周期的にトレンドが変わるメディアの性質により、Twitterとパブリッシャーがいま、その恩恵に浴している。複数のパブリッシャーによると、この2カ月は、Twitterにおける動画視聴数がいつもより増えており、一部のパブリッシャーはFacebookのニュースフィード改変で失ったリーチを埋め合わせられているという。

雑誌出版のバウアー(Bauer)は2017年12月、トップブランド全体のTwitter動画視聴数が10月から5倍に増えた。CNBCインターナショナル(CNBC International)は、記事の執筆時に具体的な数字を示さなかったが、2月は動画視聴数が「目覚ましく増加している」という。同じ2月、ライフスタイルを扱うスタイリスト(Stylist)では、Twitterへのリソースを増やしたことでTwitter動画の視聴数が500%増えた。男性向け娯楽サイトのジョー・メディア(JOE Media)も、Twitter動画の視聴数がこの4カ月で20%増え620万件になった。詳しい消息筋によると、Twitterにおけるこの1年の動画視聴数は、前年から「著しく」増えている。

Twitterは2017年、モバイルのプッシュ通知や、エンゲージメントが高いコンテンツを浮上させる「前回アクセスから今まで」のツイートの表示など、コンテンツの関連度を高める機能アップデートを発表した。これにより、パブリッシャーによる動画が見つけられやすくなった。Twitterはまた、動画の視聴数のカウントを導入した。視聴数が増えると、パブリッシャー数もパブリッシャーによるTwitterへの動画投稿数も当然、増加した。

「大々的に復活している」



バウアーでは2017年中盤以降、ファッション誌のグラツィア(Grazia)、都市部向けのラジオ局のキッスFM(Kiss FM)、映画誌のエンパイア(Empire)など、エンターテインメントやライフスタイルの自社タイトルでTwitterにより力を入れはじめた。以降、どんな動画が合っているのかを把握するためにメタデータと動画の長さ調整していて、主に40〜60秒の動画がうまくいっている。エンパイアについては、バウアーによると3分ある動画も同じような成績を残している。

「Twitterが大々的に復活している」と語ったのは、ジョー・メディア創設者のナイル・マクギャリー氏だ。視聴の増加が「顕著」だという。ジョー・メディアはこの半年で、編集制作チームの規模を2倍にして、Twitterに投稿するコンテンツ量を、サッカーの試合中や試合後を中心に増やした。エバートンFCの元ゴールキーバー、ネビル・サウスオール氏が12月、人々にさらなる思いやりを訴えるクリスマスメッセージを語り、ジョー・メディアが動画をTwitterに投稿したところ、サッカーの有名人と政治的なメッセージの組み合わせが功を奏して、動画は7000件のリツイートと1万2000件のいいねを集め、視聴数は100万件に迫った。Facebookに投稿した同じコンテンツは、そこまで注目を集めずに、シェアは1000件にとどまった。

「コンテンツがFacebookでうまくいくかどうかは神のみぞ知る。アルゴリズムがはるかに複雑なのだ」と、マクギャリー氏は語る。「Twitterには、Facebookにない一貫性がある」。

マネタイズ方法が豊富



Twitterによると、Twitterのアンプリファイ(Amplify)プログラムによるパブリッシャーへの支払額は、昨年から60%増えている。もっとも、プログラムに参加しているパブリッシャー数については教えてくれなかった。アンプリファイは5年前にはじまったプログラムで、パブリッシャーがプレロール広告を販売して、彼らのTwitterコンテンツを収益化するのを支援しようというものだ。バウアーは、リーチが阻害されるのを避けるため、イベントを扱うTwitter動画のマネタイズはあまりしていない。とはいえ、ペリスコープ(Periscope)のスーパーハート(Super Hearts:投げ銭機能)やスポンサーなど、パブリッシャーがTwitter上のコンテンツをマネタイズする方法が豊富にあるのはうれしいことだ。

「(アンプリファイには)パブリッシャーが最小限の労力をかけることで受け取る額を増やせるという利点がある」と語ったのは、ソーシャル動画プラットフォームのウォッチイット(Wochit)でビジネス開発VPを務めるギャレット・グッドマン氏。「すでにFacebook向けに制作している動画を投稿しているだけで、視聴をマネタイズできており、マイナスは事実上ほとんどない」。

ただ、Twitterは参照元として、Facebookに到底およばない。調査会社パースリー(Parsely)のデータでは、パブリッシャーの参照元トラフィックにおけるTwitterの割合は3%未満だ。

Twitter自体の問題もある。ヘイトスピーチや釣りによって不快な環境になりかねない。しかし、極右政治グループと結び付きのあるアカウントの認証を取り消すなど、Twitterもこうした問題への対処に動いている。

協力強化も進んでいる



Facebookのニュースフィードの改変と、英国のパブリッシャーがそのことを知った経緯を考えると、パブリッシャーたちがFacebook以外のプラットフォームに配信を拡大しようとしているのは驚きではない。LinkedIn(リンクトイン)やSnapchat(スナップチャット)など、ほかのプラットフォームはこのチャンスに乗じている。パブリッシャーたちによると、Twitterの英国チームも、アンプリファイパートナーシップの責任者リー・ルボーン氏と、エンターテインメントとライフスタイルのコンテンツパートナーシップの責任者であるジュリア・ホワイト氏を中心に、協力強化の申し入れを進めている。

たとえば、女優のメーガン・マークル氏とヘンリー王子の婚約直後、グラツィアがマークル氏の説明動画をTwitterに投稿したところ、この動画が予想を超えるパフォーマンスを示しているとの連絡が、24時間以内にTwitterチームからバウアーにあった。バウアーはこれを受けて、Twitter向けの追加コンテンツを制作した。

「毎日のように対話している」と、バウワー・エクセル・ メディア(Bauer Xcel Media)の動画責任者のグレッグ・アダムズ氏。「そうすることで、戦略の適合と学習の調節を迅速にやりやすくなる」。

Lucinda Southern (原文 / 訳:ガリレオ)