モノ作りの基本 ″素材の進化″ にふれる! 三井化学「MOLpCafé」の新素材との体験がワクワクする

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大手化学メーカー・三井化学が、自社が製造する素材をさまざまな形で展示する「MOLpCafé」を期間限定でオープンした。今回の展示は、同社の横断的なオープン・ラボラトリー(そざいの魅力ラボ、Mitsui Chemicals Material Oriented Laboratory:“MOLp”)の活動の一貫という。

会場では研究室に見立て、白衣を来たラボのメンバーが直接、展示物である素材(および、その加工物)の説明をしてくれる。

普段ふれることのない素材について知ることができる、このまたとない機会。早速、足を運んでみた。

「MOLpCafé」は、瀟洒な建物、白衣や実験道具といった小物が小学校の理科室を思わせる。さまざまな素材が展示されており、既存のおなじみのものからまだ新しいというものまで、いろいろだ。









ここでは、いくつかの新しい素材を紹介したい。


◎ 新しい素材にふれる
まず、フォトクロミック色素技術を使った「SHIRANUI」。
太陽の光、あるいはLEDライトの光などで、見た目の色が変化する。
製品例として、ボタンやバングルが展示されている。





色の変化はファッションやインテリアとして、おもしろい要素だ。もちろん、実務的な活用も考えられるだろう。たとえば、服についたボタンが透明から黒くなっていく、そこで紫外線の強さを測る、といった使い方だ。

もう1つ注目なのが、新しいウレタン素材、植物由来の「スタビオ」だ。
スタビオは低温で成形する。また、透明度が高く、黄変しないという特徴がある。
たとえば、同じように透明性の高いアクリルと比較した場合、アクリルは高温で処理されるため、内部に電子基板を組み込むと成形途中に壊れてしまう。しかしスタビオの場合、内部に基板を入れて成形しても壊れることはない。

参考展示された作品は透明なトーチ。
開発中の曲げ、接触、振動を検知する圧電ライン、そして中の基板はエレファンテック社のフレキシブル基板(P-Flex)を使って、LEDライトのオンオフを「握る」動作や「さわる」動作に置き換えている。






よく見ると、中にフレキシブル基板(P-Flex)が入っているのがわかる


P-Flexはインクジェット印刷と銅めっきを用いたフレキシブル基板。
必要な部分にのみインクジェットで金属ナノ粒子を印刷し、めっき技術で金属を成長させるというエレファンテック社独自の製造技術だ。

圧電ラインは、もともとフィルムとして開発されていた素材を、加工用途を考慮し任意の長さで切ることのできる「線」として製品化を目指しているという。
この圧電ラインを電子回路に用いることで、スイッチ機能を回路自体に持たせることができる。

熱伝導プラスチック「NAGORI」、これは樹脂にもかかわらず、陶器のような触感を実現する素材だ。
製品例は、冷たいビールを入れればヒンヤリするタンブラーだ。





◎ 素材を身近に感じる
今回の展示はデザイナーの田子學氏とのコラボレーションによるもの。

素材を扱う化学メーカーの業態はB2Bで一般の消費者やコンシューマー層にはなかなか接点がない。そこで、自社の素材を知ってもらうとともに、広く、さまざまな人にふれてもらうことで、今後の研究開発や製品化へのヒントやサジェスチョンが得られないか、アイデア発想の企みでもあるという。

もう1つ、注目したのが素材キット「マテリウム」だ。
これは、ものづくりの要素として重要な素材をキット化したもの。
形になったときの風合い、触感や特性をまとめてある。



マテリウム #01(TRANSPARENT)




マテリウム #05(Form)


素材といっても、一般の人にはなかなかピンと来ない世界だが、こうして「見て」「触れる」機会があると、ぐっと身近なものになる。展示物には化学組成も表記されているので、化学好きな方も楽しめるのでは。

会場は東京都港区のライトボックススタジオ青山、3月11日(日)まで。
「MOLpCafé」


大内孝子