今、増加中の“世田谷南インド族”って何!?

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ファッション業界などのおしゃれ業界人が今夢中になっているというのが、南インド。その理由と彼らが愛するカレーとは!?

おしゃれフードトレンドを追え! Vol.11



おしゃれ人はインド愛に溢れている!南インド発のミールスを食すべし


インドカレー通にはおしゃれな人が多い。もとい、おしゃれな人はみんなインドが大好きだ!


 

ファッションデザイナーやその他クリエイティブ職の人々のインド好きは今に始まったことではないが、最近はさらにインド好きが増えているように感じる。なかでもカレー熱はますます盛り上がりを見せており、私がフォローしているおしゃれSNSにはカレーの写真が毎日のように上がっている。米(もちろん長粒米=インディカ種)が中央に盛ってあり、銀の丸いボウルに色とりどりのカレーや副菜が盛られたビジュアルはなんともフォトジェニック。難解なスパイスの名前や、ウンチクコメントが添えてあったら、さらにシビレる。ん? インドカレーといえばナン&カレーだって? ノーノー、今食べるべきは南インドカレーをベースにした米と食べるさらさら系カレーなのだ。


 


インドの魅力といえば、その雑多感、ミックス感だろう。カラフルな雑貨や工芸品、繊細な刺しゅうを施した洋服や小物もかわいい。大学生がバックパックで行きたい場所の筆頭でもあり、放浪感、ボヘミアン的なイメージもロマンチックで素敵だ。


 

大人の女性たちを虜にしている桐島かれんさんのブランド「HOUSE OF LOTUS」。最近はインド、デリーを旅するかれんさんの様子が公式インスタに連日アップされていて「ああ、インド行きたいな」と憧れが募る。エスニックテイストのワンピースをさらっと着こなす大人はエレガントでかっこいい。ベルギー出身の世界的ファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンを追ったドキュメンタリー映画「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」では、ブランドの服作りを支えるインドの刺繍工房も登場した。インド刺繍の美しさに魅せられたドリスは、刺繍のためにインドに工房を作り、一つひとつ手作業で施されたインド刺繍は、いまやブランドの象徴にもなっている。その他、インドといえば憧れのジュエリーブランド、「マリーエレーヌ・ドゥ・タイヤック」が居を構えるインド北部の町ジャイプールはファッション誌で何度も特集が組まれており、女子なら誰もが買い物三昧になる可愛いものだらけの街らしい。

インド系カレー族ってどんな人?


このように、ファッション業界でもずっと注目されているインドだが、インド系のカレーを愛するおしゃれな人々にはどこか共通点がある。私の友人や知り合いのファッションまわりの人々のことを思い出しながら、インドカレーに詳しい「インド系カレー族」はこんな人だなあ、と勝手に決めつけたキーワードを挙げてみる。インド愛に溢れ、インドカレー好きな人(特に女性)は…。


 

・もちろんヨガをやっている


・旅が好き(アジア方面、南米方面、国内なら島旅)


・スピリチュアルな世界観が好き(月の満ち欠け、石のパワーなど)


・知的レベルが高く、物事を様々な側面から見ることができるリベラルな人


・社会的活動(選挙やデモなど)にも参加する


・体に良い食べ物を摂っている(もちろん化学調味料やインスタントにはNO!)


・ノーメイクor超ナチュラルメイクが主流


・流行を追うファッションではなく、独自の世界観がある大切に作られた服を好む


・ナチュラルな中に鮮やかな色を取り入れたスタイルが上手


・リネン、コットンなど天然素材が好き


・読書好き


・音楽、芸術が好き


・友達を大切にして、仕事でも横のつながりが実になっている


・コーヒーにうるさい


と、知的で自由でピースフルな人々が多いのだ。

インドカレーの名店は世田谷区に集中!?


