最近では芸能人やアーティストがオリジナルの仮想通貨を発行することが広まりつつあるようですが、メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者で国際経済にも精通する高城剛さんが伝えるところによると、先日ベネズエラが国家初となる仮想通貨「ペトロ」を発行し、投資家たちから注目を集めています。高城さんは今後日本を含め、あらゆる国々が独自の仮想通貨を発行するだろうと予測。その理由についても記しています。

たとえ国家が仮想通貨を発行しても、必ず大暴落は起きる

今週は、ベネズエラが国家初となる独自に発行した仮想通貨「ペトロ」につきまして、私見たっぷりにお話しししたいと思います。

先週2月20日、ベネズエラは、独自の仮想通貨「ペトロ」の購入者登録手続きを始めました。

米国の経済制裁による外貨不足を補い、財政破綻を防ぐのが目的とみられますが、この仮想通貨の裏付けは、同国の原油埋蔵量にあります。

これが一般的な仮想通貨と大きな違いで、また、国家が仮想通貨を発行するのは世界で初めての試みとなります。

ベネズエラ政府によると、総額で1億ペトロを発行する予定で、今回は、発行上限の38.4%にあたる3840万ペトロを機関投資家向けに発行したと発表されています。

「ペトロ」の売り出し価格は、原油1バレルの価値に相当する1ペトロ当たり60ドル(約6400円)で、「新規仮想通貨公開(ICO)」と呼ばれる新手法などで国外の投資家から資金の呼び込みを試みており、計画通り発行上限の1億ペトロを売り切れば、調達額は60億ドルに上りますが、裏付けとなる埋蔵量をめぐっては、信頼性を疑問視する声も多くあります。

その上、1ペトロはベネズエラ産原油1バレルを裏付けると政府は発表していますが、ペトロと原油との交換は保証されていません。

また、同国の国民も「ペトロ」を購入できません。

BBCによれば、ベネズエラが抱える対外債務は1400億ドル(約15兆円)ほどあり、国債や国営ベネズエラ石油の社債の利払いなど大規模返済の期限が今年4月に迫っているため、もし、この仮想通貨が失敗すれば、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高いと指摘されています。

ですが、米財務省が「ペトロ」の取引が経済制裁に抵触すると発表すると、一部で熱狂的だった「ペトロ」の事前人気が急落してしまいました。

今回の試みで面白いのは、「ブロックチェーン」には、大きく分けると「パブリックチェーン」と「プライベートチェーン」があり、ビットコインなどが前者であるのに対し、「ペトロ」は後者にあたり、極めて恣意的な仮想通貨を実験的に発行した点にあります。

国家が発行する仮想通貨は、法定通貨や国有財産を担保にプライベート型のブロックチェーンで管理するもので、僕はベネズエラに限らず、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性や財政の行き詰まりが高くなれば、あらゆる国々が、今後プライベート型の仮想通貨を発行すると考えています。

時間はもう少しかかるのでしょうが、そのひとつが、日本で検討されている政府紙幣の発行ではないかと睨んでいるほどです。

今後、ベネズエラは、金を裏付けとする仮想通貨「ペトロ・ゴールド」を導入すると発表しています。

また、トルコとイランも仮想通貨発行の検討を公にしています。

時代は、いよいよ官製仮想通貨の時代に突入したわけですが、それは同時に、世界的に経済が大揺れになる時が、本気で近づいてきた証でもあります。

仮想通貨は、たとえ国家が発行しても、必ず大きく暴落するでしょう。

なにしろ、最後の苦肉の策で、もう後がないことがバレてしまっているからです。

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