ルイス・ネリ【写真:Getty Images】

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体重超過で山中を破ったネリ、WBCによる事情聴取は日本時間10日か13日

 プロボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介(帝拳)を2回TKOで破ったルイス・ネリ(メキシコ)。前日計量での体重オーバーで、王座をはく奪され、無期限資格停止処分が課されたトラブルメーカーについて、WBC(世界ボクシング評議会)のマウリシオ・スレイマン会長は減量法を批判する一方で、同じメキシコ出身の同胞を擁護している。ESPNメキシコ版が報じている。

 昨年8月の山中とのタイトルマッチ開始前のドーピング検査で陽性反応と発表されていたネリ。今回も前日の1度目の計量で5ポンド(約2.27キロ)も体重を超過し、タイトルを剥奪され、さらにWBCからも「無期限出場停止処分」を命じられていた。

 愚行を連発するメキシカンについて、ホセ・スレイマン会長が初めて口を開いた。

「ネリは金曜日か月曜日に事情聴取を予定している。日本の協会、試合のスーパーバイザー、栄養士、試合30日前と7日前の計量の結果もすでに我々の手元にある。足りないものは何もない」

 メキシコの首都メキシコシティのWBC本部で、現地時間9日(日本時間10日)か12日(日本時間13日)にネリの事情聴取を行う方針を明らかにしている。スレイマン会長はネリ陣営の栄養士の人選にも怒りを示しているという。

メキシコに本部を置くWBC 批判が強まる自国選手への裁定はどう下す?

「ネリの犯したことは、協会が彼に課した栄養士を完全に無視する行為だ。彼は我々の推薦と全く正反対のことをやってしまった。彼の減量法はとても危険だ。若い格闘家で腎臓不全になった例もあるものだ」

 体重を全く絞りきれずに、計量に臨んだネリの減量法を危険と批判する一方で、同胞のメキシコ人には擁護の姿勢も見せているようだ。

「ネリは若い。才能もあるが、まだ学ぶ必要がある。我々にできることは彼が学習する手伝いをすることだろう」

 記事によると、スレイマン会長はこう話したという。8月のドーピング検査で陽性反応が出た際には、王座を剥奪せずに、再試合を命じるというネリに対する寛容な裁定を下していた。そして今回も、このメキシコ人に手を差し伸べようとしているのか。

 海外メディア、ファンからは大きな批判を集めているネリだが、WBCは改めてどんな処分を下すのだろうか。事情聴取、そしてその後の対応に注目が集まっている。(THE ANSWER編集部)