東証1部、2部上場メーカー65社のうち、過半数の35社が1月以降の第4四半期(2018年3月期決算)の想定為替レートを1ドル=110円に設定していることがわかった。
 外国為替市場は、続伸していた米国株式市場が2月5日に、1175.21ドル安の過去最大の下落幅を記録すると、その余波で2月16日の東京外為市場の円相場も1ドル=105円台と、1年3カ月ぶりの円高ドル安となった。
 足元の円相場が想定より円高に振れており、海外売上高の比率が高い電機・自動車・機械などの輸出企業では業績の下押し懸念が出てきた。


  • 本調査は、東京証券取引所1部、2部に上場する主な電気機器、自動車関連、機械、精密機器メーカー(3月期本決算)のうち、2018年3月期決算の業績見通しで第4四半期以降(1月以降)の想定為替レートが判明した65社を対象に抽出した。資料は決算短信、業績予想等に基づく。

第4四半期の想定為替レート、1ドル=110円が最多

 東京証券取引所1部、2部に上場する主なメーカー65社(3月本決算企業)のうち、2018年3月期決算の第4四半期の業績見通しで、対ドル相場は1ドル=110円に想定した企業が35社(構成比53.8%)と最も多かった。次いで、105円が11社(同16.9%)、111円が8社(同12.3%)、108円が6社(同9.2%)と続く。想定為替レートの最高値は105円、最安値が113円だった。現状レートと比較すると、上場メーカーは円安設定が目立つ結果となった。

期初とのレート比較、「105円→110円」の変更が最多

 期初の想定為替レート比較では、「105円→110円」が14社(構成比21.5%)で最も多かった。次いで、据え置きの「110円→110円」が12社(同18.4%)と続き、同じく据え置きの「105円→105円」が9社(同13.8%)、「110円→111円」が6社、「108円→110円」が5社の順。
 全体では、期初より「円安」設定が35社(構成比53.8%)、「据え置き」が25社(同38.4%)で、「円高」設定は3社にとどまり、期初が不明は2社と「円安」設定が過半数を占めた。

対ユーロ想定為替レート、1ユーロ=130円が最多

 上場メーカー65社のうち、第4四半期ユーロの想定為替レートが判明した48社をみると、最多が1ユーロ=130円の14社(構成比29.1%)だった。次いで、128円と135円が各6社で続く。最安値は135円だった。なお、期初時点では1ユーロ=115円(20社)の想定企業が最も多かった。


 想定為替レートは、各企業の事業計画や業績見通しの前提になる。東京商工リサーチが2017年12月発表の上場メーカーの「下期想定為替レート(2017年10月以降の想定為替レート)」調査では、想定レートを実勢レートより円高の期初段階に「据え置く」ケースが目立った。これは利益の拡大余地を残しながらも、外国為替の値動きを慎重に見守っている姿勢の反映ともいえる。
 好業績や株高を背景に、輸出関連の多くの企業は第4四半期の想定為替レートを円安修正したが、2月5日にニューヨーク株式市場で過去最大の下げ幅を記録したことを受けて、外為市場ではリスク回避から円買いが進み、一転して2016年11月以来の1ドル=105円台の円高水準に振れた。
 ここにきて足元の円相場が上場メーカーの想定より円高に振れたことで、1円の為替変動でも業績への影響が大きい輸出企業を中心に、企業収益への影響が避けられない状況になってきた。