古くからバスケットボール文化が根付く沖縄を本拠地とし、Bリーグでも屈指の人気と洗練されたカルチャーを持つ琉球ゴールデンキングス。チームの顔で、生まれも育ちも沖縄のキャプテン岸本隆一(27)に、アスリートとしての食意識と沖縄の食文化について聞きました。【聞き手・青木美帆】

 -体作りにおいて、食事で意識していることはありますか?

 岸本 食事は好きですが、あまり量が食べられないので、間食で補うことを心掛けています。試合日は朝昼晩の3食をとった上で、朝練習の後におにぎりを1、2個、試合前にバナナ、試合後にもおにぎり。これは大学を卒業してプロになって以降、変わらないルーティンです。アマチュア時代と比べて試合数が多いので、いかに体を回復させるかを考えて(疲労回復に役立つ)炭水化物を多くとるように意識しています。

 -沖縄というと、独特の食文化。小さい頃から沖縄の伝統食はよく食べていましたか?

 岸本 食べていましたよ。作るのが簡単だからかもしれませんが、ゴーヤーチャンプルーなんてめっちゃよく出ていましたし。

 -ゴーヤーというと、あの強烈な苦みが苦手な人も多い食材ですが、小さい頃から食べられましたか?

 岸本 そうですね、苦いと思ったこともなく普通に食べていました。沖縄の子はみんなそんな感じだと思いますよ。

 -その他によく食べていたものは?

 岸本 そば(そば粉を使わず小麦粉で打った「沖縄そば」と呼ばれるもの)もよく食べていましたし、肉は牛や鶏よりも豚を食べることが多かったですね。沖縄には「豚は頭の先から爪の先まで食べられる」っていう言い伝えがあるくらい豚をよく食べるんですよ。一番よく食べていたのはソーキ(あばら)ですが、内臓、皮、足と、小さい頃から色んな部位を食べていましたね。

 -「ソーキそば」は沖縄名物の1つですよね。

 岸本 これは沖縄文化というよりアメリカ文化なのかもしれませんが、バーベキューでもリブ(ソーキ)の部位を食べることが多かったです。大きなリブをドーンと焼くイメージ。沖縄の人ってバーベキューが大好きで、ことあるごとにやるんですよ。

 -沖縄の食べ物で苦手なものはありますか?

 岸本 あります。黒糖です。甘すぎるのが苦手なんですかね。食べられないというほどではないんですが、おいしいと思って食べたことがありません。「ミネラルが足りてないな」とか「頭がぼーっとするな」って思う時に食べるくらいです。

 -大学で沖縄を離れたとき、食生活で困ったことはありましたか?

 岸本 ポーク(ランチョンミート=豚ひき肉をスパイスなどとともに調理したもの。「スパム」が有名)とコンビーフが売っていなかったことです。大学は1人暮らしで、自炊はポークとコンビーフと野菜を炒めておけばどうにかなると思っていたので、めちゃくちゃ困りました。親にはポークとコンビーフばかり送ってもらっていましたね(笑)。

 -6月に結婚。奥様には食事でどのようなリクエストをしていますか?

 岸本 風邪気味のときは果物を増やしてほしいとか、筋肉痛のときはタンパク質を多めにとか…。食べ物やメニューというより成分のリクエストが多いですね(笑)。妻も沖縄出身ですが、沖縄食にこだわらずいろいろなものを工夫して作ってくれています。むしろ、時間がないときこそ、沖縄食が出ることが多いです。

 -プロアスリートとして、育ち盛りの子どもたちにメッセージをお願いします。

 岸本 色んなところで言うことなんですが、色々な種類の食材をバランスよく食べることを意識してほしいです。僕自身、そういう食事を心がけるだけでコンディションが変わりました。偏らず、好きなものばかりを食べないことを意識すれば、すぐに体が変わった実感が表れると思いますよ。

 ◆岸本隆一(きしもと・りゅういち) 1990年5月17日生まれ、沖縄県出身。屋部中-北中城高-大東文化大を経て琉球入り。2013-14シーズンにチームをbjリーグ優勝に導き、MVPを受賞。15年から3季連続でキャプテンを務めている。ポジションはポイントガード/シューティングガード。176センチ、75キロ。