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米VMwareは3月7日(現地時間)、クラウドサービス群「VMware Cloud Services」のポートフォリオ拡充、VMware Cloud Provider向けプラットフォームのアップデート、VMware Cloud on AWSの機能追加とヨーロッパ展開を発表した。これらのアップデートについては、チーフストラテジスト(SDDC/Cloud)の高橋洋介氏が説明を行った。

○3サービスをアップデート、新サービスも発表 - VMware Cloud Services

今回、VMware Cloud Servicesのうち、機能拡張が行われたのは「Hybrid Cloud Extension」「Wavefront by VMware」「VMware Cost Insight」だ。

「Hybrid Cloud Extension」は、昨年に「VMware HCX technologies」として発表されたが、今回リブランドされた。同サービスは、VMwareベースのデータセンターとVMwareベースのクラウドサービスの間で、ワークロードのライブマイグレーションを実現するもの。

高橋氏は、Hybrid Cloud Extensionの特徴について「バージョンの互換性、可搬性、セキュリティ。オンプレミスでは古いバージョンのvSphereが使われていることが多いが、クラウド上の最新のvSphere上にワークロードを移行できる」と説明した。

これまで対応しているクラウドサービスは、IBM CloudとOVHだったが、VMware Cloud on AWSが利用可能になった。加えて、複数地域に存在する企業のプライベートデータセンター間で大規模なワークロードの移行も行えるようになった。

「Wavefront by VMware」は、SaaSベースのメトリクス監視/分析サービスのプラットフォーム。今回、Google Cloud Platform、Chef、GitHub、Spark、Nginx+、Mesosなど45の機能が追加され、可視化と監視が強化された。また、ネイティブのAWSサービスの監視、Pivotal Cloud Foundry用のメトリックが追加された。加えて、VMware vRealize Operationsとの連携も始まり、Wavefrontの迅速な導入、エージェントのライフサイクル管理/制御、インフラとその上で稼動するアプリケーションの可視化を実現する。

「VMware Cost Insight」は、オンプレミスのVMware環境やAWS/Microsoft Azureのコストを可視化・分析するサービス。今回、オンプレミスからVMware Cloud on AWSへのワークロード移行に関するコストの見積もり評価機能、アプリケーションを実行するためのキャパシティとコストを計算する機能が追加された。また、Network InsightやvSAN Realizeと連携したことで、移行後のネットワーク容量とストレージIOPSを計算できるようになった。

そして、新たに提供が開始されたのが「VMware Log Intelligence」だ。これは、VMwareベースのデータセンターとVMware Cloud on AWSに対し、リアルタイムでログ管理と分析機能を提供するサービス。ログの分析は、機械学習によって行われる。

高橋氏は「vSphere、OS、アプリケーション、統計ログ、セキュリティログ、ネットワーク機器、ストレージなど、さまざまなシステムログを同一の時間軸で表示できる点で便利」と語った。

○vCloud Director 9.1リリース - VMware Cloud Provider向けアップデート

VMware Cloud Providerは、VMwareのインフラストラクチャを月単位のサブスクリプションで利用できるパートナーだ。VMware Cloud Providerに対しては、仮想化されたインフラとサービス「Software-Defined Data Center」、マルチテナントを実現する管理プラットフォーム「VMware vCloud Director」、運用管理向けのサービス群を、VMware Cloud Provider Platformとして提供している。

今回、管理プラットフォームの最新版「vCloud Director 9.1」がリリースされた。最新版では、「サービス連携」「ユーザーエクスピリエンスの簡素化」「開発者向けの拡張機能」が追加された。

具体的には、パートナーのサービスとカスタムワークフローと管理インタフェースを統合することが可能になったほか、マルチサイトビューとポータルの強化によって管理が簡素化されている。開発者に対しては、Python SDKとvCD CLIが提供されるほか、Kubernetes向けの機能が拡張される。

○イギリスで提供が始まったVMware Cloud on AWS

VMware Cloud on AWSは、 AWSのインフラ上でVMware SDDCを実行できるサービスで、オンプレミスのVMware環境をパブリッククラウド上にシームレスに移行すること、オンプレミスの環境と運用を統合することが可能。販売、運用、サポートはVMwareが行う。

昨年のVMworldで発表されて以来、機能が追加されてきたが、現在はオンプレミスとVMware Cloud間の接続は、VPNとAWS Direct Connectによる専用線がサポートされている。

これまで米国のオレゴンとノースバージニアで提供が始まっていたが、今回、欧州では初めてイギリス・ロンドンでの提供が発表された。近日中に、ドイツのフランクフルトでも提供が始まるという。

新機能としては、vSANのデータ圧縮機能と重複排除機能、自動化/セルフサービス機能が追加された。VMwareの試算によると、150TBのストレージが必要とされる一般的なワークロードにおいて、VMware Cloud on AWSのSDDCクラスタを3年間使用すると、40%程度のキャパシティ利用率の向上と最大120万ドルのコスト削減が見込まれるという。

また、本番運用での品質を保証していないプレビュー版での提供となるが、ストレッチクラスタにより、すべてのアベイラビリティ・ゾーンのアプリケーションに対し、ゼロRPO(Recovery Point Objective:目標復旧地点)の高い可用性を提供することが可能になった。「インフラレイヤーに組み込まれた仕組みであるため、リアーキテクチャが不要」(高橋氏)だという。

同様に、VMware Horizon 7がVMware Cloud on AWSでプレビュー版として提供が始まった。これにより、オンプレミスとVMware Cloud on AWS間で、ハイブリッドなVDIの運用が可能になる。支払いはオンデマンドベースで行えるため、ディザスタ・リカバリや有事の際の一時利用といった用途に利用することができる。

そして、VMware Cloud on AWSのパートナープログラムも開始された。「VMware Solution Competency for VMware Cloud on AWS」「VMware Solution Provider Program Expansion」「VMware Solution Provider MSP Program Expansion」の3種類から構成される。

同プログラムは現在、北米・欧州でのみ展開しており、日本では、日本企業が求める基準に合うよう、準備が進められているという。