「えこひいき人事」不満にどう対処するか

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「部長、ちょっといいですか?」。思いつめた顔で女性の部下が訴えてきたらどうするか。5つのテーマにあわせて、落ち着いて対処するためのマニュアルを紹介しよう。第5回のテーマは「部下への『えこひいき』に不満爆発」――。(全5回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年10月30日号)の特集記事「女子社員からの怒りのクレーム 緊急フォロー術5」を再編集したものです。

■思い込みを覆すことは、まず無理

何人も女性がいる職場で1人の女性を引き上げたら、他の女性陣から「えこひいき人事だ」と不満の声が上がるのは、むしろ当然といえます。なぜなら、男性が論理で生きているのに対し、女性の生きる基本は好きか嫌いか。しかもその割合は、私の経験からいうと1対9。「好き」の範疇に入るのは周囲の10%の人にすぎず、残りの90%には、どこか快くない感情を抱いているのです。そのうえ女性は男性の何倍もジェラシーが強いときています。

「彼女が抜擢されるなんておかしい。やっぱり部長とできていたのね」

誰かがそんなことを口にしようものなら、その噂は新幹線を超える速度で職場内に広がります。こうなると職場の雰囲気は悪化します。人事を行った上司も女性社員から白い目で見られ、やりにくいことこのうえありません。

しかし、えこひいきなどしていたら、仕事の成果が上がらず社内での自分の評価が下がってしまうので、実際には、男性が人事に個人的感情を持ち込むようなことは、ほとんどないのです。だからといって、そんな正論を吐いてみたところで、いったんえこひいきと思い込んでしまった彼女たちの心を覆すことは、まず無理だと思ってください。

このとき、いちばん有効なのは、あわてずに放っておくことです。もし、能力やスキルから判断した適切な人事であったなら、引き上げられた女性は、やがて与えられたポジションで結果を出すようになるでしょう。そうすれば、他の女性たちもそれを見て、徐々に理解を示すようになります。だから、たとえ一時は職場の女性を敵に回そうと、上司たるもの「人の噂も75日」と思って、しばらくはじっと耐えるのです。

また、日ごろから部下の女性たちに好かれているなら、どんな人事をしようがそれほど文句は出ないものです。女性陣がいきり立つのは、その上司が彼女たちにとって好きではない90%に分類されているからだともいえます。

■女性は「心」と「顔」が異なる

ただ、女性は心と顔が異なるので、表情だけではなかなか本心がわかりません。自分が部下の女性に好かれているかどうか、私はそれを「2人主義」という方法で測っていました。2人で話をするときに、主語を「ぼくと君」とするのではなく、あえて「ぼくたち」としてみるのです。女性は嫌いな人と2人1組にされると生理的に我慢できないところがあります。それゆえ、「ぼくたちの考えはこうだよね」といわれると、相手のことが好きでないときは「いいえ、私は部長とは違います」と、必ず否定せずにはいられないのです。

もし嫌われているとわかったらどうするか。慌てて自分の魅力をアピールしたり、相手の機嫌をとったりしてなんとか好きになってもらおうとしてもムダです。そんなことで人の気持ちは変わりません。そうではなく、自分がその女性を心から好きになるのです。

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▼「えこひいきだ」と言われたときの対処法
・女性から「ひいきだ」と非難されるのは当たり前
・ウワサはやがて消えるので放置すべし
・ただし、本当に「ひいき」だったり肉体関係があったらアウト!
・女性部下の本心を知るには「2人主義」で質問せよ

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ただし、人事の裏に「あわよくば」というスケベ心が潜んでいたり、本当に部下との間に男女関係があったりしたら話は別。隠そうとしても女性は敏感にそれを察知します。この場合は、たとえ時間が経っても、女性の部下の信頼を取り戻すのはほぼ不可能。不徳のツケを一身に受けることを覚悟するほかありません。

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櫻井秀勲●きずな出版社長
1931年、東京生まれ。東京外国語大学卒業。「女性自身」編集長として当時最高の発行部数147万部の記録を打ち立て、「女学の神様」と呼ばれる。『女がわからないでメシが食えるか』をはじめ著作は200冊を超える。
 

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(きずな出版社長 櫻井 秀勲 構成=山口雅之 撮影=大杉和広)