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●オーディオコンポーネント「LUXMAN AUDIO OSECHI BOX」

ワンボードコンピューター「Raspberry Pi」の人気が、ここのところ再び高まっています。もともとは教育用として開発されたものですが、5,000円くらいで手に入ることもあって、ホビーユーザーにも人気です。現在は第3世代のRaspberry Pi 3を中心に販売されています。入手しやすく価格も手ごろ、そしてユーザーが多いので資料も豊富ということで、いろいろな使われ方をしています(往年のパソコンを模したものも!)。

そんなとき、「LUXMAN(ラックスマン)でRaspberry Piを使ったオーディオ機器の技術説明会をするので来ませんか?」というお誘いがありました。え? ピュアオーディオの会社がRaspberry Piで??

今回は「ワンボードオーディオ・コンソーシアム」のコンポーネントグループとして、ラックスマンがコンセプトモデルとして作成した「AUDIO OSECHI BOX JU-001/JU-002」のお披露目です。6.5寸の重箱サイズに、こだわりの具材を詰め込んだ「おせち」を模した、ずばり「オーディオおせち箱」。

全体をコントロールするのがRasberrypiですが、それに加えてこだわりの回路とパーツ、そしてソフトウェアが組み込まれています。

Raspberry Piだけでも音を鳴らすことはできますが、音楽再生機器としては不十分です。そこで多くの企業から、外付けのDACボードなどが販売されています。今回のJU-001では、BurrBrownのPCM5122という定評あるICを使っており、384kHz/32bitまで対応するそうです。

●特製OSで音質をアップ、電源もオーディオ級

これくらいなら、DACボードもたくさん販売されていますし、プログラムもオープンソースで自由に入手できるので、自分で作れてしまう人もいるでしょう。しかし、今回の技術説明会のキモはこの先にありました。

たとえばCDの場合、44.1kHzでサンプリングされています。1秒間に44,100回記録しているようなものですが、出力も44.1kHzできっちりブレずに行わないと、「音が悪く」なります。微妙なズレをどうやって減らせばいいでしょうか?

JU-001は、いくつかの方法で音質アップを図っています。1つはクロックで、JU-001には44.1kHzと48kHzに対応したクロックを内蔵しています。そして、さらなる音質を求めるユーザー向けに、外部クロックジェネレーターにも対応させました。外部クロックジェネレーターを利用したとき、視聴した範囲でいうと「音の深みが増したかな?」という印象です。

もう1つは、データを処理するプログラムとRaspberry Piを動かすOSです(標準では、Debian GNU/LinuxをベースにしたRaspbianというOSが使われています)。JU-001では、処理時間のブレを減らすために、リアルタイム性の高いOSを新たに作りなおしたとのこと。さらに、音楽処理のプログラム動作を特定のCPUコアに固定して、一層のブレ抑制を図っています。音楽再生に不要なプログラムは削り、Wi-FiやBluetoothも止めているそうです。

さらにもう1つ。音質向上のために、Raspberri Pi 3に入っている電源回路を使わず、外部からシリーズ電源と呼ばれるノイズの少ない電源と、十二分な整流コンデンサを使っています。この辺りは、さすがオーディオ機器メーカーの仕事ですね。

●USBメモリを挿して即再生、Amazon echoのスキルにも対応

使い勝手の面でも工夫が凝らされています。たとえば、OSを変更したことによって、あまり書き込みが発生しなくなっているため、イキナリ電源を落としてもあまり深刻なトラブルにはならないそうです。また、Music Plug and Play(仮)と呼ばれる方式を導入し、音楽データが入った専用USBメモリを差し込むだけで即、音楽再生ができます。こちらもUSBメモリをいきなり抜いても、再生が止まるだけでエラーが出ないようになっています。

コントロールには専用のスマホアプリを使いますが、使い勝手を向上させる一環として、Amazon echoのスキルにも対応していました。「アレクサ。おじゅうで再生」と話しかけると、それをAmazon側のサーバーが判断して、JU-001側に再生コマンドを送る仕掛けです。

ということで、興味がある読者諸氏もいらっしゃるでしょう。しかし、技術説明会という名前が示している通り、JU-001はまだ発売を前提としたものではありません。

4月28日〜29日に中野サンプラザで開催される「春のヘッドフォン祭」にて、JUシリーズを展示する予定とのこと。反響が大きいほど商品化が近づくはずなので、春のヘッドフォン祭に出かけて、現物を見て、聞いてみてはいかがでしょうか?

JU-001の価格がどのくらいになるのか気になるところですが、5万円から10万円くらいを考えているようです。また、今回はDACの入ったJU-001とUSBストレージのJU-002ですが、ヘッドホンアンプのJU-003、CDプレーヤーボックスのJU-004も構想には入っているということなので、春のヘッドフォン祭では「4段重」になっているかもしれませんよ。