半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に、「一人飲み歴10年以上」の、きたざわ御神酒(おみき)です。

これまでに、一人飲みの世界で出会った強烈な個性の方々を何人か取り上げました。今回はその中の一人、波乱万丈な半生のマスターの話をします。彼はなんと4回も結婚した超絶イケメン。異常にモテる男性は、その価値観がスゴイのです。堅実女子のみなさまはこんな男性に心を奪われないよう、気を付けてください!

モテる男には、ボディータッチを嫌う女の肩を抱いても怒らせないオーラがある!

何度も結婚した有名人というと、大女優エリザベス・テイラーさん(8回)、玉置浩二さん(4回)、木村祐一さん(4回)、六角精児さん(4回)、ショーケンこと萩原健一さん(4回)が有名ですよね。女好きエピソードがもはやネタと化している石田純一さんは、意外にも前述の男性諸兄より1回少ない、3回目の結婚で落ち着かれた雰囲気。

六角精児さんも、実は4回目の結婚は2回目の奥様との再婚ということで、実は一番落ち着く人と元サヤになったパターン。こう考えると、新たな相手と4回も結婚した猛者はやはり、かなりのレアケースです。

そして前述の方々はみな「有名人」。特殊な才能や魅力の持ち主であることが、社会的にも広く知られている人々です。経済力もあるし、「多少、離婚歴が多くても、この人と結婚したい!」というお相手が出てくるのも、まま、うなづけます。

ですが、筆者の出会った4回結婚したマスターは一般人で、職業はバーテンダー。つまり、付き合ってはいけない3B。女性からすると、「ちょっと火遊びするだけなまだしも、結婚なんてヤバすぎる!」と敬遠されるスペックの持ち主ですよね?彼は一体、どんなキャラなのか?

4回結婚したマスター・Yさんを一言で表現するなら、悪気なくスペックが高すぎるガキ大将でした。

筆者は、簡単に女性に触る男が大嫌い。飲み屋でそういう男子に遭遇したら、1〜2回目は「私は人に触られるのが苦手なの。悪気ないと思うんだけど、触らないでね。もう1回触ったら、ぶつからね?」とやんわり注意するほど。それ以降にやったら、本当に殴ります。

しかしYさんに限っては、このやりとり後にがっちり肩を抱かれたにも関わらず、殴りませんでした。それはなぜか?

大概の男子は殴られたらびびって萎縮してしまうのですが、Yさんは「あ、この人は私が殴ってもきっと態度変わらない」という、まったくひるまないオーラをムンムンみなぎらせていたからです。

4回も結婚したマスターは典型的な「オレ様一番のガキ大将タイプ」だった

そんなYさんと出会ったのは、Yさんの店ではなく、筆者行きつけ店。開店して1年に満たないバーで、お客同士としてでした。

バーが100軒近くある下北沢では、うまくいかない店は半年ですぐ潰れます。にもかかわらずその店は、低めの価格設定と若いマスター(20代半ばの男性)の飄々としたキャラがウケて、昔から界隈で飲んでいる人たちも面白がって飲みに来るようになっていました。そのとき、まさに登り調子で、今後安定した人気店になる兆しをみせてきたところだったのです。

お客としてふいに現れたYさんを見て、マスターはちょっと緊張した様子に。しかしすぐ筆者に向かって、「こちら、Yさん。●●ビルでバーやられてる先輩マスターです」と紹介してくれました。

そう言われて、「あのYさんか!」とすぐにわかりました。以前、あたりをハシゴしまくっている先輩客から「このお店、目立ってきたからそろそろYにシメられるぞ?」と聞いていたからです。

個人経営のバーで、なんで関係ない別の店のマスターが、がんばっている新規店のマスターをシメるのか?疑問に思い、その日に同席していたメンバー&マスターで、Yさんについていろいろ質問しました。

体育会系、男気系、カクテルを作る際にはハリウッド映画ばりのバーテンダー妙技を披露、そういうことをしてもハマる高身長で手足の長い美形、近所のカフェバーのママと3回目の結婚をした、Yさんの店では混む時間帯だけ、週1バイトで毎日別の女の子がサポートに入る←男性客獲得対策……など、事前に仕入れたYさん情報が脳裏をかけめぐりました。

なるほど!確かに、乙女ゲーからそのまま抜け出してきたかのような10等身のイケメンです。Yさんがマスターに「生!」と横柄に注文した様子を見て、これは本気で「オレ様一番のガキ大将タイプだな」と思い、隣に座られたのでにっこり挨拶しました。

「こんばんは。オミキと申します。Yさんのお店、有名ですよね?一度行ってみたいな、と思いつつも勇気が出なくて」

正直、この手のイケメンは超苦手だったのですが、気に入った店のマスターがいじめられるのなんて見たくないし、ライターとして、Yさんの強烈キャラに興味もあったのです。

モテる男は「俺を嫌がる女なんてこの世に存在しない」と思っている可能性大

マスターには横柄でも、筆者に対しては爽やかな笑顔。いきなりがっちり両手で握手し、名刺を差し出し、すかさず「よろしく〜、オミキちゃん。(筆者のグラスを見て)ビール党?あ、彼女にも1杯あげて。俺から」

辞退する間もなくおごられてしまいました。ちなみにその日に同席していたお客は、Yさんと筆者の他、学生の男の子(やや常連)1人ですが、男子はガン無視です。

筆者に1杯おごった上で、まるで自分が連れてきた初デートの相手の女性に対するかのように扱います。うやうやしく、時にさりげなくタッチしつつ。「私は触られるのが苦手なので、できればやめてほしい」と笑顔で牽制してもまた触るので、「あの、触らないでほしいんです」とキレ気味に言いました。

しかし、「あ!ごめんね!それでさ〜」と笑いながら肩を抱いてきます。彼の中では、筆者のキレ加減など「嫌よ嫌よも好きのうち。俺を本気で嫌がる女なんているわけない」というわけなんですよね。Yさんを本気で「触んな!」と殴ったら、筆者が怒って帰った後にマスターが死ぬほど八つ当たりされ、シャレもわからない暴力女と触れ回られそうです。

そんな状態で表面上にこやかに会話している流れで、筆者はYさんの店の週1バイトをすることになりました。この頃、筆者も一人飲みに慣れてきて「お店の内側にも入ってみたいな」という興味が沸いていたので、「新しい女性バイトがほしい」というYさんと、タイミングが合ったのです。

しかし、それによって彼の正体に驚かされることに……。後編で彼の価値観と、波乱万丈な半生をお話しします。

モデルさんですか?と言われまくって、自信もどんどんついていったんでしょうね。「オレ、かっこいい」認識がある男性って、「私、かわいい」認識がある女性と同じくらい、異性には嫌われない自信を持っているんですよ。

ひょんなことから超絶美形オレ様マスターの店で働くことになった筆者!待ち受けていた展開は、強烈な男女の世界!〜その2〜に続きます。