Facebookがニュースフィードのアルゴリズムを変更したことで、パブリッシャーたちに早速大きな影響が出てきた。

Facebook上で感動できる記事やビデオをシェアしてオーディエンスを拡大してきたサイト、リトル・シングス(LittleThings)が先日閉鎖した。このサイトは4年間にわたり運営されてきたが、閉鎖の結果、100人ほどのスタッフが失業したことになる。これはニュースフィードにおいて、パブリッシャーたちのコンテンツよりもユーザーの友人や家族の投稿を優先させるという、Facebookのアルゴリズム変更の影響だ。

リトル・シングスの社長でありCOOであるブレッチェン・ティビッツ氏によると、1月に発表されたこの変更によって、サイトのオーガニック・リーチの75%が途絶えたという。ビジネスインサイダー(Business Insider)に語っている。

「今回は我々の限界を超えた」



何十億人というユーザを抱えるFacebook。このプラットフォームに頼って拡大してきたパブリッシャーはリトル・シングス以外にも多く存在している。しかしFacebookへの依存という点ではリトル・シングスは他社よりも抜きん出ていた。これまではFacebookのアルゴリズム変更のたびに、巧みにそれを乗り越えてきた同サイト。バイラル動画をシェアして人気になったあと、Facebookがライブ動画に優先的に取り組みはじめたとき、彼らもまたそれに率先して取り組んだ。一時は彼らのビューの75%がFacebookのライブ動画だった。

しかし、そんな関係も長くは続かなかったわけだ。そして、このような運命をたどるのはリトル・シングスが最後ではないだろう。多くのパブリッシャーにとってFacebookは、いまだに巨大なトラフィック源となっているが、この1年のあいだ、パブリッシャーへと送られるトラフィックはどんどんと削られてきている。その決定打となったのがこの1月に発表されたアルゴリズム変更だ。エンゲージメントを改善するためにユーザーの投稿を優先して表示するという決定だ。Facebookは各種の規制導入の動きや、フェイクニュース、プロパガンダにまつわるPR対策にも追われている。ユーザー優先という今回の決定はプラットフォームを守るための安全策だろう、と多くが推測している。

「我々は失望している。Facebookは彼らのプラットフォームだが、今月の頭までは我々のやり方はちゃんと機能していた」と、ティビッツ氏は語った。

レポートでは、スタッフのひとりが「大きなショックを受けている」と描写されている。「デジタルメディア会社が耐えられるダメージには限界がある。そして、今回は我々の限界を超えてしまった」と語っている。

広告的に弱いオーディエンス



各種プラットフォーム上でオーディエンスを拡大させながら成長してきた新規メディア会社たちは、ベンチャーキャピタルから資金を得ているところが多い。しかしリトル・シングスは自己資金で運営されていた。そのため今回のように大きなダメージを受けたときに、それに耐えるだけの経済的なクッションを持っていなかったのだ。

当初は彼らのビジネスの大部分はプログラマティック広告に頼っていたが、のちに収益の良いダイレクトセールスへと転向した。ニュースというコンテンツが徐々に、広告主にとってリスクを伴うにつれて、リトル・シングスが取り扱っていたモチベーションを高めてくれるような記事やビデオは、広告主にとっても安全なコンテンツであった。

しかし、短所もあったようだ。「ブランドセーフティは、我々にとっても大きなセールスポイントだった。しかし、その一方で、我々のオーディエンスはアメリカ中部に住む30歳以上の女性だった。そして、彼女らは(広告ターゲットという点では)非常に魅力的、というわけではない」と、ティビッツ氏は語る。P&Gやイーベイといった優良な広告主からのバイイングも獲得しながら、少しずつ大きな収益を上げようとしていたが、十分な量ではなかった。特に今年の第1四半期は広告業界にとって、動きはスローだった。

ほかに頼るところがなかった



Facebookから失われたトラフィックを、ほかのパブリッシャーたちはGoogleやTwitterから得ようとしている。しかしリトル・シングスはほかに頼るところがなかった。リトル・シングスのコムスコア(comScore)のトラフィックは、昨年5月の5800万から4000万まで减少したという。

「我々のオーディエンスとつながる、ほかのプラットフォームはいまのところ存在していない。我が社には100人の素晴らしい才能にあふれるスタッフが存在していた。彼らは、ほかではなかなか見つからないオーディエンスの心に響くようなコンテンツを作ってくれていたのだ」と、彼女は語った。

Lucia Moses(原文 / 訳:塚本 紺)
Max Willens contributed reporting.