 一般的に、インドカレーと聞いて想像するのは「カレー&ナン」だろう。ナンとドロッとしたバターチキンカレー。これは、元々は北インドの宮廷料理がアレンジされたもので、インドの人々が日常に食べる家庭料理ではないそうだ。これに対して、近年盛り上がりを見せているのが南インドをベースとしたさらさら系カレーだ。野菜が中心のさらっと優しいカレーで、ココナッツ風味のチキンカレーも南インドの定番らしい。油っぽくなく、胃もたれしないさっぱりカレーは日本人にぴったり。近頃東京でおいしいと評判のカレー店は、この南インド料理をベースとしたカレーが殆ど。さらに、行列ができるほどの人気店は世田谷区に集中しているのが面白い。


 

注目の2店とも、オーナーがインドに長期出張に出ていて2月は営業をお休みしていたのだが、3月になって営業がスタート。訪問した日は、いつもの行列も復活していた。


 

南インドの家庭料理を味わいたいなら、絶対に外せないのがAMI。駒沢大学駅から歩くこと10分強。住宅街の中にある小さな店で、パリのアンティーク雑貨屋さんのようなインテリアに、南インドのテイストが散りばめられた店内は女性らしい柔らかな雰囲気が居心地いい。店を一人で切り盛りするのは東京外国語大学ウルドゥー語学科卒、ヨガや宝石関係の仕事でインドとの縁が深い女性だ。そんな店主が作るのは、優しい味の南インドカレー。スパイスの味が滋味深く、かといってスパイスに不慣れな人にとってもキツ過ぎない、ほどよい具合。インドのお母さんが作ってくれる家庭料理はこんな感じなんだろうな〜と温かい気分になる。ライス、カレーに副菜とパパドもワンプレートに美しく盛られてくる。ほろほろに柔らかいチキンカレーはココナッツでまろやかながらスパイシー。副菜のサラダの歯ごたえやパクチーの香りがアクセントになって1皿でも全く飽きない。食べ終わった後の胃のスッキリ感、幸せ感は格別だった。


 


AMIの「2種のカレー」チキンカレーと季節野菜のクートゥー(ムングダール豆と野菜のココナッツ風味カレー)


 

次に外せないのが桜新町の「砂の岬」だ。最近人気の南インド料理「ミールス」を食べることができるお店としても注目したい。ミールスとは、主に南インドで食べられている、米を主食とした複数のカレーやスープ、副菜を一皿に配した定食だ。サンバル(豆と野菜の、少しスパイシーで酸味のあるカレー)、ラッサム(酸っぱしょっぱいスープ)などが定番で入っているそうで、その他炒め物やヨーグルトなどのおかずをライスにかけ、混ぜ合わせて食べるのが「ミールス」の食べ方。私が食べたのは、フィッシュミールス。旬の魚と季節野菜を使ったタミル&ケララ州のスタイルで仕上げたものだ。ココナッツ風味の魚カレー、酸味のある鯛のピクルス、マグロの炒め物、パリッと揚げた香ばしいイワシ、アミエビのふりかけ、どれも馴染みがないはずなのになぜか懐かしい味わい。米の上で混ぜれば混ぜるほど複雑な風味が生まれる。食後はコトコト丁寧に煮込んだ絶品のチャイと甘さ控えめスイーツで寛ぐ。



砂の岬の「フィッシュミールス」


 

この2店のほか、女子に大人気の「サンバレーホテル(三軒茶屋)」(ホテルではない。インドでは食堂のことをホテルと言うらしい)、オリジナリティー溢れるメニューと味に独特のセンスを放つ「カルパシ(千歳船橋)」、パンチの効いた味が食べ応えある「シバカリーワラ(三軒茶屋)」を押さえれば、世田谷南インドカレー族として名乗れるはずだ。


 

サンバル、ラッサム、ターリー…なかなかメニューが覚えられないところもミステリアス! とにかく憧れるではないか、インド。奥深い味を教えてくれて、ナマステ〜。