIVはデスクトップタイプとノートパソコンタイプがあり、デスクトップタイプには極端な高性能なラインアップも用意されている。今回のCP+では多くの機種をブースに並べていた。

クリエイティブPC「DAIV」のブースパネル。さすがにアートっぽい

カメライベントなので、RAW現像に関する説明パネルもあった

DAIVにはノートパソコンモデルもある。どこでもフォトレタッチしたい人にはよさそう

8KVR視聴に対応したモデルも展示されていた

 RAW現像向けのモデルが用意されているのはもちろんVR編集向けのモデルまであり、本当にクリエイター向けという感じだ。ちなみに、RAW現像を始めたい人向けのモデル「DAIV-DGZ520E3-SH2-RAW 」は12万9800円(税別)で、比較的リーズナブルに感じる。当然、グラフィックカードはGeforce搭載でケースは手前に取っ手があり、移動させやすそうだ。自作が面倒だが、リーズナブルに高性能PCが欲しい人にはよさそうだ。

写真レタッチ向け本格ディスプレイ「BENQ カラーマネージメントディスプレイ」
 台湾のメーカーであるBENQは日本でもディスプレイメーカーとして有名だが、今回はフォトレタッチ向けの高画質ディスプレイを展示していた。「カラーマネージメントディスプレイSW-2700PT」は、ハードウェアキャリブレーションに対応し、Adobe RGB色域を99%カバーし、ハイクオリティな表示能力を持ち、カラーマッチングソフトウェアや遮光フードまで付属しながらアマゾンで6万9800円とリーズナブルだ。この種のディスプレイは普通、20万円以上しそうなので買いやすくていい。さすがはBen-Qという感じ。撮影した画像がどう表示されるか?で映像の評価は変わってくるし、伝えたいものが伝われないかも知れないので、カメラ好きであれば高性能なディスプレイは必需品だろう。

 また、エックスライトというカラーマネージメント関係のメーカーのハードウェアキャリブレータも展示されていた。これはディスプレイの表示色を分析し、現実の色に補正するために使われる。

今回のBENQは色の正確な表示をアピールしている

コスパに優れるカラーマネージメントディスプレイSW-2700PT。ハイクオリティな表示と調節機能で写真を高い再現性で表示できる

ディスプレイの発色を測定し、調整するためのエックスライト社のハードウェアキャリブレータ

エックスライト社はカラーマネージメントのためにさまざまなソリューションを提供している

拡張していく関連産業と市場バランス
 デジカメはこの数十年で大きく進化して、完全に一眼レフを含めたカメラ市場を置き換えるものになった。これによってかつてのフィルム時代とは異なるさまざまな関連産業も発達することになった。正確な色を表現するためのディスプレイ、フォトレタッチソフトやそれを動かす高性能パソコンも必要だ。かつてはカメラメーカーとフィルムメーカーを中心にしていたカメラ産業はより膨大なものに膨れ上がっていっている。

 そんななかでそれを購入、利用するユーザーのリソース(お金)はそれに合わせて膨大に膨れ上がるものでもない。という状況下でプレイヤー(メーカー)はゲームを進めていかなければならないのだ。それはかつてのようにカメラだけの超高価格化を許さないだろう。これからのカメラ界での成功は以前よりもさまざまな要素を考慮していかなければならず、退場する者も出てくるのかも知れない。今回のCP+ではそんなことを考えさせられた。

【著者】一条真人
作家・ITジャーナリスト。雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスONE」編集長などを経て現在にいたる。小説「パッセンジャー」で10年以上前に河出書房新社から作家デビュー。IT関連など著書50冊以上。最近はYouTubeでチャンネル登録者10万人を目指している。