初めての浅草で、「他のエリアでは食べられないこの街らしいお店に行きたい!」というのであれば、おすすめはこちらの『飯田屋』だ。

丁寧な下処理に定評のある「ほねぬき鍋」は、ふわふわの食感が魅力。どじょうの美味しさを是非試してほしい。



ほねぬき鍋¥1,850。骨を抜いていない、丸のままのどじょうを煮るどぜう鍋¥1,750もあるが、初めてならば、まずはほねぬきからが食べやすくおすすめ。どじょうの下にはささがきごぼうが。どじょうと共に食する

今や希少な江戸の味わい!
浅草通も認める安定のふんわり食感
『どぜう飯田屋』


江戸時代には庶民の味として親しまれていたというどじょう料理。だが現在では、専門店の看板を掲げるのは都内でもわずか数軒に。浅草観光といえばまず名の挙がる料理だが、女性の中には敬遠する人も。

しかし、こちらなら心配無用。専門店の中でも長い歴史と高い評判を守り続けているのが『どぜう飯田屋』だ。

店構えといい、籐敷の大広間といい、下町の風情十分。店の創業は江戸末期・慶応年間だが、明治35年よりどじょうの専門店として営業。115年間、割り下と調理法は、代々受け継がれている。



鍋前におすすめの一品が、どぜう唐揚げ¥880。カリッと香ばしく揚がったどじょうはスナック感覚でつまめる肴だ


実は、年々生産量が少なくなっているどじょうだが、『飯田屋』では主に秋田県から生きたまま届くどじょうを、店の裏にある井戸水で管理。

ゆえに、体内の泥がきれいに抜け、風味もすっきり。ビギナーでも安心して味わえる「ほねぬき鍋」は、きれいに骨抜きをしてさばいた生の身を煮るので、食感がふわっと軽く、食べやすさも申し分なしだ。

配合は一子相伝だという甘辛い割り下と、みずみずしい長ねぎも好相性。途中、添えられてくる山椒や、浅草界隈では「七色」と呼ばれる七味とうがらしで猝J〞すれば、爽やかな香りやピリッとした刺激で、味わいはさらに印象深く。



藍染めの暖簾の中央には「どぜう」の三文字が威風堂々と。もともとは「どぢやう」「どじやう」といった表記だったが、4文字では縁起が悪いからと3文字に縮めたという説が有力とか


普段とはひと味違うロケーションで、江戸から伝わる未体験の鍋を食する。刺激的なショートトリップは、大人としての経験値を高めてくれるはずだ。