旅立つ人とともに飲みたい、はなむけのカクテル。

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3月は別れの季節。そんなときに飲むべきカクテルが、赤坂の新しいバーにあります。

TOKYO HIP BAR Vol.20


「分岐点」の名を持つバーの、旅立ちのためのカクテル。


隠れた想いをさりげなく伝えられる花言葉。ヒヤシンスは「あなたとなら幸せ」であったり、アザレアはなんと「禁酒」の意味。隠れた意味を意識しながら、何かを贈ったりすることはプレゼントの醍醐味です。「門出」の意味があるのはスイートピーだそうですが、“分岐点”の名前がつけられたバー「BAR WATERSHED」が、今年2月に赤坂にオープンしました。

オーナーと不思議な縁でつながった

watershed(分水嶺)とは

オーナーの角田剛兵さんは、自然の素材を使って自在にカクテルをつくる“ミクソロジスト”という言葉を一般化させた「BAR RAGE」出身。角田さんの人生にたびたび現れたのがwatershedの存在です。

はじめに現れたのはオーストラリアのワイナリー「watershed winery」。マーガレットリバーに位置する美しい水辺に囲まれたワイナリーに、留学中にふと立ち寄ったことが、角田さんが飲食業界に進んだきっかけでした。そして、独立を準備している際に応募したカクテル「watershed」がカクテルのコンペティションでベスト20入りしたことも、このカクテル名を独立後の店舗名にする後押しとなりました。

watershedは主に山岳用語で「分水嶺」のこと。雨水が異なる方向に流れる境界線が分水嶺ですが、山岳地帯では山稜が境界線となります。一緒に流れてきたものが自然に分かれるそのラインであることから、watershedは分岐点や転機を表します。

別れと希望が込められた

“はなむけカクテル”

出会いや独立を重ね、まさに自身の状況と合わせたこのカクテルは、ラムをベースに、スイートワイン、シェリーで仕上げたシンプルなカクテル。ほろ苦いシェリーは別れを、甘いワインは未来への希望を感じさせ、全体をラムが柔らかく包みます。うっすらブロンズに色づいた液体には、鼻元を爽やかにくすぐるバジルの葉がのせられています。

レンガの壁にアンティークの棚や時代を超えて集められた小物、カウンターに複数連なるインダストリアルな照明がアクセントとして並べられた店内は多国籍感が漂い、どこかから帰ってきたような、またはここからどこかに行けるような気持ちにさせてくれます。

何かを始める人々に勇気を与えられる場所になったらというオーナーの想いが込められた空間に、花言葉のようにして意味が含まれたwatershedの店名。大切な誰かの見送りの場面で、はなむけの気持ちを表したいときにぜひご案内を。この「門出」のカクテルが大切な方の旅立ちの心に寄り添ってくれるはずです。